若者がバーチャルにロールモデルを求める時代
今、イギリスでは、特に若い世代に現実的なロールモデル(お手本)が存在しないため、インスタグラムやTikTokといったバーチャルの世界からインフルエンサーを目標として選ぶようになっている。
別にそれ自体が悪いとは言わない。しかし、もしそのインフルエンサーが“架空の人物”だった場合、あなたはどう考えるだろうか?
実在するインフルエンサーであればまだ良い、と言えるのは、本人に直接会ったことがある場合なのだろうか。そうなると、芸能人も同じ扱いになるのかもしれない。
とはいえ、芸能人を人生のお手本にすることは、芸能人を目指している人以外には現実的ではない。
そう考えると、インフルエンサーとは芸能人よりも“現実の世界に近い存在”と言えるのかもしれない。
彼らは一般人であり、自分に近い存在であるはずなのに、スマホやパソコン、タブレットの画面越しに見ることで、どこか“向こう側の世界の人”という感覚になってしまう。これは何らかの心理的効果によるものだろう。
現実とSNSの境界が曖昧になる若者たち
話を戻す。
今のイギリスの10代は、インスタやTikTokで見た出来事を、あたかも現実で起きたことであるかのように話す。
しかし、現実の世界は目の前にあるにもかかわらず、画面の向こう側を“現実”として認識している。その語る内容が周囲に通じるうちはまだ良いが、そうでなくなると問題は深刻だ。
私が言いたいのは、今のイギリスの若者が見ている世界が、悪い意味で現実とズレているということ。
インスタやTikTokを“現実そのもの”だと疑いなく信じている、その精神状態に強い危険を感じる。
世代間のズレは想像以上に大きい
私たちの親世代が私たちに対して抱いていた「理解はできるがついていけない」という感覚と、私たちが今の10代に対して抱く感覚の間には、限りなく大きな乖離がある。
今の10代に対しては、もはや“理解を超えている”“想像をはるかに逸脱している”と言わざるを得ない。
これは10代に限った話ではない。
おそらく20代後半くらいまで同じ傾向にある。
SNSの世界に浸り“バーチャルが軸”になる危うさ
彼らはSNSの世界にどっぷり浸かっている。
バーチャルな世界で生き慣れてしまえば、やがてその世界が人生の軸となってしまう。
それは、妙なカルト宗教にハマるよりも危険なことだ。
いまこそSNSの世界から引き離すべき
今からでも間に合う。
どうか、彼らをSNSワールドから引き離してほしい。
このまま放置すれば、本当に将来大変なことになる。









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