イギリスで宗教や人種差別による攻撃から外国人が身を守る方法【ヘイトクライム対策ガイド】

ロンドンのビッグベン前で並ぶ多様な人種の若者たち。イスラム教徒の女性、黒人男性、アジア人女性、白人男性が笑顔で立ち、安心して暮らす雰囲気を表現している。

イギリスでは、宗教や肌の色を理由とした攻撃(ヘイトクライム)が増加傾向にあります。こうした事件は外国人にとって深刻なリスクであり、あらかじめ理解と対策を知っておくことが大切です。

リスクを理解する

ヘイトクライムとは、人種・宗教・民族的背景・国籍・肌の色などを理由にした犯罪行為です。侮辱発言や脅迫から暴行に至るまで幅広く含まれ、英国では刑事事件として扱われます。外国人も例外ではなく、避ける・記録する・通報するという3原則が重要です。

日常生活での予防策

  • 夜間や人通りの少ない場所を避け、明るいルートを選ぶ。
  • スマートフォンは緊急発信をすぐに行える設定にしておく。
  • 貴重品や国籍が特定されやすい服飾品は控える。
  • 隣人や管理会社と連絡先を交換し、早めに相談できる環境を作る。
  • 英語が不安な場合は「Help」「Call the Police」といった定型文をカードやスマホに準備しておく。

外出時の安全行動

  1. 周囲に不審な動きがあればすぐに位置を変える。
  2. 挑発には近づかず、大声で助けを求める。
  3. 店員や駅員、CCTVのある場所へ移動する。
  4. 交通機関では運転士の近くや人目につきやすい位置に座る。
  5. 緊急は「999」、非緊急は「101」、医療相談は「111」に連絡する。

オンラインでの注意点

  • 住所や学校など個人を特定できる投稿は控える。
  • 差別的投稿は報告し、証拠(スクリーンショット・日時)を保存する。
  • 挑発に乗らず、ブロックして記録を残す。
  • アカウントは二要素認証で守る。

被害や目撃時の通報

ヘイトクライムは必ず通報してください。通報は在留資格に影響しません。

  • 命の危険や暴力行為 → 999
  • 緊急ではない場合 → 101
  • オンライン申告 → True Vision などの通報サイト

証拠として日時・場所・発言内容・写真や動画・目撃者の連絡先を残しておきましょう。

I believe I was targeted because of my religion/skin colour/nationality.
This is a hate incident.
Please help me report it.

学校・職場・住まいでの対応

学校

チューターやStudent Supportへ連絡し、学内記録を残す。繰り返しの被害は寮や施設管理に対応を依頼する。

職場

人事・マネージャー・ユニオンに報告。顧客や取引先からの差別も会社の責任で対処される。

住まい

管理会社や大家へ相談し、嫌がらせの証拠を残す。必要に応じて玄関ライトやスマートドアベルを設置する。

相談窓口・支援団体

  • 警察(999 / 101)
  • NHS 111(医療相談)
  • Citizens Advice(法律や生活相談)
  • 地元自治体・コミュニティセンター
  • 信仰コミュニティ(寺院・教会・モスクなど)

よくある質問

英語が苦手でも通報できますか?
できます。「I need an interpreter.」と伝えてください。
軽い言い争いでも記録すべきですか?
はい。繰り返しの証拠となり、対応がスムーズになります。
ビザに影響はありますか?
通報は在留資格に影響しません。安心して通報してください。
第三者が目撃した場合は?
安全な距離を保ちつつ、警察や係員に連絡し、記録を残してください。

まとめ

宗教や肌の色を理由にした攻撃は、被害者に責任はありません。最優先は身の安全です。危険を避け、証拠を記録し、通報することが自分と周囲を守るための最も確実な方法です。

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