イギリス人が行きたくない国ワースト10
それは「嫌い」ではなく、「行けない」「危険すぎる」が本音
「イギリス人が行きたくない国」と聞くと、好き嫌いの話に見えるかもしれません。ですが、現実はもっとシンプルです。多くのイギリス人が避ける国は、文化的に嫌われているというより、戦争、内戦、誘拐、テロ、恣意的な拘束、治安崩壊といった理由で、そもそも「観光先として候補に入らない国」なのです。
英国外務省(FCDO)は、危険度が高い国に対して「渡航を控えるよう勧告」を出しており、場合によっては“all travel(すべての渡航を控える)”とまで明記しています。さらにFCDOは、こうした勧告が出ている地域に行くと旅行保険が無効になる可能性があるとも説明しています。つまり、イギリス人が「行きたくない」のではなく、行くメリットよりリスクが圧倒的に大きいと判断しているわけです。
そこで今回は、2026年4月時点の英国政府の最新渡航情報をもとに、イギリス人が実質的に最も敬遠しやすい国ワースト10を紹介します。これは人気投票ではなく、英国人旅行者の目線で見た“絶対に近づきたくない国ランキング”です。
1位 アフガニスタン
アフガニスタンは、いまも英国外務省が「すべての渡航を控える」と強く警告している国です。しかも問題は単なる治安悪化ではありません。英国政府は、英国人が拘束されるリスクが高く、拘束された場合は何か月も、あるいは何年も収監される可能性があるとまで注意しています。また、現地での英国政府の支援能力は極めて限定的で、直接支援も難しいとされています。
観光どころか、普通のイギリス人から見れば「絶対に近づいてはいけない国」の代表格です。行きたくないというより、行くという発想自体が出にくい国でしょう。
2位 イエメン
イエメンについて英国外務省は、予測不能な治安状況を理由に、国全体へのすべての渡航を控えるよう勧告しています。しかも、すでに現地にいる人には直ちに出国するよう促しているレベルです。さらに安全保障の説明では、フーシ派支配地域だけでなく、政府支配地域でも英国人が攻撃対象となる危険があり、恣意的拘束や失踪のリスクも指摘されています。
イギリス人旅行者にとっては、観光地としての魅力以前に、命と自由の両方が危険にさらされる国という認識になりやすいはずです。
3位 シリア
シリアも、英国政府が全面的に渡航中止を勧告している国です。内戦の長期化、武装勢力、空爆、地域の不安定さなど、危険要素があまりにも多すぎます。英国政府はシリアについて、継続する紛争と予測不能な治安状況を理由に、明確に渡航を止めています。
イギリス人がシリアに対して抱く感情は、嫌悪というより“危険すぎて現実的ではない”というものです。普通の旅行者が検討する余地は、ほぼありません。
4位 イラン
イランも2026年4月時点で英国外務省がすべての渡航を控えるよう勧告している国です。特に英国政府が強く警戒しているのは、英国人および英国・イラン二重国籍者の拘束リスクです。英国とのつながりがあるだけで、当局に拘束される理由になりうるとまで書かれています。
観光地として歴史的価値が高い国であっても、英国人目線ではそれを上回るリスクがある。これが現実です。イギリス人が行きたくないというより、「行ったら帰れないかもしれない」という恐怖の方が強いでしょう。
5位 ロシア
ロシアに対しても、英国外務省はすべての渡航を控えるよう勧告しています。しかも英国政府は、ロシア当局が外国人を狙って拘束し、他国との交渉材料として利用してきた実績があると注意しています。英国人がロシアに滞在する場合は、出国計画を常に見直し、ドローン攻撃への警戒まで求められている状況です。
かつてはモスクワやサンクトペテルブルクに憧れを持つ英国人も少なくありませんでしたが、いまは完全に別世界です。「行きたくない」ではなく「行ってはいけない」に近い国になっています。
6位 ウクライナ
