ガス料金の値上げについて 今日はガス料金値上げのお話をします。簡単にいいますと、アジアからのガスの需要が急激に増えたことで、天然ガスの供給不足になりイギリスへのガス供給が減少しているからです。皆さんご存じのように、世界で天然ガスを大量に保有している国はアメリカ、ロシア、カナダなどです。イギリスも若干は保有しておりますが、十分な量を保有していないため、国内で使われるガスの約3分の2を輸出に頼っております。専門家によると、今年の冬から春にかけ最大で14%の値上がりがあると予想されています。たかだか14%とお思いかもしれませんが、イギリスは冬から春にかけてガスの‘使用量が36%多いと言われています。大きな理由は暖房です。 ガスで暖をとるのがイギリス流 イギリスでのガスの用途ですが、いちばんはボイラー(湯沸かし、暖房)です。イギリスは寒い国のくせに、ほとんどの家庭でセントラルヒーティングというシステムを使用しています。セントラルヒーティングというのは、ボイラーでつくられた熱いお湯が各部屋のラジエーターに供給され、そのラジエーターがあつくなり、その熱で家全体をあたためるという一見効率がよさそうですが、そんなことはりません。ラジエターは各部屋に設置されていて、仮に使われていない部屋があっても、あたためてしまうからです。また、室温を設定するコントローラーが家に一つしかなく、ほとんどの家ではリビングルームか、一階の廊下にあったりします。つまり、1階の室温を25℃に設定すると、2階の室温は30℃ぐらいで蒸し暑くなってしまい、逆に、2階の温度を25℃ぐらいになるように調整すると、1階が20℃以下になってしまい少し肌寒くなってしまうのです。 ガスボイラーの故障はないのか? イギリスで主流のガスボイラーというのはラジエターにお湯を供給するとともに、実際に家庭内で使用するお湯もつくります。キッチン、お風呂、シャワー、洗面所とお湯は、通常の家庭内では毎日のように使われています。では、このガスボイラーがなにかしらの原因で止まってしまったら、どうなるのでしょうか。まず、お湯が止まります、そして暖房も使用できなくなります。つまり、イギリスの家庭にとってガスボイラーは心臓なのです。そんな重要な役割を担っているガスボイラー「まさかそんな簡単にこわれるわけはないでしょう?」と思われているひとが多いのではないでしょうか。イギリスに限ってそんなわけはありません。間違いなく故障します。しかも頻繁に。家、特に賃貸物件の場合、ボイラーを頻繁に付け替える大家さんなんてほとんどいません。通常ボイラーの寿命は15年といわれていますが、イギリスの賃貸物件に備え付けられているボイラーのなかには20年以上使用されているものもざらにあります。 ガスはイギリス人にとって命綱 イギリス人にとってガスがどれだけ大事かということがわかっていただけたかと思います。ガス料金の値上げはコロナウィルスの影響で職を失ったり、収入が減ってしまったひとにとって追い打ちをかけられる悪いニュースです。暖房やお湯もさることながら、一般家庭ではコンロやオーブンもガスが使われている家庭が多いため、この冬はイギリス人にとって寒く長い冬になりそうです。