ついにイギリス人も愛想をつかしたイギリス

イギリスの地図とユニオンジャックを背景に、スーツケースを持って歩き去るイギリス人男性を描いたイラスト

2024年の移住・帰国統計が示す深刻な現実

2024年のイギリス人の国外移住者数と、逆にイギリスへ帰国した人数が発表された。
イギリスを出て行った人は 25万7千人、イギリリスに戻ってきた人は 14万3千人
つまり 単純計算で11万4千人、2024年の1年間でイギリス人が減少したことになる。

一方で、2022年から2023年の1年間では、なんと 94万4千人もイギリスの人口が増えていた。この数字だけを見ると「増えたり減ったりしているだけのよくある話」と思うかもしれない。だが、そう簡単な話ではない。

長期的に見てもイギリス人は減少

2021年から2024年の統計を見ても、約 35万人 のイギリス人が海外へ出て行っている。
明らかに、イギリス国内に住むイギリス人は減少傾向にある。

ONS(英国国家統計局)のデータが信用されない理由

そもそも、この ONS(Office for National Statistics)の統計は、十分に実態を反映していないのではないかという指摘がある。

ONSのデータが信用しにくい理由として、
「6カ月以内にイギリスへ入国・出国した人を、イギリス在住としてカウントする」 という問題が挙げられる。

税金の関係で、イギリスで収入がある人は6カ月以内にイギリスへ戻らなければ、海外での税申告が必要になる。そのため、多くの“海外在住のイギリス人”は、半年に一度イギリスへ戻ってくることが多い。

この“隠れ出国者”を考慮すると、
実際の流出者は公式発表の4〜5倍にのぼる とも言われている。

なぜイギリス人はイギリスを離れるのか

イギリスに愛想をつかした理由として、次のような問題が挙げられる。

● 天候の悪さ

特に冬は午後4時30分には真っ暗になり、その影響で犯罪が増えるとされる。

● 食べ物が美味しくない

これは世界的にもよく知られている。

● 税金の高騰

もともと高い税金が、近年さらに上昇している。

● 賃金が上がらない

● 違法移民の増加

これはイギリスだけでなく、先進国全体に広がる問題。

● 貧富の差の拡大

● 止まらないインフレ

イギリスに住み続ける理由とは

こうした状況のなか、イギリスにとどまる理由として考えられるのは、
「家族がいる」「友達がいる」 といった人間関係以外に、もはや多くはないのかもしれない。

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