これから北半球の国は冬になります。冬といえば、風邪、インフルエンザの蔓延は避けて通れない季節です。温暖化が進んでいるとはいえ、それでも気温はグンと低くなるのがロンドンの冬です。ちなみにロンドンの冬場の平均気温ですが、11月は最低気温7度/最高気温12度、12月は5度/9度、1月は4度/9度、2月は5度/9度となっています。意外に暖かいのではと思われた方も多いのではないでしょうか。ロンドンは緯度で言うと北緯51度で、日本でいうと北海道より高い位置になりますが、気流の関係で北海道みたいに大雪が降ったりしないようです。雪が見られるのは1年のうち1回か2回ぐらいです。 ロンドン冬場でのコロナ感染者数の傾向 ロンドンでクリスマスを過ごしたいと思っている人もいるかと思いますが、ロンドンでも寒くなる冬場にコロナウィルスの感染者は爆発的に増加するのでしょうか。昨年の感染状況を見てみますと、11月初旬から徐々に増え始め、12上旬に急激に増加し1月初旬にピークを迎え、それから徐々に減少しました。ロンドンでも冬場は感染者が急増する傾向にあるのです。 英国政府のコロナ対策 感染傾向がはっきりわかっていても、英国政府はまったく対策はとりません。病床がひっ迫したり、死者数が増加したりしてくれば何かしらの対策を打ってくるのでしょうが、英国人はコロナに感染することに慣れてしまった感じです。 現在の感染状況は? 新規感染者数:1日約3400人死者数:1日約90人新規入院患者:1日約530人といった感じです。日本に比べてかなり少ないです。ただ、検査するひとの数が少ないのは事実としてあります。もともと、無料でもらえた検査キットが今は1セット1ポンド89ペンス(約310円)で販売されています。高いわけではありませんが、検査したところで自主隔離が必要なわけでもありませんし、普通にみなさん仕事に行っています。コロナよりも食費、光熱費、燃料費が上がり続けているためコロナに感染したぐらいでは、仕事を休んでいる場合じゃないというのが英国人の本音でしょう。 英国ではコロナはインフルエンザと同じ扱い 英国政府がコロナ対策をやめた2021年の9月以降は、事実上、コロナはインフルエンザと同じ扱いになりました。では、どういった根拠のもとコロナとインフルエンザを同等のものに分類したのでしょうか。コロナパンデミックが起こる前の2018年、2019年のインフルエンザによる死者数を見てみましょう。2018年にインフルエンザまたはインフルエンザによる肺炎で亡くなられた人の数は約2万9千人。2019年は2万6千人。そしてコロナで亡くなられた人の数ですが、2020年~現在までで約21万人となっています。3年で21万人ということは、年間約7万人がコロナによって命を落としたことになります。インフルエンザは年間3万人弱、コロナは倍以上の7万人、それでも英国政府はコロナとインフルエンザは同等だと言い張っています。皆さんはどう思いますか?
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大都会での孤独死
今月2月18日の午後19:00、ロンドン南部の町ペッカムのアパートの一室から白骨化した女性の遺体が発見された。発見されたのはこのアパートに住む61歳の女性。隣に住む女性が、2019年の10月に海外旅行から自宅に戻ってきた際に、自分のアパートの中が、何か今まで嗅いだことのない匂いがしたため、旅行前に捨て忘れた食材か何かが腐っているのではないかと自室をくまなく調べたが何も発見されなかった。匂いのもとは、自室からではなく共用の廊下からだということに気づいたが、隣の部屋からだとはわからなかった。それから数カ月、女性は玄関のドアと床の隙間にタオルをつめて、外から匂いが入ってこない状態にして匂いを我慢して生活をしていた。女性は高齢の女性がとなりに住んでいたのは知っていたが、ほとんど交流はなかったため、ドアをノックすることなどしなかった。ある日、隣の部屋の集合ポストの郵便物が回収されていないことに気づいて、何度か区役所の住宅管理部に電話で連絡をしたが、なかなか取り合ってもらえなかった。しびれを切らした女性は、警察に連絡したが、警察は女性が住むアパートまで来たものの、警察は「恐らくコロナ禍のため、海外にでも行っているのだろう」と楽観的なことを言い、ドアを数回ノックしただけで帰っていった。さらに月日が流れ、最初に異臭がした日から2年以上がたった今月2月18日に健康上の心配があるという理由で強制執行命令のもと、警察がアパートに踏み込んだところ、住人の女性が変わりきった姿で発見された。コロナに感染した一人暮らしのお年寄りが自宅で亡くなるという被害があとをたたない。高齢者にコロナを感染させてはいけないと気を付けすぎ、逆に高齢者が世の中から追いやられてしまった、こうした孤独死はこれからもどんどん増え続けていくだろう。
2021年9月イギリスでのコロナウィルス事情はどうなっている?
