日本では新年に神社やお寺へ参拝する「初詣」や、年ごとに割り当てられる「干支(えと)」が、年始の文化として深く根付いています。では、イギリスにも、これに相当するような文化はあるのでしょうか。本記事では、「初詣的な習慣」と「干支の文化」という二つの視点から、イギリスの年始文化を見ていきます。
イギリスに「初詣」のような習慣はあるのか
結論から言うと、日本の初詣に直接対応するような国民的習慣は、イギリスにはありません。
ただし、「新年に宗教施設を訪れる」という点では、似た要素を持つ行為は存在します。
教会での新年礼拝
イギリスはキリスト教(特にイングランド国教会)の伝統が強く、**大晦日から元日にかけて教会で礼拝(New Year’s Service / Watch Night Service)**に参加する人もいます。
これは新年の幸運を祈願するというよりも、
- 一年を無事に過ごせたことへの感謝
- 新しい年を神のもとで迎える決意
といった意味合いが強いものです。
ただし、参拝がほぼ国民行事となっている日本の初詣とは異なり、教会に行くかどうかは個人や家庭の信仰心に大きく左右されます。
年始は「静かに家庭で過ごす」文化
イギリスでは、年末年始は家族や友人と家で過ごすのが一般的です。
1月1日は祝日ではありますが、日本のように「新年のための特別な外出行事」は少なく、初詣のような外向きのイベントはあまり見られません。
イギリスに干支の文化はあるのか
結論:イギリス固有の「干支文化」は存在しない
日本の干支は中国由来の十二支ですが、イギリスを含む西洋文化圏には、年を動物で割り当てる発想自体がありません。
そのため、
- 「今年は◯◯年だから運勢が〜」
- 「干支の置物を飾る」
といった文化は、イギリスでは一般的ではありません。
西洋占星術(星座)は存在する
干支の代わりに、イギリスで広く知られているのが**西洋占星術(12星座)**です。
ただし、これは
- 生まれた「年」ではなく「月日」に基づく
- 新年の区切りとは直接関係しない
という点で、干支とは役割が大きく異なります。
中国系コミュニティでの十二支
ロンドンなど多文化都市では、**旧正月(チャイニーズ・ニューイヤー)**が盛大に祝われる地域もあり、十二支の動物が街中に飾られることがあります。
しかしこれはあくまで中国文化圏の行事であり、イギリス全体の伝統文化ではありません。
日本とイギリスの年始文化の違い
| 観点 | 日本 | イギリス |
|---|---|---|
| 新年の参拝 | 初詣が国民的行事 | 教会礼拝は個人的選択 |
| 宗教との距離 | 習慣としての参拝が主 | 信仰に基づく行動 |
| 干支・年の象徴 | 十二支が年を象徴 | 年を象徴する動物なし |
| 新年の過ごし方 | 外出・挨拶回り | 家庭中心で静か |
おわりに
イギリスには、日本の初詣や干支のように「新年を象徴する統一的な文化装置」は存在しません。その代わりに、
- 個人の信仰に基づく教会礼拝
- 家族や友人と穏やかに新年を迎える習慣
が重視されています。
同じ「新年」という節目でも、文化によってこれほど意味づけや過ごし方が異なる点は、非常に興味深いところです。日本の年始文化を相対化して理解するうえでも、イギリスの新年の迎え方を知ることは大きなヒントになるでしょう。










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