イギリスで多発するバス事故の実態|二階建てバスの運転が荒い?二日酔い運転・安全対策まで徹底解説

ロンドン市内を走る赤い二階建てバス。交差点で曲がるバスと歩行者・自転車が写り、記事タイトルが日本語で重ねられたアイキャッチ画像

観光名物でもある赤い二階建てバス。しかしその華やかな見た目とは裏腹に、イギリスではバスの事故が意外に多いことをご存じでしょうか。特にロンドンなどの都市部では、二階建てバス(ダブルデッカーバス)の運転の荒さや接触事故が社会問題として取り上げられることもあります。本記事では、イギリスのバス事故の現状と原因、二階建てバスの特徴、そして「二日酔い運転」という見過ごせない実態までを、わかりやすく解説します。

イギリスのバス事故はどれくらい多い?

イギリス運輸省(Department for Transport)の統計によると、2023年時点でバス・コーチ車両が関与する交通事故は年間約3,000件以上発生しています。そのうち死傷者が出た重大事故も少なくなく、都市部の渋滞・狭い道路・視界不良が主な要因とされています。

特にロンドンでは、赤い二階建てバスが多く走行しているため、事故報告数は他都市より突出しています。報道によると、週に1〜2回の頻度で歩行者・自転車との接触事故が発生しており、通勤時間帯の混雑が重なると危険性が増します。

なぜバスの事故が多いのか

  • 1. 運転スケジュールの過密さ:ドライバーは時間厳守を強いられ、無理な発進や急停車が多い。
  • 2. 都市構造の複雑さ:ロンドン市街地は一方通行や狭路が多く、大型バスがすれ違いにくい。
  • 3. 二階建てバス特有の死角:上階の視点は観光には最適でも、運転席からは死角が多く、右左折時の確認が難しい。
  • 4. 自転車・電動スクーターの急増:バス専用レーンに侵入する軽車両との接触が増加。

これらが重なり、「スピード+狭路+多様な交通参加者」という条件下で事故が多発しているのが実情です。

二階建てバスの運転とドライバー事情

二階建てバス(Double-decker bus)は構造上、重心が高く、車体も長いため、横風や急カーブに弱い傾向があります。特にロンドンのような旧市街では、道幅が狭く運転技術が要求されます。

ロンドン交通局(TfL)の規定では、バス運転手はPCVライセンス(Public Service Vehicle License)を取得し、定期的に健康診断を受ける必要があります。しかし、人手不足と長時間労働が深刻化しており、運転の質がばらついているのが現状です。

SNSやニュースでは、「急ブレーキが多い」「車間距離が短い」「運転が乱暴」という乗客の声も多く見られます。

「二日酔い運転」の実態

イギリスでは飲酒運転の罰則が厳しい一方で、“hangover driving(二日酔い運転)”が問題視されています。前夜の飲酒量が多く、翌朝もアルコールが体内に残ったまま運転してしまうケースです。

調査によると、バス運転手の中には早朝シフトの前に飲酒が抜けきっていない状態で出勤する例も報告されています。英国警察(Met Police)は「前夜のパブ文化が翌日の交通安全に影響している」と警告しています。

さらに、一部の労働組合からは、厳しい勤務シフトが生活リズムを乱し、睡眠不足やストレスが二日酔い運転を誘発しているとの指摘もあります。

安全対策と改善への取り組み

  • 運転手教育の強化:TfLは安全運転研修を義務化し、定期的な再訓練を実施。
  • ドライブレコーダーとAI監視:急ブレーキやスピード超過を自動検知し、改善指導に活用。
  • 勤務時間の見直し:長時間勤務を防ぎ、休憩時間を確保する制度改革が進行中。
  • 市民通報システム:危険運転をオンラインで報告できる仕組みが導入。

こうした取り組みで、過去5年に比べ事故件数はやや減少傾向にありますが、依然として「安全と効率のバランス」が課題となっています。

よくある質問(FAQ)

Q. 二階建てバスは危険なの?

A. 構造上の制約はありますが、適切な運転であれば安全です。問題は運転環境と勤務体制にあります。

Q. 観光客が乗るのは大丈夫?

A. 通常の市内ルートは安全ですが、ラッシュ時の1階席や後方座席では急ブレーキに注意が必要です。

Q. 二日酔い運転は違法?

A. 体内アルコール量が基準を超えれば飲酒運転と同罪です。勤務前の飲酒は禁止されています。

出典・参考文献

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