英国にはクレーマーは存在しない!?

クレーマーって日本人特有のキャラクターなのではないでしょうか。
英国に来て、15年になろうとしていますが、英国であまりクレーマーって見ませんね。
たまにレストランなどにいって、ミディアムレアで注文したはずのステーキがウェルダンだったりすると注文どおりでないと文句を言っているひとを見かけますが、まあ普通は文句を言いますよね。
これはクレームでもなんでもありません。
ステーキの焼き具合って肉をとにかく好んで食べる英国人にとっては、ステーキのミディアムレアとウェルダンの違いは、日本人にとって牛丼と天丼ぐらいに違いがあります。
英国では、クレームをする奴ほど小者とみられる傾向があるので、日本の携帯ショップの窓口で怒鳴っているおじさん的なものを見かけるとことはほとんどありません。
では英国人は大人なのかと言いますと、そんなことはありません。
彼らは、けっこうな確率で自分に起こった嫌なことを覚えていて、自宅に帰ってから家族に愚痴をこぼしています。

パブでの注文時

日本人はラーメン屋などで横入りをせずに、順番をしっかり守る民族だと言われがちですが、英国人も意外に順番は守ります。
特にパブなどで飲み物を注文するとき、長いカウンターの前に行って注文するのですが、たまにバーキーパー(英国ではカウンターの中にたっているひとをバーキーパーと呼びます。)が自分に気づいてない場合があり、自分よりも後にきたひとに注文を聞くことがあります。
注文を待っている人達は誰が自分よりも長く待っているということを把握しているので、仮にバーキーパーが自分よりも長く待っているひとを無視して自分に注文を聞いてきた場合に、「あの方が先です。」と注文の権利を自分より先に待っていた人に譲る場面を何万回も見たことがあります。
とてもほっこりする瞬間です。

公衆トイレではあまり順番を守らない

英国人が順番を守らないのは公衆トイレの列です。
どのぐらい切羽詰まっているかによるのですが、ご年配の方は我慢できる筋力が若い人より弱いので、時々行列を無視してトイレに駆け込むのをよく見かけます。
もし、こちらも切羽詰まっていたら言いますが、いかにもご老体という方は誰も何も言いません。
公衆の面前で漏らしてしまったらその日が台無しになってしまいますし、残り少ない人生を有終の美で飾ってほしいという願いがそうさせているのかもしれません。
いずれは、自分が公衆トイレ優先権をゲットした暁には、行列無視してどんどん脱糞していくつもりです。

日本にクレーマーが多い理由

話が少し脱線してしまったので、本題に戻します。
英国にいて、たまに日本に帰るからよく見えてしまうとい錯覚のせいか、日本ってクレーマー人口がいちばん多いのではと思ってしまうほどクレームしているひとをよく見かけます。
何でなのかと考えました。
私の出した結論は次のようなものになります。

過剰なサービス

まず、上がられるのが過剰なサービスです。
日本のサービスが世界一だと誰かが行っていましたが、あくまで一部のひとで、世界中のすべてのひとの公認ではありません。
過剰なサービスは、消費者を甘やかします。
そして、消費者を怠けさせます。
怠けてしまった消費者は、自分の思い通りのサービスが受けられないとキレます。
そしてクレーマーになってしまうのです。
例えば、ビジネスホテルに泊まったとします。
バスルームに歯ブラシがなかったとき、フロントに電話して持ってきてもらいます。
これが、英国では、まずバスルームに歯ブラシなんかありません。
バスルームに歯ブラシが置いていないのが’当たり前なので、フロントに文句をいう必要がありません。
日本のクレーマーはあるべきものがないという状態にキレます。
英国は、無いべきものは無いのでキレることはありません。
あるべきものという過剰なサービスを生み出したのは他でもない日本人なのです。
自分で自分の首を絞めるという諺を作り出した日本人は自分の首を絞め続けているのです。
お客様は神様だと日本では教えられますが、英国ではそんなことはありません。
パブでスタッフに横柄な態度をとった客は店を追い出されて終わりです。

日本という国は、いつから過剰なサービスを追い求めてきたのかわかりませんが、どんなにいいと言われても過剰摂取は体に毒です。
英国のように、もっと適当にその場しのぎのサービスで十分お金は稼げます。
日本が英国レベルになったら、いつか日本に戻って住んでもいいかなと思います。

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