“Birthday Leave” に見るイギリス流の働き方と文化
イギリスでは、誕生日は個人にとって非常に大切な「特別な日」と考えられており、その考え方は働き方にも影響を与えている。
実際、多くのイギリス人は誕生日には仕事を休むものという感覚を持っており、これが半ば“暗黙の了解”のように浸透している。
もちろん法律で定められているわけではないが、職場文化や人々の価値観から自然と生まれた習慣だ。
1. 誕生日は「正当な休暇理由」という感覚
イギリスでは休暇を取る理由が日本ほど細かく問われない。「理由」を申告する必要すらないため、誕生日に休むことに後ろめたさを感じる人は少ない。
むしろ、同僚からは
“Good for you!”(いいね、楽しんできなよ!)
と前向きな反応をもらえるケースが多い。
その結果、誕生日に仕事をするよりは、早めに仕事を片付けて当日はのんびりするという行動がごく自然に受け入れられている。
2. 企業側も「Birthday Leave」を導入し始めている
最近のイギリス企業では、福利厚生の一つとして
・誕生日当日を有給休暇にできる
・誕生日の週に好きな日を休める
といった“Birthday Leave(誕生日休暇)”を採用する会社も増えている。
従業員のモチベーションアップや離職率低下に効果があるとして、スタートアップから大企業まで幅広く取り入れられているのが特徴だ。
誕生日を祝う文化が強いイギリスでは、こうした制度が従業員から非常に好評で、企業文化の一部となりつつある。
3. 休むだけではない。「誕生日でも早く上がる」のも暗黙の了解
休めない場合でも、
誕生日の人は早めに帰らせる
という気遣いが普通に行われる。
上司が「今日はあなたのバースデーでしょ?もう帰りなさい」と声をかけることすらある。
これは、私生活と仕事をバランスよく保つことを大切にするイギリスならではの文化だと言える。
4. イギリスの“誕生日文化”が生み出す職場の雰囲気
誕生日を大切に扱うイギリスの習慣は、職場にも温かい雰囲気をもたらす。
- 朝、デスクにカードと小さなお菓子が置かれている
- ランチに同僚からちょっとしたサプライズ
- SlackやTeamsで「Happy Birthday!」が飛び交う
- 他のメンバーが仕事をカバーしてあげる
“誕生日を祝う=その人の存在を認める”という意味合いが強く、同僚同士の信頼が深まるきっかけにもなっている。
まとめ:イギリスの暗黙の了解は「誕生日=特別に扱われる日」
イギリスの働き方から見えてくるのは、
「仕事より自分の人生を大切にする」
という価値観だ。
- 誕生日に休むのは当然
- 休めなくても早く上がる
- 職場が積極的に祝う
- 企業は“誕生日休暇”を福利厚生として提供する
こうした文化が自然と形成され、誕生日に仕事をすませておく、あるいは堂々と休むという“暗黙の了解”が受け入れられている。
この柔らかく温かな文化は、イギリスで働く人々が誕生日を心から楽しむ理由にもなっている。










Comments