ロンドンであまりおススメしないエリア

ロンドンの地図上に危険エリアを赤く示したフラットスタイルのデジタルイラスト。背景にはビッグ・ベンと曇り空が描かれている。

ロンドンは世界屈指の国際都市でありながら、エリアによって治安や生活環境に大きな差があります。 家賃の安さや交通の便だけで選んでしまうと、「夜道が危険」「トラブルが多い」など、思わぬリスクを抱える可能性も。 ここでは2025年現在の最新データに加え、実際に最近起きた事件も踏まえて、 なぜ一部の地域が「おすすめできない」と言われるのかを詳しく解説します。

「おすすめできない地域」とは?

ロンドンの中でも「おすすめできない」とされる地域には、いくつかの共通点があります。

  • 犯罪率が平均よりも高い(スリ・強盗・車上荒らしなど)
  • 夜間の人通りが少なく、街灯も少ないため安心感に欠ける
  • 貧困・失業率が高く、社会的格差が大きい
  • 再開発中で治安や街並みが安定していない
  • 交通アクセスが悪く、夜間移動が不便

こうした要素が重なることで、家賃が安くても実際の生活でストレスや不安を感じるリスクが高まります。

2025年のロンドン治安傾向

2025年上半期の警察統計によると、Westminster(ウェストミンスター)区は依然として犯罪発生件数が最も多く、 Camden(カムデン)やKensington & Chelsea(ケンジントン&チェルシー)など中心部の区も高水準を維持しています。

これらのエリアは観光客が多く、人が集まりやすい場所であることから、 スリやスマートフォンの強奪、置き引き、車上荒らしといった軽犯罪が集中しています。

最近実際に起きた事件

以下は2024年後半から2025年にかけて、記事で挙げたエリアで発生した主な事件です。 現地警察が公表した情報をもとにまとめています。

Camden(カムデン区)

2025年9月27日、Camden Gardensで44歳の男性が刺され死亡する事件が発生。 メトロポリタン警察が殺人事件として捜査を開始しました。 犯行は深夜帯に発生しており、現場付近の防犯カメラ解析が続いています。

Westminster(ウェストミンスター区)

2025年8月14日、国会議事堂(Houses of Parliament)近くで自動車が歩行者と自転車に突っ込み、複数人が負傷。 事件当初は交通事故と見られていましたが、テロ対策部門が捜査を担当する重大事案となりました。

また、2024年12月25日にはSoho(ソーホー)地区のShaftesbury Avenueで車両が歩行者をはね、4人が重軽傷を負う事故も発生。 繁華街の夜間交通安全への懸念が再び高まっています。

Kensington & Chelsea(ケンジントン&チェルシー区)

2025年2月には、高級住宅街チェルシー地区で駐車中の高級車数台が連続して荒らされる事件が発生。 警察は計画的な窃盗団による犯行の可能性を指摘しています。 富裕層を狙った犯罪はこの地域で依然として多く報告されています。

Hackney(ハックニー区)

2025年3月、ハックニー・セントラル駅周辺で薬物取引の取り締まり中に警官が負傷する事件がありました。 再開発の進む地域ではあるものの、依然として麻薬関連の犯罪が一定数発生しています。

なぜ「おすすめできない」と言われるのか

これらの事件が示すように、「おすすめできない」とされる理由は単なるイメージではなく、 実際の犯罪発生率・生活環境・夜間安全性に裏付けられています。

  • 犯罪率の高さ:中心部では観光客を狙ったスリ・詐欺が頻発
  • 夜間の不安:人通りの少ない通りや裏路地ではひったくりが多い
  • 経済格差:低所得地域では反社会的行為や麻薬犯罪が発生しやすい
  • 再開発の影響:建設工事や人口流入により地域の安定性が一時的に低下

住む場合に注意すべきポイント

こうした地域に住む場合、リスクを最小限に抑えるための工夫が必要です。

  • 駅やバス停から近い、明るい通り沿いの物件を選ぶ
  • 夜間は人通りのあるルートを通る
  • スマートフォンを歩きながら使用しない
  • 自転車・バイクには頑丈なロックを使用する
  • 不審なエリアや時間帯を避ける

また、短期滞在や学生生活の場合は、フラットシェア(共同住宅)を選び、複数人で生活することで安全性を高める方法もあります。

再開発による改善の兆し

一方で、かつて「おすすめできない」と言われた地域の中には、再開発によって大きく変化している場所もあります。 HackneyやBrixtonでは、アート施設やカフェが増え、若年層やクリエイターに人気のエリアへと変化中です。

ただし、再開発中は工事や人口の入れ替わりによる騒音・治安の乱れも一時的に起こるため、 実際に現地を昼夜で歩いて確認することが重要です。

まとめ:事件データを参考に、現地での「体感治安」を確認することが大切

ロンドンの「おすすめできない地域」には、それぞれ明確な理由があります。 最近の事件を見ても、治安や安全面での課題が依然として残っていますが、 すべての地域が危険というわけではありません。

大切なのは、インターネット上の情報だけで判断せず、実際に自分の足で街を歩き、 昼と夜の雰囲気、駅までの道のり、住民層などを確かめることです。 そのうえで「自分の生活リズムに合う、安全で安心できる地域」を選ぶことが、 ロンドン生活を成功させる鍵になります。

英国生活サイト編集部から

近年、移民に対する風当たりが強くなっており、「安全なエリア」と呼べる場所は少しずつ減ってきているのが現状です。とはいえ、どのエリアにいても危険に巻き込まれる可能性はあります。

ただし、外出する時間帯や場所をきちんと選ぶことで、多くの危険は十分に回避できます。

また、女性の方でどうしても夜間に外出しなければならない場合は、できるだけ1人では行動せず、2人以上で出かけることを強くおすすめします。「何かあってからでは遅い」ということを、常に心に留めておきましょう。

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