日本からイギリスへ行く人は増えたのに住む人は減少? 円安も含めて2022年からの推移を解説

日本からイギリスへ行く人は戻った。でも、住む人は減っている

2022年以降の流れをひと言でいうと、「イギリスへ行く日本人は戻ってきたが、イギリスに住む日本人は減っている」です。VisitBritainによると、日本から英国への訪問数は2022年の11万5,000人から、2023年は22万5,000人、2024年は22万6,000人まで回復しました。いっぽう、外務省の統計では英国在住の日本人数は2024年10月時点で6万4,066人、2025年10月時点で6万2,270人となっています。

まず数字を見ると、動きはかなり対照的

渡航者数はコロナ後に大きく戻りました。VisitBritainの日本市場データでは、2024年の訪英数は22万6,000人、総支出は2億4,720万ポンド、1人あたり平均支出は1,093ポンドです。つまり、旅行としての英国需要は回復していると言えます。

一方で、「英国に住んでいる日本人」の数は増えていません。外務省の英国基礎データでは、英国在住の日本人数は2024年10月時点で6万4,066人です。また、外務省の2025年版「海外在留邦人数調査統計」では、英国は6万2,270人となっています。少なくとも足元では、旅行需要の回復と、定住者の増加は一致していないことが分かります。

円安はかなり大きな要因とみてよい

ここで見落とせないのが円安です。Bank of Englandのデータでは、足元のポンド円レートはおおむね1ポンド=210円台前後で推移しています。2022年頃より円で見た英国コストはかなり重くなっており、同じホテル代、家賃、学費、外食費でも、日本円に換算すると負担感が大きくなりやすい状況です。

つまり、旅行なら「高いけれど行く」ことはできても、住むとなると話が別です。短期旅行は予算を区切って計画できますが、長期滞在や移住では、家賃、光熱費、食費、交通費、学費などを何か月も、あるいは何年も払い続ける必要があります。円安が進むと、このハードルは一気に上がります。これは統計から自然に読める解釈です。

英国の物価高も、住みにくさを強めている

円安だけではありません。英国国内でも物価上昇が続いています。ONSによると、英国の消費者物価指数は2025年12月に前年比3.4%、2026年2月も3.0%でした。つまり日本人にとっては、円安でポンドが高い上に、現地の生活費そのものも上がっている状態です。

この二重の負担は、観光よりも、むしろ留学・駐在・現地就職・家族帯同のような長期滞在に強く響きます。旅行は戻っても、「英国で暮らす日本人」が増えにくい背景としてはかなり納得しやすい要因です。

それでも旅行者が戻っているのはなぜか

それでも訪英数が回復しているのは、英国に行きたい需要そのものは根強いからです。VisitBritainによると、2025年時点で日本から英国への直行便は東京羽田―ロンドン・ヒースローの1路線で、週間33便、週間座席数は7,505席でした。さらに、2025年の直行便座席供給は2019年比で88%まで回復しています。行きにくさは残っていても、需要そのものは戻っていると見られます。

要するに、英国は「行く場所」としては戻ったが、「住む場所」としては重くなった

ここまでをまとめると、2022年以降の日本人にとっての英国は、旅行先としては回復したが、生活の拠点としては負担が重くなったと言えます。渡航者数の回復だけを見ると英国人気が戻ったように見えますが、在住日本人数の推移まで見ると、実態はもっと複雑です。円安と英国の物価高が重なったことで、長く住むハードルは以前より明らかに高くなっていると考えるのが自然です。

2024年の渡航データには少し注意も必要

なお、VisitBritainは2024年のIPSベースのデータについて、“official statistics in development” と明記しており、今後の手法改善により見直される可能性があるとしています。そのため、2023年と2024年の細かな差を強く断定するより、「2022年から大きく回復した」という大きな流れで捉えるのが安全です。

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