わずか0.03%の超富裕層がイギリスを動かしている現実 ― 経済的不平等はなぜ終わらないのか?

イギリスではいま、「富の集中」と「経済的不平等」が深刻な社会問題となっています。しかし、この問題の根本には、もっと大きな構造的な歪みがあります。

それは、ごく一部の超富裕層が、社会のルールを作り変える力を持っているという事実です。この記事では、データと背景からその実態を深掘りしていきます。


🧮 超富裕層は0.034%、それでもすべてを動かしている

まず押さえておきたいのは、イギリスにおける「超富裕層(UHNWI)」の定義です。
UHNWIとは、純資産が3,000万ドル(約40億円)以上の個人のこと。2023年時点で、イギリスには約23,072人
のUHNWIが存在しています。

これを人口比で見ると、なんとわずか0.034%。つまり、約3万人に1人という極めて小さな割合です。

それでも彼らは、政治、税制、都市計画、教育制度など、あらゆる社会のルールに強い影響力を持っているのです。


💷 富の偏りは「結果」ではなく「構造」

この少数の超富裕層がどれだけの富を持っているのか、数字を見ると一目瞭然です。

  • 上位1%の富裕層(約68万人)が、国全体の富の43%を保有
  • 最上位50家族が、下位50%(約3,400万人)より多くの富を保有

これほどの格差があるにもかかわらず、富は一向に再分配されません。それどころか、制度や税制は富裕層にとってますます有利な方向へと書き換えられているのが現実です。


📉 億万長者が減った? それでも変わらない支配構造

2025年の「サンデー・タイムズ・リッチリスト」によると、イギリスの億万長者の数は前年からわずかに減少し、165人から156人になりました。

これは「格差が改善されている証拠」ではありません。実際は株価の変動や税制変更の影響によるもので、富の集中構造はまったく変わっていません。

むしろ、それ以外の国民にとっては、物価高騰や公共サービスの削減によって生活がますます厳しくなっています。


🏙️ ロンドン:富裕層のための都市

ロンドンには約4,750人のUHNWIが居住しており、億万長者は97人。これはニューヨークに次いで世界で2番目に多い数字です。

彼らは高級住宅街に暮らし、私立学校と専用医療を使い、一般市民の暮らしとはまったく別世界に生きています。ロンドンは、すでに「富裕層のための都市」へと変貌しつつあるのです。


❗制度を書き換える力を持つ少数者

問題はここです。
お金持ちがいること自体が問題なのではありません。
彼らが制度そのものを自分たちの都合に合わせて書き換える力を持っていることが、根本的な問題なのです。

税制改革は資産家を守るように設計され、社会保障の削減は低所得者に皺寄せがくる。教育も医療も、住宅も、「努力」ではどうにもならない構造的な不平等が制度によって固定されています。


✅ まとめ:生活に困る国民が報われないのは「仕組み」のせい

私たちはこのまま、99%の人々が無力な抵抗を続けるだけの社会を受け入れ続けるのでしょうか?
それとも、この歪んだシステムを根本から変え、富を公平に分かち合いながら、持続可能な未来へと歩み出すのでしょうか?
どちらが「正解」かは簡単には言えません。
しかし、ひとつ確かなのは――地球環境がここまで破壊されてしまった今、私たちが動かなければ、未来はさらに取り返しのつかない悲劇に見舞われるということです。
決断のときは、今です。

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