イギリスで出会った危険な勘違い男の心理|自己愛と現実の歪みを精神分析で解説

イギリスで出会った自己愛的で勘違いの強い男性を象徴的に描いたイラスト。心理分析や人間関係のテーマを表現している。

海外で暮らしていると、日本ではあまり出会わなかったタイプの人に遭遇することがあります。 特にイギリスでは、個性や自信を重視する文化が根付いているためか、自己主張の強い人や、 「自分は特別だ」と本気で信じている人も珍しくありません。

その中で私が経験した中でも忘れられないのは、常識を超えた“勘違い型”のイギリス人男性との出会いです。 この記事では、その体験談と、精神分析的に見たその心理構造を紹介します。

相談:度を越えた「勘違い男」に出会った話

ロンドンで生活していたころ、知人の紹介で知り合った一人のイギリス人男性がいました。 第一印象は「少し自信家かな」程度でしたが、関わるうちにその“自信”が“確信”に変わっていくのを感じました。 彼は、誰かが笑顔を見せるだけで「自分に気がある」と信じ込み、冷たくされても「照れているだけ」と解釈する。 相手の言葉よりも、自分の想像を信じてしまうタイプでした。

一見社交的に見えましたが、次第にその態度は一方的で強い執着に変わっていきました。 相手が拒否のサインを出しても受け止められず、「恥ずかしがっているだけだ」と思い込む。 その姿は、現実を自分の都合のよい物語に書き換えて生きているようでした。 周囲の人たちは徐々に距離を置き、私自身も「彼の世界の中で、現実が歪んでいる」と感じたのを覚えています。

精神分析課のコメント:なぜ「勘違い男」は生まれるのか

精神分析の観点から見ると、このような人物には自己愛性パーソナリティ傾向(narcissistic traits)が見られます。 彼らは他人を独立した存在として認識するのが難しく、自分の理想や幻想の一部として相手を扱う傾向があります。 言い換えれば、他者を“自分の延長線上”に置いてしまうのです。

このタイプの人は、拒絶=自己否定と感じやすく、拒絶された現実を認められないことがあります。 その結果、「自分が好かれているに違いない」と思い込むことで心のバランスを保とうとする。 それは無意識の防衛反応(defense mechanism)であり、自尊心を守るための心理的な装置です。

また、こうした性格の背景には、幼少期の「過剰な称賛」または「無関心」が影響している場合があります。 自分を特別視することでしか存在を確認できない心理構造が形成されるのです。

英国文化との関係:曖昧さが誤解を生む

イギリスでは、表面上はフレンドリーでも、感情をあまり直接言葉にしない文化があります。 日本の「空気を読む」文化とは違い、相手が何を感じているかを言葉で伝えないと誤解が生じやすい。 この文化差が、「社交的な微笑み」を恋愛感情と勘違いさせる要因になることがあります。

実際に、現地の心理学者も「境界線(boundary)」の重要性を強調しています。 はっきりとした「No」を示すことで、相手の誤解を防ぐことができるとされています。

まとめと対処法

自己愛的で勘違いが強い人との関わりでは、最も大切なのは明確な距離を保つことです。 相手を変えようとせず、事実を冷静に受け止め、境界を守る姿勢が必要です。 英国では、明確に拒絶を示すことは失礼ではなく、むしろ「自分を守るための文化的スキル」とされています。

精神分析的に見ると、こうした人の行動は“脆い自己”を守るための過剰な自信の表れです。 けれども、他人に不安や恐怖を与える行為は、どんな理由でも正当化できません。 安全を優先し、必要であれば専門機関や警察、地域のサポート団体に相談することが勧められます。

海外生活で日本人が気をつけるべきこと

世界中どこにでも“危ない人”はいます。 しかし、イギリスのように違法薬物が比較的容易に手に入る国では、 一部の人々が薬物の影響によって現実感を失い、常識の通じない行動を取るケースも存在します。 そうした人たちは、単なる「変わった人」ではなく、時に危険なレベルの衝動性を持つことがあります。

日本ではまず考えられないような状況に直面することもあり得ます。 海外生活では「相手を信じすぎない」「距離を保つ」「一人で対応しない」という意識を常に持ち、 何かおかしいと感じたらすぐに周囲や警察に相談することを強くおすすめします。

異国の地で安全に暮らすためには、文化を理解することと同じくらい、自分の身を守る警戒心が大切です。

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