イギリスで賃貸物件を借りる際、多くの日本人が驚くのが、退去時のデポジット(敷金)に関するトラブルの多さです。日本と異なり、イギリスではデポジットが簡単に返還されるとは限らず、大家や不動産会社によって不当に差し引かれることがしばしばあります。こうしたトラブルを避けるためには、入居前から計画的に準備し、証拠をしっかりと残しておくことが重要です。 本記事では、イギリスの賃貸物件における退去時のトラブルを回避し、デポジットを満額返還してもらうための具体的な対策について詳しく解説します。 1. 入居前にやるべきこと 1-1. 物件の現状を事前に確認する 物件を契約する前に、できる限り詳しくその状態を確認しましょう。特に以下の点に注意してください。 1-2. 不動産会社に書面で問い合わせる 内覧時に気になった点は、その場で質問するだけでなく、不動産会社にメールで問い合わせることが重要です。口頭でのやり取りだけでは証拠が残らず、後で「そんなことは言っていない」と言われる可能性があるため、文書として記録を残しておきましょう。 例: Dear [不動産会社の担当者名], I recently viewed the property at [住所] and had some concerns regarding the following issues: 1. The washing machine appears to be malfunctioning. 2. There is visible mold in the bathroom. 3. The window in the bedroom does not close properly. Could …
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Category:退去時トラブル
現地不動産会社を通して賃貸契約するときの注意点
以前にも投稿させていただきました内容で重複する点も多いかと思いますが、最近あまりにも現地不動産会社を通しての賃貸契約に関するトラブルの相談が増えてきましたというのもあって再度、現地不動産会社を通しての賃貸契約するときの注意点について解説します。 なぜ、現地不動産会社との契約が増えてきたのか? まず、本題に入る前になぜ現地不動産会社を通しての賃貸契約が増えてきたのかという疑問にお答えします。理由はいろいろありますが、ざっくり言いますと下のものになります。 日本人の英語力があがり、現地不動産会社でも契約が簡単にできるようになった 日本人がたくさん住むエリアに住みたくないひとが増えた 会社に歩いて通えるエリアに日系不動産会社がない 上の3つの理由ですが、実はすべて関連しているのです。日本人の英語力があがり、日系の不動産会社に頼る必要性がなくなったので、現地不動産会社を通しての契約が増えたということです。3つめの会社への徒歩圏内といいますと、日系企業の多くがロンドンの都心部に集中していますが、都心部に日系不動産会社はありません。昔は都心部は治安が悪いとか、ゴミゴミしていて環境悪いなどの悪条件が揃っていましたが、今は治安もよくなり、車の排気ガスに関してはウルトラ・ロウ・エミッション(超低排出)規制がはじまり、都心部は排気ガスをたくさん放出する車に対して通行料が課金されるようになり、環境もかなり良くなっています。そもそも日本人の若いひとにとって郊外に暮らすメリットってほとんどありませんからね。都心に住む日本人が増えるのは当たり前と言えばそうですよね。 賃貸契約の際は、契約書をしっかり読もう さて、本題に入りますが、まず現地不動産会社を通して賃貸契約をする際に、必ずチェックしなければいけない項目があります。契約書はだいたい10~15ページぐらいのものになりますが、そんな難しいことは書いていません。テナント(借主)の義務、ランドロード(貸主)の義務、一般的な決まり、特別事項の4つの構成になっています。なかでも注意しないといけないのは、テナントの義務(TENANT’S OBLIGATION)です。テナントの義務というのは基本的に期日通り家賃を支払うということと物件をきれいに使用するということです。 物件をきれいに使用する義務とは 物件をきれいに使用するというのは、ランドロードが定期的に物件にきてチェックするので毎日きれいに掃除しなくてはいけないということではありません。住んでいるときどんなに散らかしたり汚したりしてもいいけど、退去して物件を返却する際には入居時と同じ状態に戻せということです。そのままの内容のことがテナントの義務に記載されていますが、物件をきれいに使用するというのはどういうことなのかという細かい内容も記載されています。例えば、壁に画びょうやクギを打ってはいけないという項目は必ず入っていますが、住む家に写真や絵を壁に掛けたいですよね。その場合、契約書にサインする前にランドロードに許可をもらうようにして、それを特別事項として記載してもらいましょう。物件をきれいに使用するという義務の中に、庭の手入れももちろん含まれています。日本でもやったことのない庭の手入れを英国でするなんて正直無理ですよね。でも、賃貸契約書には100%含まれています。では庭の手入れを怠った場合はどうなるのでしょうか。隣のひとから庭の手入れをするように注意されたり、退去時に法外な金額をランドロードから請求されたりします。庭の手入れに自信がないかたは、ガーデナーを雇いましょう。一回呼ぶごとに30~40ポンドほどとられますが、庭がきれいになり隣のひとから嫌味を言われることもなくなり平和に暮らせます。 退去通知の方法 退去通知のほうほうでもめるケースが意外とあります。退去通知というのは、物件を出ますとランドロードに通知することです。例えば、今より条件のいい物件が見つかったので引っ越したいとなったとき、今住んでいる物件のランドロードに退去したいと通知しなければいけません。通常は1カ月前通知、2カ月前通知、場合によっては3カ月前通知と記載されているときもあります。1カ月前通知がテナントにとって好都合ですが、どうしても2カ月通知じゃないとだめだと言ってくるランドロードもいます。1カ月通知で退去できるように少し頑張って交渉しましょう。 中途解約(BREAK CLAUSE) この中途解約ももめる原因の一つです。駐在で英国にきているひとは、突然会社から「来月日本に帰ってこい!」とか、「来月からタイに行ってくれ!」など突然の人事異動命令を下されるときってあるじゃないですか。そんなときに、中途解約の条項が契約に入っていない場合は、契約終了まで家賃の支払い義務が生じてしまうので気をつけましょう。中途解約の条項が入っていないからどうしようとお困りの方は下記のメールまでご相談ください。info@eikoku-seikatsu.comこのトラブルを回避する方法はいくつかありますが、この投稿に書くことは控えさせていただきます。 物件訪問に関して 退去前の2カ月間の物件訪問に関してですが、ランドロードもしくは不動産会社のひとが24時間前に通知をすれば訪問をすることができるという条項も必ず入っています。あと2カ月で退去が決まっているからと言って毎日知らないひとたちが土足で物件にずかずかと上がりこまれるのもどうかと思います。そこで、24時間通知を48時間通知に変更するように交渉しましょう。それでも現地の不動産会社は今日の午後に訪問してもいいかなど急なお願いをしてくるので、「契約書通り48時間前の通知でお願いします。」とはっきり断りましょう。 日系不動産を通して契約すればトラブルがないと言っているわけではありません。英国にきて英語の契約書にサインするのは日系も英系も同じです。大事なのは契約書にサインをする前に内容を把握して納得したうえでサインをするようにしましょう。
賃貸物件の退去時にトラブルになる確率は?
