1. イギリスにクマはいるのか?
結論から言うと、現在のイギリスに野生のクマは生息していません。
- 野生のクマは古代には存在した
イギリスにはかつてヒグマが生息していましたが、森林伐採や狩猟により中世までに絶滅したと考えられています。 - 現在は動物園・保護施設にいるのみ
野外でクマに遭遇することは基本的にありません。 - スコットランドなどで再導入の議論がある
生態系回復の観点から「再導入すべき」という声も一部ありますが、
住民生活への影響や安全性などを理由に実現していません。
2. イギリスに生息するアナグマとは?

イギリスで “badger(バジャー)” と呼ばれるアナグマは、
ヨーロッパアナグマ(学名:Meles meles) が主に生息しています。
● 特徴
- 見た目:白黒の縞模様の顔、ずんぐりした体つき
- 体重:一般的に8〜12kg、オスはさらに重くなることも
- 行動:夜行性で、昼間は“セット(setts)”と呼ばれる巣穴で生活
- 食性:雑食だが、ミミズや昆虫を好む
- 分布:イングランド、ウェールズ、スコットランドに広く分布
● イギリスでのアナグマの位置づけ
- 国の保護対象
アナグマはイギリスで法的に保護されており、
巣穴を壊したり、捕獲したりすることは厳しく制限されています。 - 交通事故が多い
夜間に道路に出るため、ロードキルが頻発しています。
3. アナグマは人を襲うのか?
● 基本的に人間を襲わない
アナグマは非常に臆病で人間を避ける動物です。
人を獲物とみなすことはなく、一般的には危険性は低いとされています。
● ただし、注意が必要なケース
アナグマは温厚ですが、
以下の条件下では防御のために攻撃することがあります。
- 追い詰められたとき(逃げ場がない)
- 巣穴や子供を守るとき
- 犬が刺激して喧嘩になるとき(よくあるケース)
- 病気(特に疥癬や狂犬病に類する症状)で弱っているとき
とくに犬を散歩している際、犬がアナグマを敵視して噛みつこうとすると、
アナグマが防御のために反撃し、結果として人が巻き込まれる例があります。
● 実際の危険度
- 人に対する被害は非常にまれ
- 渡英した旅行者や留学生・移住者が
「アナグマに襲われる心配」はほぼありません。 - 多くの場合、アナグマは人が近づく前に逃げてしまいます。
4. アナグマと共存するためのポイント
- 夜間、森や住宅街で見かけても近づかない
- ゴミ箱はしっかり閉めて匂いを残さない
- 犬の散歩中はリードをつけて自由に追わせない
- 巣穴の近くには立ち入らない
イギリスではアナグマは保護動物であるため、
むやみに刺激しないよう心がけることが大切です。
まとめ
- イギリスに野生のクマはいない(古代に絶滅)
- アナグマ(ヨーロッパアナグマ)が広く生息
- 人間を襲うことはほぼないが、追い詰められると防御するため注意
イギリスの自然に触れる際は、アナグマの習性や保護状況を理解しながら、安心して散策を楽しめます。










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