ロンドンでは、窓がシングルグレージングじゃないとダメなエリアがあるというのは本当?

シングルグレージング、ダブルグレージングとは? 日本ではあまり聞きなれない単語ですが、簡単に説明しますとシングル―グレージングとはガラスが1枚で、ダブルグレージングはガラスが2枚ということです。つまり、一枚ガラスとペアガラスということです。ロンドンの住宅では2重サッシという窓はほとんどありません。そもそもの窓の構造が日本とは違い外側に開閉するタイプAが主流で、古い建物になりますと上下にスライドするタイプBとなります。言葉で説明するのが難しいので下の写真をご覧ください。 タイプAの窓の場合は大概が2重ガラスになっていて断熱効果が良くなっていますタイプBですが見た目は良いのですが、ガラスが1重で暖悦効果はあまり良くありません。 なぜ、ロンドンのような寒い都市で1枚ガラスが使用されているのか? アフリカや東南アジアなどの暖かい国で1枚ガラスというのは納得できますが、夏が短く冬が長いロンドンでそのような断熱効果の悪い窓が存在するのでしょうか。ロンドンには保全地区という国が管理しているエリアが多数存在していて、そういったエリアに家を持つ人は景観を損ねてはいけないという理由で窓をシングルグレージング、いわゆる一枚ガラスを保持しなければいけないルールがあります。 シングルグレージングは断熱効果が悪いので、冬の光熱費が高くなるのではないか? では、保全地区に住んでいる人は、冬のあいだ寒さに凍えながら過ごしているのかと言いますと、そんなことはありません。基本的に保全地区というのはお金持ちの人が住むエリアが多いので、セントラルヒーティングを24時間つけっぱなしにしていたり、各部屋に暖炉があり、家の中を常に暖かく保っている家庭ばかりです。でも、今年はウクライナ戦争の影響で光熱費が2~3倍に跳ね上がっているので、少し暖房費を節約している家庭も多いと聞いています。 窓をダブルグレージングに交換することはできないのか? 保全地区に住みたいのにシングルグレージングはあまりにも寒すぎるので断念したという人も少なくないのではないでしょうか。でも、保全地区はシングルグレージングの窓でないといけないという法律はあるのでしょうか?そんなことはありません。保全地区にある家でもカウンシル(区)から許可さえとれば、ダブルグレージングの窓に交換することはできます。現に、保全地区にはダブルグレージング窓の家がたくさん存在します。 なぜ、うちの家主はダブルグレージングにしてくれないのか? 持ち家の場合は、カウンシルに許可をとって窓を交換すればいいだけの話ですが、賃貸物件に住んでいる場合はそうはいきません。家主にお願いしないといけませんが、多くの家主は費用がかかるという理由で首を縦に振ることはないでしょう。多くの家主は自分の家の窓はダブルグレージングにするのに、他人が住む家にはお金をかけたくないというのが本音です。 将来的にシングルグレージングはなくなる? 近い将来、家主は他人が住む家にはお金をかけたくないと言えなくなります。と言いますのも、物件を賃貸物件として貸し出す際にEPC(Energy Performance Certificate)というエネルギー効率の証明書を借主に渡すことが法律で義務付けられています。この証明書にA~Gまでの格付けがあります。Aがエネルギー効率が一番良く、Gが一番悪い格付けです。現時点では、格付けがF以下の場合は賃貸物件として貸し出してはいけないことになっていますが、2025年には、この基準がFからCに変更されます。賃貸物件の格付けがD以下の場合、家主は格付けをCまで上げないといけなくなります。シングルグレージングの窓で格付けをC以上にするのは、はっきり言って無理でしょう。つまり、家主はシングルグレージングの窓をダブルグレージングの窓に交換しなければ、今後自身の物件を貸し出すことができなくなってしまうのです。 2025年以降は英国の賃貸物件の質は良くなる? EPCの基準変更の他にも、英国では賃貸物件に関する法律改正が複数あり、借主にとっては住みやすい環境に変わっていきます。家主があまりにも権力を持ちすぎていて、高い家賃を支払っている借主の権利は皆無に近かったですが、それもどんどん法の改正が進み、借主に優しい市場に変わってくれることを願っています。

失敗しない賃貸物件の選び方ロンドンでの賃貸物件選びに失敗しないために失敗しない賃貸物件の選び方

ロンドンでの住まい探し、初めての方にとっては「どれも素敵!」と思ってしまうかもしれません。でも、実際に住んでみると「こんなはずじゃなかった…」ということもよくあります。 そこで今回は、失敗しない物件選びのポイントと、信頼できる不動産会社の担当者を見分ける方法をご紹介します。 良い不動産会社の担当者の見分け方 ロンドンでは、不動産会社の担当者によって物件選びの成功・失敗が大きく左右されます。なぜなら、イギリスの不動産会社にとっての「お客さん」は、私たち借主(テナント)ではなく、物件のオーナー(ランドロード)だからです。 実際、多くの担当者は契約が決まれば仕事終了、あとは「何かあってもランドロードと話してね」と言われることも。そんな状況でも、親身になってくれる担当者もいます。では、どんな担当者が良いのか、見分けるポイントをチェックしてみましょう。 要注意な担当者の特徴 これらに当てはまる場合は、担当者を変えてもらうのもアリです。 なるべく避けたほうがいい物件とは? 「この物件、大丈夫かな?」と不安になったときは、以下のポイントをチェックしてみてください。 ✅ 家賃交渉が一切できない物件 例えば、2500ポンドの物件に対し、2400ポンドでオファーを出した際に「値下げ不可」と即答された場合。こういうオーナー(ランドロード)は、住んでいる間も融通が利かない可能性大。トラブル時に動いてくれないことも。 ✅ 物件管理が雑なオーナーの物件 特に洗濯機・冷蔵庫などの家電が古いと、壊れたときに大変。入居前に「故障した場合、交換してもらえるか?」を確認しましょう。 ロンドンの物件探しは時期も重要! ロンドンの賃貸市場は、時期によって良い物件の出やすさが変わります。 ✅ 春〜夏:質の良い物件が多く、選択肢も広がる ✅ 秋〜冬:物件が少なく、選ぶのが難しくなる 時期を見計らって、少しでも良い物件を探せるようにしましょう。 相談はお気軽に! 「ロンドンの賃貸物件探しで困った!」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。 📩 お問い合わせ:info@eikoku-seikatsu.com ※返信に数日かかることがありますが、ご了承ください。 皆さんのロンドン生活が快適になるよう、少しでもお手伝いできれば嬉しいです!