現地不動産会社を通して賃貸契約するときの注意点

以前にも投稿させていただきました内容で重複する点も多いかと思いますが、最近あまりにも現地不動産会社を通しての賃貸契約に関するトラブルの相談が増えてきましたというのもあって再度、現地不動産会社を通しての賃貸契約するときの注意点について解説します。

なぜ、現地不動産会社との契約が増えてきたのか?

まず、本題に入る前になぜ現地不動産会社を通しての賃貸契約が増えてきたのかという疑問にお答えします。
理由はいろいろありますが、ざっくり言いますと下のものになります。

  • 日本人の英語力があがり、現地不動産会社でも契約が簡単にできるようになった
  • 日本人がたくさん住むエリアに住みたくないひとが増えた
  • 会社に歩いて通えるエリアに日系不動産会社がない

上の3つの理由ですが、実はすべて関連しているのです。
日本人の英語力があがり、日系の不動産会社に頼る必要性がなくなったので、現地不動産会社を通しての契約が増えたということです。
3つめの会社への徒歩圏内といいますと、日系企業の多くがロンドンの都心部に集中していますが、都心部に日系不動産会社はありません。
昔は都心部は治安が悪いとか、ゴミゴミしていて環境悪いなどの悪条件が揃っていましたが、今は治安もよくなり、車の排気ガスに関してはウルトラ・ロウ・エミッション(超低排出)規制がはじまり、都心部は排気ガスをたくさん放出する車に対して通行料が課金されるようになり、環境もかなり良くなっています。
そもそも日本人の若いひとにとって郊外に暮らすメリットってほとんどありませんからね。
都心に住む日本人が増えるのは当たり前と言えばそうですよね。

賃貸契約の際は、契約書をしっかり読もう

さて、本題に入りますが、まず現地不動産会社を通して賃貸契約をする際に、必ずチェックしなければいけない項目があります。
契約書はだいたい10~15ページぐらいのものになりますが、そんな難しいことは書いていません。
テナント(借主)の義務ランドロード(貸主)の義務一般的な決まり特別事項の4つの構成になっています。
なかでも注意しないといけないのは、テナントの義務(TENANT’S OBLIGATION)です。
テナントの義務というのは基本的に期日通り家賃を支払うということと物件をきれいに使用するということです。

物件をきれいに使用する義務とは

物件をきれいに使用するというのは、ランドロードが定期的に物件にきてチェックするので毎日きれいに掃除しなくてはいけないということではありません。
住んでいるときどんなに散らかしたり汚したりしてもいいけど、退去して物件を返却する際には入居時と同じ状態に戻せということです。
そのままの内容のことがテナントの義務に記載されていますが、物件をきれいに使用するというのはどういうことなのかという細かい内容も記載されています。
例えば、壁に画びょうやクギを打ってはいけないという項目は必ず入っていますが、住む家に写真や絵を壁に掛けたいですよね。
その場合、契約書にサインする前にランドロードに許可をもらうようにして、それを特別事項として記載してもらいましょう。
物件をきれいに使用するという義務の中に、庭の手入れももちろん含まれています。
日本でもやったことのない庭の手入れを英国でするなんて正直無理ですよね。でも、賃貸契約書には100%含まれています。
では庭の手入れを怠った場合はどうなるのでしょうか。
隣のひとから庭の手入れをするように注意されたり、退去時に法外な金額をランドロードから請求されたりします。
庭の手入れに自信がないかたは、ガーデナーを雇いましょう。一回呼ぶごとに30~40ポンドほどとられますが、庭がきれいになり隣のひとから嫌味を言われることもなくなり平和に暮らせます。

退去通知の方法

退去通知のほうほうでもめるケースが意外とあります。
退去通知というのは、物件を出ますとランドロードに通知することです。
例えば、今より条件のいい物件が見つかったので引っ越したいとなったとき、今住んでいる物件のランドロードに退去したいと通知しなければいけません。
通常は1カ月前通知、2カ月前通知、場合によっては3カ月前通知と記載されているときもあります。
1カ月前通知がテナントにとって好都合ですが、どうしても2カ月通知じゃないとだめだと言ってくるランドロードもいます。
1カ月通知で退去できるように少し頑張って交渉しましょう。

中途解約(BREAK CLAUSE)

この中途解約ももめる原因の一つです。
駐在で英国にきているひとは、突然会社から「来月日本に帰ってこい!」とか、「来月からタイに行ってくれ!」など突然の人事異動命令を下されるときってあるじゃないですか。
そんなときに、中途解約の条項が契約に入っていない場合は、契約終了まで家賃の支払い義務が生じてしまうので気をつけましょう。
中途解約の条項が入っていないからどうしようとお困りの方は下記のメールまでご相談ください。
info@eikoku-seikatsu.com
このトラブルを回避する方法はいくつかありますが、この投稿に書くことは控えさせていただきます。

物件訪問に関して

退去前の2カ月間の物件訪問に関してですが、ランドロードもしくは不動産会社のひとが24時間前に通知をすれば訪問をすることができるという条項も必ず入っています。
あと2カ月で退去が決まっているからと言って毎日知らないひとたちが土足で物件にずかずかと上がりこまれるのもどうかと思います。
そこで、24時間通知を48時間通知に変更するように交渉しましょう。
それでも現地の不動産会社は今日の午後に訪問してもいいかなど急なお願いをしてくるので、「契約書通り48時間前の通知でお願いします。」とはっきり断りましょう。

日系不動産を通して契約すればトラブルがないと言っているわけではありません。英国にきて英語の契約書にサインするのは日系も英系も同じです。
大事なのは契約書にサインをする前に内容を把握して納得したうえでサインをするようにしましょう。

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