そして、私自身の胃痛が消えた理由
はじめに
がんの発生には国ごとの特徴がある。たとえば、イギリスでは胃がんは比較的まれである一方、日本では長年、主要ながんの一つとされてきた。
この違いについてよく言われるのが、「イギリス人は塩をあまり摂らないからではないか」という見方だ。
この疑問は、統計だけでなく、私自身の体験からも無視できないものだと感じている。
日本にいたころ、慢性的な胃痛に悩まされていた
私が日本で生活していたころ、胃痛はごく身近な不調だった。
空腹時や食後に胃がキリキリ痛んだり、理由もなく胃が重く感じたりすることが頻繁にあり、胃薬を常備するのが当たり前になっていた。
特別に暴飲暴食をしていたわけではない。むしろ、
- 和食中心
- 外食も一般的な日本食
という「平均的な食生活」だったと思う。
それでも胃の不調は続いていた。
イギリスに住んで、胃痛が消えた
ところが、イギリスに移り住んでしばらくすると、驚くほど胃痛を感じなくなった。
気づけば、胃薬を飲むこともなくなり、胃の存在を意識する瞬間そのものが消えていた。
もちろん、環境が変わりストレスが減った可能性もある。だが、それ以上に大きく変わったのが食生活だった。
- 味付けが全体的に薄い
- 醤油・味噌・漬物のような高塩分食品をほとんど摂らない
- 「しょっぱい」と感じる料理が極端に少ない
この変化は、日々の体調に確実に影響していると実感している。
塩分と胃がんの医学的関係
医学的にも、塩分の過剰摂取は胃がんの確立したリスク因子とされている。
塩分の多い食事は、
- 胃粘膜を傷つけ
- 慢性的な炎症を起こし
- 発がん物質の影響を受けやすくする
ことが知られている。
日本の伝統的な食文化には、
- 漬物
- 味噌・醤油
- 塩蔵魚
といった保存と味付けを兼ねた高塩分食品が深く根付いてきた。一方、イギリスの食事は脂肪分が多い反面、塩蔵を前提とした食品は相対的に少ない。
この差が、国ごとの胃がん罹患率の違いにつながっていると考えられている。
ピロリ菌との「組み合わせ」が問題
もう一つ重要なのが、ヘリコバクター・ピロリ菌感染だ。
日本では中高年を中心にピロリ菌感染率が高く、
そこに高塩分食が重なることで、胃がんリスクが相乗的に高まる。
私自身も、日本にいたころに胃の不調が続いていた背景には、
- ピロリ菌
- 高塩分食
の影響があった可能性は否定できない。
冷蔵庫と食文化の違い
さらに見逃せないのが、食品保存の歴史である。
イギリスでは比較的早い段階で冷蔵・冷凍保存が普及し、塩に頼らない保存方法へと移行してきた。
その結果、
- 日常的な塩分摂取量が抑えられ
- 胃への慢性的な刺激が減った
これも、胃がんが少ない背景の一つとされている。
体験と統計が重なるところ
私の胃痛が消えた理由が、すべて塩分にあるとは言えない。
しかし、
- 日本で慢性的な胃痛
- イギリスでほぼ消失
という変化と、 - 国別の胃がん罹患率
- 食塩摂取量の差
が重なって見えるのも事実である。
まとめ
- ✔ イギリスで胃がんが少ない理由の一つは、塩分摂取量の少なさ
- ✔ ピロリ菌感染率の低さが大きく影響
- ✔ 私自身も、減塩環境で胃の不調が消えた
- ❌ ただし、塩分だけですべてが決まるわけではない
胃がんの国差は、食文化・感染症・保存技術・生活環境の積み重ねの結果であり、個人の体調変化もまた、その延長線上にあるのかもしれない。










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