
イギリスでは、宗教や肌の色を理由とした攻撃(ヘイトクライム)が増加傾向にあります。こうした事件は外国人にとって深刻なリスクであり、あらかじめ理解と対策を知っておくことが大切です。
リスクを理解する
ヘイトクライムとは、人種・宗教・民族的背景・国籍・肌の色などを理由にした犯罪行為です。侮辱発言や脅迫から暴行に至るまで幅広く含まれ、英国では刑事事件として扱われます。外国人も例外ではなく、避ける・記録する・通報するという3原則が重要です。
日常生活での予防策
- 夜間や人通りの少ない場所を避け、明るいルートを選ぶ。
- スマートフォンは緊急発信をすぐに行える設定にしておく。
- 貴重品や国籍が特定されやすい服飾品は控える。
- 隣人や管理会社と連絡先を交換し、早めに相談できる環境を作る。
- 英語が不安な場合は「Help」「Call the Police」といった定型文をカードやスマホに準備しておく。
外出時の安全行動
- 周囲に不審な動きがあればすぐに位置を変える。
- 挑発には近づかず、大声で助けを求める。
- 店員や駅員、CCTVのある場所へ移動する。
- 交通機関では運転士の近くや人目につきやすい位置に座る。
- 緊急は「999」、非緊急は「101」、医療相談は「111」に連絡する。
オンラインでの注意点
- 住所や学校など個人を特定できる投稿は控える。
- 差別的投稿は報告し、証拠(スクリーンショット・日時)を保存する。
- 挑発に乗らず、ブロックして記録を残す。
- アカウントは二要素認証で守る。
被害や目撃時の通報
ヘイトクライムは必ず通報してください。通報は在留資格に影響しません。
- 命の危険や暴力行為 → 999
- 緊急ではない場合 → 101
- オンライン申告 → True Vision などの通報サイト
証拠として日時・場所・発言内容・写真や動画・目撃者の連絡先を残しておきましょう。
I believe I was targeted because of my religion/skin colour/nationality. This is a hate incident. Please help me report it.
学校・職場・住まいでの対応
学校
チューターやStudent Supportへ連絡し、学内記録を残す。繰り返しの被害は寮や施設管理に対応を依頼する。
職場
人事・マネージャー・ユニオンに報告。顧客や取引先からの差別も会社の責任で対処される。
住まい
管理会社や大家へ相談し、嫌がらせの証拠を残す。必要に応じて玄関ライトやスマートドアベルを設置する。
相談窓口・支援団体
- 警察(999 / 101)
- NHS 111(医療相談)
- Citizens Advice(法律や生活相談)
- 地元自治体・コミュニティセンター
- 信仰コミュニティ(寺院・教会・モスクなど)
よくある質問
- 英語が苦手でも通報できますか?
- できます。「I need an interpreter.」と伝えてください。
- 軽い言い争いでも記録すべきですか?
- はい。繰り返しの証拠となり、対応がスムーズになります。
- ビザに影響はありますか?
- 通報は在留資格に影響しません。安心して通報してください。
- 第三者が目撃した場合は?
- 安全な距離を保ちつつ、警察や係員に連絡し、記録を残してください。
まとめ
宗教や肌の色を理由にした攻撃は、被害者に責任はありません。最優先は身の安全です。危険を避け、証拠を記録し、通報することが自分と周囲を守るための最も確実な方法です。
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