イギリスの年末は、日本とは少し違った落ち着きと伝統に満ちています。クリスマスを中心に家族との時間を大切にし、年の終わりを静かに、しかし温かく過ごすのが特徴です。
1.年末最大のイベントはクリスマス
イギリスでは、年末の最重要イベントは大晦日よりもクリスマス(12月25日)です。多くの人が12月24日から26日にかけて休暇を取り、家族や親戚と集まって過ごします。
街中は11月末頃からクリスマス一色になり、イルミネーションやマーケットが人々を楽しませます。特にロンドンや地方都市のクリスマスマーケットは、ホットワインやミンスパイの香りで賑わいます。
2.家庭で過ごすクリスマス当日
クリスマス当日は外出せず、家でゆっくり過ごす家庭が大半です。朝はプレゼント交換から始まり、その後、伝統的なクリスマス・ディナーを楽しみます。
代表的なメニューは:
- ローストターキー
- ローストポテト
- スタッフィング
- グレイビーソース
- クリスマスプディング
食事の前後には、紙製の王冠が入った「クリスマスクラッカー」を鳴らすのが定番で、ジョークや小さな贈り物を楽しみます。
3.テレビと散歩が定番の過ごし方
食後はテレビを見るのが定番です。特に人気なのが、国王(または女王)のクリスマスメッセージや、特別編のドラマ、コメディ番組です。
また、天気が良ければ家族で近所を散歩する人も多く、食べ過ぎを解消しつつ会話を楽しみます。パブが開いていれば、軽く一杯飲みに行くこともあります。
4.大晦日は控えめに
日本と比べると、イギリスの大晦日は比較的あっさりしています。若者はパーティーや花火イベントに出かけることもありますが、多くの人は家で静かに年越しをします。
ロンドンではテムズ川沿いで大規模な花火が行われますが、テレビ中継で楽しむ人も少なくありません。年が明ける瞬間には、隣にいる人と「Happy New Year!」と言い合い、軽く乾杯する程度です。
5.新年はリラックスしてスタート
元日は祝日ですが、特別な行事はあまりなく、前日の疲れを癒しながらのんびり過ごします。散歩や残り物の食事、テレビ鑑賞など、静かなスタートが一般的です。
おわりに
イギリス人の年末は、派手さよりも家族・伝統・くつろぎを重視した過ごし方が特徴です。慌ただしい日常から少し距離を置き、大切な人と穏やかな時間を共有する――それがイギリス流の年末と言えるでしょう。










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