イギリスのTVライセンス制度とは

イギリスには、日本のNHK受信料にあたる TVライセンス料(Television Licence Fee) という制度があります。これは、BBC(英国放送協会)の運営を支えるための受信料で、イギリス国内で テレビ放送をリアルタイムで視聴する、または BBC iPlayerを利用する 場合に必ず支払わなければなりません。


支払いが必要なケース

  • 地上波・衛星放送をリアルタイムで見る場合
    BBCに限らず、ITVやChannel 4など他局の生放送も含まれます。テレビだけでなく、パソコンやスマホでの同時配信視聴も対象です。
  • BBC iPlayerを使う場合
    生放送はもちろん、過去の番組の見逃し配信やドラマ、ドキュメンタリーのオンデマンド視聴もライセンスが必要です。

支払いが不要なケース

  • Netflix、Amazon Prime Video、Disney+ などオンデマンド型サービスのみを利用
  • YouTubeなどで録画済み動画(ライブ配信以外)を見るだけ
  • テレビはあるがアンテナに接続していない/チューナーを使っていない
  • DVDやBlu-rayの再生のみ

つまり、テレビを持っているかどうかは関係なく、「リアルタイム視聴」または「BBC iPlayer利用」 があるかどうかが支払いの分かれ目です。


ライセンス料金

  • 年間 £169.50(2024年時点、カラーTV用)
  • 白黒テレビの場合 £57.00(現在はほとんど例外的)
  • 75歳以上で一定条件を満たす場合は無料になる制度があります。

支払いは一括だけでなく、月払い・週払い など分割も可能です。


在英日本人の例

  • 「イギリスの地上波テレビはほとんど見ない」「NetflixやPrime Videoだけ」 → 支払う必要なし
  • 「BBCのニュースやドラマをiPlayerで見る」 → ライセンス必須
  • 「サッカーのワールドカップなどをリアルタイム配信で見る」 → ライセンス必須

注意点

  • ライセンス料を払っていない住所に対しては、調査員(Enforcement Officers)が訪問してくることがあります。実際に視聴していなければ「使用していない」と説明できますが、違反が見つかると 最大 £1,000 の罰金 が科せられる可能性があります。
  • 学生寮やフラットシェアなどでは、部屋ごと/世帯ごとの契約状況によって必要性が変わるので注意が必要です。

まとめ
イギリスでは「テレビを所有しているかどうか」ではなく、リアルタイム放送視聴やBBC iPlayerの利用があるかどうか が支払い義務の判断基準になります。NetflixやAmazon Primeだけで過ごすなら支払い不要ですが、BBCコンテンツを使うなら年間 £169.50 を支払う必要があります。

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