
イギリスでは健康意識の高まりと共に、さまざまなダイエット方法が流行しています。この記事では、イギリス人が実践している代表的なダイエット方法とその背景、効果、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
1. 5:2ダイエット
概要
イギリス発祥の”5:2ダイエット”は、週5日は通常の食事をし、残り2日は摂取カロリーを極端に制限するという断続的断食(インターミッテント・ファスティング)の一種です。断食日は男女によってカロリー制限が異なり、男性は600kcal、女性は500kcalまでとされています。
効果
- 体重減少:カロリー摂取が全体的に減少するため、体重減少が期待できます。
- 代謝の改善:インスリン感受性が向上し、血糖値の安定につながるとされています。
- 認知機能の向上:一部の研究では、断食が脳機能に良い影響を与える可能性も指摘されています。
メリット
- 食事制限は週2日だけなので継続しやすい
- 社交的な場でも無理なく付き合える
デメリット
- 断食日に空腹感が強く出る可能性がある
- エネルギー不足で集中力が下がることもある
2. ローカーボ(低炭水化物)ダイエット
概要
ローカーボ・ダイエットは、炭水化物の摂取量を制限し、その代わりにたんぱく質や脂質を多めに摂る食事法です。イギリスでは「アトキンス・ダイエット」や「ケトジェニック・ダイエット」が人気です。
効果
- 脂肪燃焼の促進:体が糖の代わりに脂肪をエネルギー源として使うようになる
- 血糖値の安定:炭水化物を減らすことで血糖値の急激な上昇を防ぐ
メリット
- 空腹感が少なく、満腹感が持続しやすい
- 食事の種類が豊富で飽きにくい
デメリット
- 初期は「ケトフルー」と呼ばれる頭痛・疲労などが出やすい
- 長期的な健康リスク(腎臓やコレステロール)への懸念も
3. ベジタリアン・ビーガンダイエット
概要
動物性食品を制限または排除するベジタリアン(菜食主義)やビーガン(完全菜食)は、環境意識や動物愛護の観点からもイギリスで支持を集めています。2020年代に入り、そのライフスタイルを支援する食品やレストランも増えています。
効果
- 体重管理:植物性食品はカロリーが低めで、脂質も少ない
- コレステロールの低下:動物性脂肪を取らないため、心血管疾患のリスクが低下
メリット
- 健康面だけでなく倫理的にも意識が高まる
- 環境負荷を減らす
デメリット
- たんぱく質やビタミンB12、鉄などの栄養が不足しやすい
- 外食時に選択肢が限られることがある
4. カロリーカウント(食事記録)
概要
摂取カロリーをアプリや手帳に記録し、消費カロリーを管理する方法です。イギリスでは「MyFitnessPal」などのアプリが広く使われています。
効果
- 食習慣の可視化:何をどれだけ食べているかが明確になる
- 自己管理能力の向上:目標達成に向けて行動しやすくなる
メリット
- 他のダイエット法とも併用しやすい
- 正確な栄養管理が可能
デメリット
- 記録が面倒で長続きしにくい
- 過度な制限につながる恐れも
5. 地中海式ダイエット
概要
野菜、果物、オリーブオイル、魚介類を中心とした伝統的な南欧(特にギリシャやイタリア)の食事スタイルです。近年、イギリスでもその健康効果が注目されています。
効果
- 心血管疾患のリスク低下:オリーブオイルやナッツによる良質な脂質の摂取
- 長寿への寄与:全体としてバランスが取れており、持続可能
メリット
- 味が豊かで食事を楽しめる
- 長期的に健康を維持しやすい
デメリット
- 食材の価格がやや高め
- 準備に時間がかかることもある
イギリス人のダイエット事情:背景と傾向
イギリスでは肥満が深刻な社会問題とされ、国民の約28%が肥満、さらに36%が過体重とされています(NHSデータより)。その背景にはファストフード文化、座りがちな生活習慣、ストレスなどが挙げられます。
しかし近年では健康意識が高まり、政府も「Change4Life」キャンペーンなどを通じて国民の食生活改善に取り組んでいます。特に都市部や若年層ではビーガン、グルテンフリー、ナチュラル食品などへの関心が高まっています。
まとめ
イギリスでは、伝統的な食生活にとどまらず、多様なダイエット法が取り入れられています。5:2ダイエットやローカーボ、ビーガン、カロリー記録、地中海式といった手法は、それぞれのライフスタイルや目的に合わせて選ばれています。
重要なのは、短期的な減量よりも長期的な健康維持と生活の質の向上を目指すことです。ダイエットは一過性のブームではなく、習慣として定着させることが成功の鍵といえるでしょう。
コメント