「シャワーがチョロチョロ…」英国暮らしの洗礼?水圧地獄とその回避術

「ロンドンでの新生活、シャワーを浴びた瞬間に人生観が変わりました。まさか“水でなく涙”で流すことになるとは…」 イギリス暮らしと聞けば、皆さんは何を想像するでしょう?ビッグベン、紅茶、バッキンガム宮殿、あるいはフィッシュ&チップスかもしれません。でも、実際に住んでみて最初にぶつかる壁――それが、「シャワーの水圧の弱さ」です。 ■ まるで霧吹き!?イギリス名物「チョロチョロシャワー」 「イギリスは水圧が弱い」――これ、住んだことのある人なら全員が口をそろえて言います。特に古いフラット(アパート)に住んでいると、シャワーをひねっても“ジョボジョボ…”と申し訳程度に水が出てくるだけ。勢いなんてものは一切ありません。 シャワーヘッドから出るのはもはや水ではなく、「霧」や「涙」です。頭を洗おうとしても、泡が流れきる前に体が冷えてきてしまうのです。冬場なら特に悲惨。浴び終わる頃には震えが止まらず、「これ本当に先進国の住宅か?」と思わずにはいられません。 ■ なぜこんなに水圧が弱いのか?その背景 この異常なまでの低水圧、理由は明白。イギリスの多くの住宅では、いまだに重力式の給水システムが使われているからです。 特にビクトリア時代や戦後に建てられた物件では、天井裏に設置された水タンクから自然落下の水圧で水を供給しています。日本のように強力なポンプで圧力をかけているわけではありません。つまり、タンクとシャワーヘッドの距離が短いほど、水圧はどんどん弱くなるという仕組み。 さらに、古いタイプの**コンビボイラー(Combi Boiler)**も、水の加熱と同時に圧力も下がるため、シャワーの温度がぬるくなったり圧が落ちたりと散々な目に遭います。 ■ 入居後に後悔しても遅い!内覧時に必ず確認すべし ここが本記事で最も重要なポイントです。「シャワーの水圧チェックは、絶対に内覧のときに!」 契約前に不動産屋に連れられて部屋を見学する際、キッチンやリビングの広さ、収納スペースにばかり気を取られてはいけません。浴室に直行し、シャワーの蛇口をひねる勇気を持ってください。 これは恥ずかしいことでも何でもなく、現地住民なら誰もがやっている当たり前の確認行為です。もし出てきた水が「ちょろちょろ~」だった場合、その物件は即NG。どれだけ家賃が安くても、いくらロケーションが良くても、冬に震えながら頭を洗うストレスには勝てません。 ■ イギリス人はどうしているのか? 「じゃあイギリス人はこの水圧にどう対処しているの?」とよく聞かれます。結論から言うと、多くの人は水圧が強い物件に住んでいるわけではなく、慣れているだけです。中には本当に水圧を気にしない人もいます。 ただし、経済的に余裕のある家庭は、水圧ポンプ(shower pump)を設置して対処しています。これはシャワーの配管に取り付ける小型の電動ポンプで、これを導入することで一気に「日本並みの水圧」が得られます。 しかし、この機器の設置には大家の許可が必要で、なおかつ配管工事も発生します。賃貸で住んでいる場合、これを実現するのは非常にハードルが高いです。 ■ じゃあどうすればいいの?選ぶべき物件とは では、水圧問題に頭を悩ませずに済む物件とはどんな物件か?以下のチェックポイントを参考にしてください。 ■ 水圧のせいで人生が狂う!?体験談いろいろ 少し大げさかもしれませんが、シャワーの水圧が原因で「住み替えた」「風呂に入りたくなくなった」「外出を避けるようになった」などの声は多数あります。 ある日本人留学生は、「夜シャワーを浴びるのが苦痛で、朝に冷水でサッと済ます生活に。結果、風邪を頻繁に引くようになって医療費がかさんだ」と話していました。 また別の駐在員は、「会社の重要なプレゼン前日に、頭を流すのに20分もかかって遅刻。最終的にプロジェクトから外された」とまで言っていました。 「水圧ひとつで生活の質が激変する」――これは本当に冗談ではないのです。 ■ 結論:「水圧ナメたらあかん!」という話 イギリスにこれから住む、または引っ越しを考えている皆さんへ。物件探しでいちばん大切なのは、「ロケーション」でも「賃料」でもなく、「水圧」です。これは半分ジョーク、でも半分は本気。 特に冬の長いイギリスでは、お風呂時間が快適であるかどうかは生活の幸福度を大きく左右します。家に帰って、「ああ、今日は疲れたけどあったかいシャワーでスッキリできたな」と思えることが、どれほど大事か。 シャワーの水圧。それはもはや英国暮らしの成否を分ける最重要ファクターなのです。 おまけ:シャワー水圧チェック英会話フレーズ集 しつこく聞いてもいいんです、だってあなたの健康と快適さのためなんですから!