イギリスは医療費が無料って本当なの? イギリスは医療費が無料だと聞きましたが、本当にそうなのでしょうか。日本から来たかたにこの質問をよくされます。正直私も12年前にイギリスに来たときは同じ質問をイギリスに長く住んでいる日本人にしました。では、実際のところどうなのでしょうか。 イギリスで一般的に医療費といいますと、下記のものとなります。 GP(General Practitioner)日本語で言い換えますと一般開業医となります。 救急病院 精密検査費用 手術代 入院費用 などです。 GP(General Practitioner)一般開業医とは? GPとは、いわゆる町医者です。登録さえすれば誰でも無料で診察を受けることができます。もちろんイギリスに住んでいない旅行者でも登録さえすれば、無料で受診することができます。イギリスは各地域に開業医が点在しており、「自分が病気かもしれない」「体調が悪い」といった場合にまずこのGPを訪れて診察をしてもらいます。そして症状に見合ったお薬の処方箋を出してもらいます。と、ここまでの過程はいっさい料金がかかりませんが、薬代はかかります。イギリスは薬代がべらぼうに高いのではないかとご心配される方もいるかと思いますが、薬代は普通です。 気軽にGPには行けない? GPでお医者さんに診てもらうのはそんな簡単なことではありません。まずは電話での予約が必須となります。地域によって誤差はありますが、基本的に1週間~2週間は待たされることとなります。ですから、朝起きたら体調が良くないので、GPに電話して午後いちばんで診てもらうなんてことはできません。ただ小さなお子さまや持病をお持ちのかたは優先して見てもらえますので、その日のうちの受信も可能です。「1~2週間も待たされたら体調普通になってるよ!」とツッコミを入れたいところですが、「1~2週間で体調がもとに戻っているぐらいのひとは病気じゃないでしょ!」と逆にGPの受付けのひとにツッコまれるので注意してください。小さなお子さまでもなく、持病もちのひとでもないひとがすぐに受診してもらいたい場合はどうすればいいのか?その場合はA&E(Accident and Emergency)いわゆる救急病院に行きます。もちろん無料です。 GPは、診察して処方箋を出してくれるだけではない GPは総合病院へ紹介状を書いてくれたりもします。GPには残念ながら精密検査をする医療機器がないため、本格的な検査をするとなると総合病院に行かなければできません。総合病院はGPなどから他のお医者さんからの紹介状がないと、検査や手術をしてくれません。つまり、大きな総合病院に行くには、まずGPに行かなければいけないのです。ちなみにですが、総合病院での検査や手術も無料で受けることができます。また、入院もGPではなく総合病院となります。 歯医者も無料なの? ここまでの話を総合すると、イギリスでは薬代以外は何もかからないと勘違いされるかたも多いかと思いますので、少し補足いたします。日本では歯医者も医療費としてあつかわれていますが、イギリスでは歯医者は医療費としてあつかわれていません。イギリスでは歯医者へ通うことが義務付けられています。周期は6か月に1回です。かかる費用ですが、1回の受診で何も問題がなければ20ポンドぐらいです。かりに虫歯が見つかったとして、詰め物をするとなった場合は別途で65ポンドぐらいかかります。 その他にかかる医療関係の費用は? 歯医者以外にかかる医療関係の費用ですが、目の検査です。イギリスは、目の検査をするとき眼鏡屋さんに行きます。眼科の病院に行くのは眼鏡屋さんで検査を受けたときに何か異常が見つかったとき、眼科の受診をすすめられます。その場合は眼鏡屋さんから紹介状を書いてもらうことになります。 まとめますと、イギリスでは基本病気になっても治療にお金がかかることはありませんが薬代はかかります。また、歯医者と目の検査は無料ではありません。