ロンドンで賃貸物件を契約したとき、一番問題が起きるのは退去時というか退去したあとです。ロンドンの賃貸物件の家主は、皆がそうではないですが、とてもお金にシビアな人が多く、少しでも自分の出費を減らして物件をきれいにしようと考えています。だから、テナントさんが退去したあとに、家主が小さなキズに対しても数百ポンドの請求をしたりするのです。ちなみにテナントというのは、賃借人のことです。 デポジットプロテクション制度が施工されたが、トラブルは減らず デポジットプロテクションとは、2007年4月に政府が義務化した第三機関がテナントさんの敷金を入居から退去までの間預かる制度のことです。もし、退去時に家主が不正な請求をし、それに対しテナントさんが不服を申し立てた場合にこの機関が中立の立場で公平な判断を下す小ことになります。ですので、もし、家主が不正な請求をしてきていると納得がいかない場合は遠慮せず文句をいってください。文句を言う相手というのは、家主ではなく担当の不動産会社に対してです。何も言わなければ、お金を取られるだけです。 昔はデポジットプロテクション制度がなかったせいで、一銭も返ってこなかった 昔は、家主は自分自身でデポジットを預かり、退去時に虫眼鏡で観なければいけないくらい小さな傷に対しても、弁償金をテナントにクレームし、デポジットを一銭も返さなかった大家がほとんどでした。 それでも不正請求は今でもある それでも、ロンドンでは退去時に法外な金額の請求をテナントにしてくる大家さんが数多く存在します。私の知っている一番酷いケースは、ロンドン北部のエリアで数年前にとある物件に住んでいた日本のテナントさんが、退去時に寝室の壁の一部(窓際)にカビが発生していて、それに対して大家が5,000ポンドの請求をテナントさんにしてきたのです。カビの発生部分は、たった一部屋で、しかも一部の壁だけ。そもそも、普通に暮らしていて壁にカビが発生することはありません。家主は、換気をしっかりしていなかったテナントさんの責任だと言っていましたが、寝室の壁にカビが生えるというのは、建物の構造上の欠陥で、住んでいる人には防ぎようがありません。 カビは誰の責任? 浴室の天井にカビが生えたりするのは、テナントさんが換気を怠っていた可能性はありますが、寝室の壁にカビが生えるのは、テナントさんに一切の責任はありません。壁にカビが生えるのは、壁自体に問題があり、最近分かったのことなのですが、イギリスでは外壁と内壁の間に断熱材を使用していない家やフラットが多く、寒くなる冬の時期に壁に発生する結露がカビの大きな原因だと言われています。つまり、壁に発生するカビは、住んでいる人の責任ではなく、建物の構造上の欠陥なのです。とはいえ、これを読んでいるあなたは既に欠陥住宅に住んでいるかと思います。 今からでもデポジットをとられないためにできること 窓ガラスの結露がひどかったり部家のすみにカビのようなものを発見したら、すぐに家主にメール等で報告してください。もし不動産会社の管理物件に住んでいるのなら、担当の不動産会社にメールで報告してください。それで退去時に家主がクレームしてきたら、壁に結露が発生しているので、一度壁を調べてほしいと以前からお願いしていたはずだと言い逃れできるはずです。ロンドンには通気性がわるくカビが生えやすい家が沢山存在します。物件探しの際に、カビが生えてペンキを乗りなおしたあとがないか、しっかりチェックしておきましょう。 お問い合わせいただく前の注意事項 お問い合わせの内容によっては、電子メール以外の方法で回答を差し上げる場合がございます。 ご回答までに数日要する場合や、ご質問によってはお応えできかねる場合もございます。あらかじめご了承ください。 当社からの回答は、お客様個人に当てたものです。一部・全部の転用や二次利用はご遠慮ください。 個人情報の取り扱いについては、当社の個人情報保護についてをご参照ください。