
日本とイギリスでは、労働時間・休暇の取り方・上司との関係性など、働き方に関する価値観が大きく異なります。 本記事では、制度の違いだけでなく、文化や意識の面からも「働き方」を徹底比較します。
1. 働き方の全体像
日本は「勤勉・長時間労働・チームプレー」を重視する傾向が強いのに対し、 イギリスは「成果・効率・個の尊重」を重んじる文化です。 同じ先進国でも、働き方の前提となる価値観が大きく異なります。
- 日本:努力や忍耐を重視し、長時間労働が評価されやすい。
- イギリス:時間ではなく成果・アウトプットで評価される。
- 共通点:近年はどちらも「柔軟な働き方」への転換が進行中。
2. 労働制度と法律の違い
両国の労働法には、休暇日数や勤務時間、雇用契約に関して明確な違いがあります。
項目 | 日本 | イギリス |
---|---|---|
法定労働時間 | 1日8時間・週40時間 | 週平均48時間(上限)※オプトアウト可 |
有給休暇 | 年間10〜20日(勤続年数により変動) | 年間28日(祝日含む法定最低) |
残業(加班) | 多い・サービス残業の問題も | 残業は制限が厳しく、労使協定必須 |
在宅勤務制度 | コロナ以降で普及拡大 | 柔軟勤務制度(Flexible Working)が法律で保障 |
※イギリスでは雇用契約書にすべての勤務条件が明記されるのが基本。
3. 仕事に対する価値観と意識
日本では「会社への忠誠心」や「チームの調和」が重視される一方、 イギリスでは「個人の責任」と「ワークライフバランス」が優先されます。
- 日本:「休まず働くことが美徳」とされる傾向。
- イギリス:「よく休むことが成果を生む」という意識。
- イギリスでは、仕事とプライベートを明確に分けるのが一般的です。
4. 有給休暇・休日の使い方
日本では有給を残すことが多い一方、イギリスでは100%消化が当たり前。 休暇中はメールを見ないのがマナーで、会社もそれを推奨します。
- 日本:年末や連休にまとめて取得する傾向。
- イギリス:年内計画を立てて小分けに消化。
- 休暇の目的:家族・旅行・趣味など「人生を充実させるための時間」。
5. ワークライフバランスの現実
OECDの調査によると、日本は「ワークライフバランス指数」で下位に位置します。 イギリスでは労働時間が短く、家庭・趣味・健康を重視する文化が根づいています。
そのため、イギリス企業では「長く働く人」よりも「効率的に働く人」が評価されます。
6. 比較表まとめ
項目 | 日本 | イギリス |
---|---|---|
評価軸 | 努力・勤務時間 | 成果・効率 |
有給取得率 | 約50% | ほぼ100% |
上司との距離 | 上下関係が明確 | フラットで相談しやすい |
休暇中の連絡 | 多い | 原則なし |
柔軟な働き方 | 職種により限定的 | 法律で全社員が申請可能 |
7. よくある質問(FAQ)
イギリスでは残業は本当にないの?
はい。基本的に定時で退社します。残業が発生する場合も、事前合意が必要です。
日本企業もイギリス式の働き方を取り入れられる?
可能です。評価制度の改革や有給の計画付与など、部分的な導入から始める企業が増えています。
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