雪の夜、少年が作ったスノーマンが命を持つ──。
セリフのないアニメーションが、冬の静けさと温もりを語る。
© Snowman Enterprises Ltd / Channel 4 — Wikimedia Commonsより
セリフのない魔法:『The Snowman』(1982)
レイモンド・ブリッグズ原作の絵本をもとに制作された短編アニメーション。雪の夜、少年が作ったスノーマンが命を持ち、二人は静かな冒険へ。
監督:ダイアン・ジャクソン|音楽:ハワード・ブレイク「Walking in the Air」
『The Snowman and the Snowdog』(2012)
30年ぶりの続編では、新しい少年が登場。亡くした愛犬への想いから生まれた“スノードッグ”と共に、再び雪空へ飛び立つ。
監督:ヒラリー・オーディス|音楽:Andy Burrows ほか
“言葉のない感情”が伝わる理由
1. 音楽が物語を語る
「Walking in the Air」の旋律は、少年とスノーマンの飛行シーンを永遠の名場面へ。音楽がセリフの代わりに感情を運ぶ。
2. 手描きアニメーションの温度
鉛筆とパステルの質感が、雪の冷たさと少年のぬくもりを同時に伝える。CGでは出せない“やさしい線”の魔法。
3. 普遍のテーマ:別れと再会
雪は溶ける。けれど、想いは残る──。大人になっても心に積もる“静かな感動”が、40年経っても色あせない。
名場面:夜空を飛ぶ二人
♪ Walking in the Air – Aled Jones(EMI公式MV)
“We’re walking in the air…”
— 少年とスノーマンが夜空を舞うシーンは、英国アニメ史に残る幻想的瞬間。
※映画本編で歌唱しているのは聖ポール大聖堂の少年合唱団員 Peter Auty。
圧倒的な知名度を得たのは、のちにシングルヒットした Aled Jones のカバー版(本MV)。
クリエイターと遺したもの
- 原作:レイモンド・ブリッグズ(Raymond Briggs)
- 制作:Channel 4 / Snowman Enterprises
- 音楽:ハワード・ブレイク
- 監督:ダイアン・ジャクソン(1982)、ヒラリー・オーディス(2012)
原作者レイモンド・ブリッグズは2022年に逝去。彼の描いた“言葉のない優しさ”は、今も毎年クリスマスに世界中で再生され続けている。
さらに深く楽しむ
※本記事の動画は、YouTube上の公式・準公式チャンネルの埋め込みを使用(2025年11月4日時点で有効確認)。
画像はWikimedia Commons掲載の公式ポスター。BBC・The Snowman公式サイトで高解像度素材も閲覧可能です。










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