
ビール大国イギリスは、特にエール(Ale)の発祥地として世界的に知られています。 ピルスナーやラガーと違い、エールは上面発酵酵母を使うことで、 香り高く深みのある味わいを持つのが特徴です。本稿では、英国で親しまれる 多様なエールの種類と、それぞれの魅力についてわかりやすく解説します。
エールとは?
エールは常温に近い温度で発酵させるため、 ホップや麦芽の風味がより強調されます。ラガーが軽快で爽快なのに対し、 エールは芳醇・コク・香りを楽しむスタイルです。
代表的なエールの種類
ビター(Bitter)
イギリスのパブで最も一般的。ホップの苦味とモルティな甘さのバランスが絶妙。
ペールエール(Pale Ale)
淡色麦芽を使った黄金色のエール。柑橘系の香りと軽快な飲み口が人気。
インディア・ペールエール(IPA)
長期輸送に耐えるためホップを大量使用。苦味が強く、近年クラフトビールでも大人気。
マイルド(Mild Ale)
アルコール度数が低く、モルティな優しい味わい。かつて労働者に愛されたスタイル。
ポーター(Porter)
濃色麦芽によるチョコレートやコーヒーのような風味。ロンドン発祥の伝統的エール。
スタウト(Stout)
ポーターから派生し、より濃厚でクリーミー。ギネスが代表格。
ブラウンエール(Brown Ale)
カラメルのような甘みとナッツ風味。ニューカッスル・ブラウンエールが有名。
エールの魅力と飲み方
- 香り高さ:フルーティーで複雑なアロマ。
- 温度帯:冷やしすぎず、10〜13℃前後が理想。
- 注ぎ方:キャスク(樽)からハンドポンプで注ぐ「リアルエール」は特に新鮮。
英国パブ文化とエール
イギリスのパブでは、エールは社交の中心。地域ごとに地ビールがあり、 パブ巡りは文化体験そのものです。CAMRA(Campaign for Real Ale)と呼ばれる市民団体が 「リアルエール」を保護し、伝統と品質を守っています。
よくある質問
- Q. エールとラガーの違いは?
- 発酵方法が違います。エールは上面発酵、ラガーは下面発酵で造られます。
- Q. 初心者におすすめのエールは?
- 苦味が控えめで飲みやすい「ペールエール」や「ブラウンエール」がおすすめです。
- Q. イギリス以外でもエールは飲めますか?
- はい。クラフトビールブームで世界中のブルワリーがエールを造っています。
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