ウクライナもまた、英国人が観光目的で行きたいと思える状況ではありません。英国外務省は、ウクライナの大半に対して渡航を控えるよう勧告しており、とりわけ東部地域などでは全面的に強い警告が出ています。加えて、ロシア国境やベラルーシ国境の閉鎖など、移動面でも大きな制約があります。
ウクライナの場合、「国に魅力がないから避ける」のではありません。むしろ戦前なら訪れてみたかったと感じる英国人も多いでしょう。ですが、現状では戦場に近いという一点だけで候補から外れるのです。
7位 イラク
イラクについても英国政府は、すべての渡航を控えるよう勧告しています。治安、武装勢力、地域ごとの不安定要因が重なり、一般的な英国人旅行者にとっては極めてハードルが高い国です。英国外務省は2026年4月1日時点のページでも、明確に全面的な渡航回避を示しています。
歴史的に非常に重要な土地であっても、旅行の現実は別です。イギリス人が休暇先を選ぶとき、わざわざ高リスク地域に突っ込む人はほとんどいません。
8位 ハイチ
ハイチは、中東や旧ソ連圏の国々ほど日本では話題にならないかもしれません。しかし英国政府は、不安定で極めて危険な治安状況を理由に、すべての渡航を控えるよう勧告しています。しかも、現地には英国の領事担当職員がおらず、支援能力も大きく制限されています。
イギリス人が旅行先として避ける理由は単純です。犯罪組織、暴力、国家機能の弱体化。こうした要素がそろった国は、休暇先の比較表にすら入りません。
9位 南スーダン
南スーダンも、英国外務省が武力暴力と犯罪の危険を理由に、すべての渡航を控えるよう勧告している国です。英国政府はごく短い表現ながらも、危険性を非常に強く示しています。
一般のイギリス人にとって、南スーダンは「知られていない国」であると同時に、「知らないからこそ怖い国」でもあります。知名度の低さに加え、政府の全面警告が出ている以上、まず選ばれません。
10位 スーダン
スーダンもまた、英国政府が広範囲にわたり渡航を控えるよう警告している国です。情勢が流動的で、最新情報の継続確認まで求められています。2026年時点でも英国政府はスーダンの危険性について注意を続けています。
英国人旅行者にとって、スーダンは「遠い」「不安定」「危険」という印象が重なりやすい国です。行きたくないという感情は、偏見というより合理的なリスク回避に近いでしょう。
なぜイギリス人はこうした国を避けるのか
理由は非常に現実的です。第一に、英国政府が危険だと公式に言っていること。第二に、そうした勧告が出ていると旅行保険が無効になる可能性があること。第三に、万が一事件に巻き込まれても、英国政府の支援が届きにくい国が多いことです。
つまり、イギリス人は「何となく嫌だから行かない」のではありません。危険だから行かない、助けてもらえないかもしれないから行かない、保険が効かないかもしれないから行かない。 それだけの話です。
本当に「嫌いな国」なのか
ここは誤解しない方がいいでしょう。今回挙げた国々の多くは、歴史、文化、遺跡、景観という点では非常に魅力があります。もし平和で安全なら、英国人の中にも「行ってみたい」と思う人は少なくないはずです。
ただし2026年4月現在の現実として、英国政府は複数の国に対して非常に強い渡航警告を出しており、特にアフガニスタン、イラン、ロシア、イラク、イエメン、シリア、ハイチ、南スーダンなどは、英国人旅行者にとって“行きたくない国”ではなく“行くべきではない国”になっています。
まとめ
「イギリス人が行きたくない国ワースト10」というテーマで見ると、答えは意外と冷静です。そこにあるのは感情ではなく、安全保障の現実です。
イギリス人が本当に避けているのは、
文化が嫌いな国ではありません。
遠い国でもありません。
貧しい国でもありません。
戦争、誘拐、拘束、無秩序、そして“何かあっても助からないかもしれない国”です。
それが、いまのイギリス人の本音に最も近いでしょう。










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