まずは、イギリスの歴史を簡単に整理しながら、大英帝国がどのようにして形成され、どのように衰退していったのかを見ていきます。
① 形成期(16世紀後半〜17世紀)
1583年ごろ〜1707年
- 1583年:ニューファンドランドに初の正式植民地
- 1607年:北米ヴァージニア植民地(ジェームズタウン)
- 1620年代:カリブ海の植民地化開始
- 1650〜1700年:東インド会社がアジアへ進出
👉 この時期、イギリスは「海外進出国家」としての歴史をスタートする。
② 大英帝国の成立(1707年)
1707年:グレートブリテン王国の成立
- イングランドとスコットランドが合併
- 「British Empire(大英帝国)」という概念が一般化
③ 世界的拡大期(18世紀)
1700年代:七年戦争を経て大国化
- 1763年:七年戦争に勝利し、北米・インドで優位に
- 1783年:アメリカ独立戦争により北米13州を失うが、他地域で拡張継続
- 1780〜1800年:オーストラリアの植民地化開始
👉 18世紀後半にはすでに「世界規模の帝国」へと成長。
④ 世界覇権の確立(1815〜1914年)
この時代が最も重要で、イギリスが「世界を主導した時代」。
● 1815年:ナポレオン戦争勝利 → 英国の覇権確立
- 世界最強の海軍を保有
- 産業革命により世界経済をリード
- インド支配を強化
● パクス・ブリタニカ(1815〜1914年)
「英国による平和」という意味で、世界がイギリスの力によって保たれた時代。
この期間が「太陽の沈まぬ国」と呼ばれた大英帝国の黄金期。
⑤ 大英帝国の最盛期(1919年ごろ)
1920年:史上最大の領土を達成
- 第一次世界大戦後、委任統治領の獲得でさらに拡大
- 世界の陸地の約 1/4
- 世界人口の約 1/4
- アフリカ、アジア、カリブ、オセアニア、中東と、全世界へ広がる
👉 世界史上最大の帝国は1920年前後に完成。
⑥ 衰退期(1945〜1997年)
● 第二次世界大戦後、急速に縮小
- 1947年:インド・パキスタン独立(帝国崩壊の決定的転機)
- 1950〜70年代:アフリカ諸国が次々と独立
- 1980年代:主要植民地のほとんどが独立
⑦ 大英帝国の終焉(1997年)
1997年:香港返還(中国へ)
- 大英帝国の象徴的な終わり
- 以後、正式には「イギリス(UK)」として現在に至る
イギリスはどこまで落ちぶれるのか?
世界のトップに君臨したことによるおごりからか、成長を止めてしまったイギリス。
衰退は自然の流れとはいえ、「落ちぶれる自分たちの姿」を直視できなかった。
有名な『チーズはどこへ消えた?』で、
“最初のチーズのあった場所に固執し続ける人間” と同じ構図に見える部分もある。
問題を直視せず、危機感が乏しい。
これはイギリス人の国民性とも言えるのかもしれない。
私が感じるイギリスへの不安
最近のイギリスを見ていると、過去の栄光から抜け出すべき時期に来ているのに、変化が進んでいないように思える。
私は今後もイギリスに住み続けたいと考えている。
しかし、このまま衰退していく姿を見るのは本当につらい。
移住という選択肢もゼロではないが、妻がイギリス人であり、彼女の家族や友人がここにいるため、簡単には決断できない。
いまのイギリスに感じる問題点
- 物価の上昇が止まらない
- 税金が再び上がる予定
- イギリスを離れるイギリス人が増えている
- 違法移民の問題がまったく解決しない
そんな状況もあり、私は最近ヨーロッパ各国をリサーチし始めている。
最後に
どこか良い国を知りませんか?










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