イギリスの「法律家」とは何者か
イギリスで法律家と聞いて、まず挙げられるのがソリシター(Solicitor)です。
しかし、このソリシターは、アメリカの弁護士とは役割が大きく異なります。
ソリシターの仕事は、依頼人の話を聞き、相手方にどのような法的アプローチを取るべきかを整理し、裁判所に提出する書類を準備することです。
日本で言えば、訴訟代理を行わない点において、行政書士に近い存在だと考えたほうが実態に近いでしょう。
高額だが、実務的価値は限定的
問題は、その費用の高さです。
率直に言えば、安くありません。むしろ、実務内容に対して不釣り合いに高額です。
特段高度な戦略的助言をするわけでもないにもかかわらず、驚くほどの報酬を請求されるケースも珍しくありません。
ここで言っているのは、街中の小規模事務所ではなく、ロンドン中心部にある大手法律事務所の話です。
裁判で話すのはソリシターではない
さらに誤解されがちですが、ソリシターは裁判で弁論を行いません。
実際に法廷で主張を展開するのは、バリスター(Barrister)と呼ばれる別の専門職です。
しかも、厳密に言えば、裁判で弁論するのは必ずしも専門家である必要はなく、本人が直接行っても問題ありません。
つまり、ソリシターやバリスターに高額な報酬を支払ったとしても、判決そのものに与える影響は極めて限定的なのです。
陪審員裁判であれば多少の意味はあるかもしれませんが、それでも決定的とは言えません。
裁判の結果を左右するものは何か
では、裁判の結果を決めるものは何なのでしょうか。
答えは非常にシンプルです。
- 判例
- 物的証拠
- 状況証拠
- 適切な書類が正しく提出されているか
- 法律に違反していないか
これだけです。
言い換えれば、裁判を起こす前の段階で、結果はほぼ見えているのです。
AIがすでに代替できている領域
裁判の結果を知りたいのであれば、今やChatGPTのようなAIに聞けば十分です。
想定される判決の方向性も分かりますし、どのような書類を準備すべきかも教えてくれます。
この現実を踏まえると、イギリスで裁判を起こす際にソリシターは必須ではありません。
さらに言えば、一般的な案件においては、法律家そのものが不要になりつつあるのです。
ソリシターという職業の将来
実際、ソリシターという職業はいずれ消えると言われています。
理由は単純で、時間とお金の無駄になりつつあるからです。
ちなみに、イギリスには20万人以上のソリシターが存在すると言われています。
そのうち、年収10万ポンド以上(約2,000万円以上)を稼ぐ、いわゆる高所得層は全体の約3割です。
生き残るのは一部だけ
この上位3割程度のソリシターは、当面AIに完全に置き換わることはないでしょう。
しかし、それ以外の多くの人々は、いずれ職を失う可能性が高いと考えられます。
なぜなら、その仕事は社会から必要とされなくなりつつあるからです。
人が本当に求めていない職種は、最終的に市場から消えていきます。
そして、ソリシターも例外ではありません。










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