イギリスのコロナ事情はどうなっているのか? 長い夏休みも終わり新学期が始まろうとしているイギリスですが、コロナウィルスの感染状況はどうなっているのでしょうか。9月1日時点でのイギリスのコロナウィルス感染状況を見てみましょう。 1日の新規感染者数は? まずは1日あたりの新規感染者数、今日9月1日の新規感染者は3万5,693人となっています。過去1週間の感染者数の合計は23万6,279人。前週より517人減となっています。 1日の死者数は? 感染者が1日3万人以上いてもイギリスはワクチン接種が進んでいるから死者数はそんなにいないはずですよね。9月1日に確認されたイギリスでの死者数は207人となっています。過去1週間の死者数は739人で前週に比べ4人減となっています。 新規入院患者数は? ワクチン接種の効果で重症患者、入院患者も減少しているはず。9月1日に確認されている新規入院患者数は842人。過去1週間での入院患者数は6,482人で前週に比べ284人増えています。 総合的にイギリスのコロナの被害状況はよくなっている? 私は今ロンドンに住んでいますが、正直ロンドン市民のコロナに対する意識はかなり低下しています。確かに電車やバスのなか、またスーパーのなかではマスクをしているひとがほとんどですが、ソーホーなどのいわゆる夜の繁華街に行きますと、誰もマスクをしていません。先週の土曜日に友人数人とソーホーに飲みにいきましたが、夕方5時ぐらいを過ぎるとマスクをしているひとはほとんどいませんでした。私もマスクしていませんでしたが… ワクチン接種の効果は? 正直イギリスの死者数が以前のように1日数千人単位で増えていないのは間違いなくワクチンのおかげでしょう。16歳以上のワクチン接種率が78%に達しており、そのおかげで感染者数はそれなりの数がいますが、死者の数はかなりおさえられています。日本の感染者、死者数がおさえられていないのは間違いなくワクチン接種がすすんでいないからでしょう。ワクチンの安全性をあまり気にしすぎて接種がすすまないのはわかりますが、それによってコロナに感染し死んでしまう数が増えてしまうことを日本人は理解するべきだと思います。ひとはいずれ死んでしまう生き物です。ワクチンも接種せず自粛生活を続けコロナに感染し死んでしまう人生はどうかと思います。
ロックダウンがロンドンに与える影響
コロナウィルスの感染拡大状況が日増しに悪くなっているイギリスそしてロンドン。政府が昨日発表した2回目のロックダウン(緊急事態宣言)が11月5日から始まるが、内容を把握していない人のために規制の内容をおさらいします。 ロックダウン中のルール 特別な理由がない限り外出禁止。学校、仕事、日常品の買い物は特別な理由とみなす。 屋外での運動はしてよい。 室内や自宅の庭で家族以外の人と会ってはいけない。公共の場しかも屋外であれば家族以外の人に1対1で会ってもよい。 生活必需品以外のものを売っているお店はすべて閉鎖。ただし、オンラインか電話で注文商品の受け渡しサービスはしてもよい。 パブ、レストランは閉鎖だが、お酒以外のお持ち帰りサービスは続けてもよい。 レジャー施設、公民館、スポーツジムはすべて閉鎖。エステ等も営業停止。 教会などのお祈りをする場所は閉鎖。ただし葬儀で使う場合は別とする。 建設現場、工場は継続してもよい。 結婚式はしてはいけない。葬式に関しては最高30人規模までとする。 両親が離婚している子供に関して、双方の親の家を訪れてもよい。 持病を持っている人は注意さえすれば、自主隔離する必要はない。 別荘やホテルに宿泊することは禁止。ただし、ビジネス目的での出張は別。 不要不急のために公共の交通機関を使ってはいけない。 規制が私たちの生活に与える影響 不要不急の外出が禁止ということは、まず観光客がロンドンからいなくなることになります。また、パブ、レストランが閉鎖れるということで、ロンドンの繁華街から人がいなくなります。と、これまでは前回のロックダウン時と全く同じです。 前回のロックダウンと大きく違う状況は、学校が閉鎖にならないということです。前回は学校がすべて閉鎖になり、子供への感染の心配をする必要が全くありませんでしたが、今回のロックダウンは学校を閉鎖しない方針をとりましたので、子供を学校へ行かせなければいけません。ロンドンでは9月の初めにコロナ対策が万全の状態で学校が再開されましたが、ロンドン市内のほぼずべての学校で感染者が出ています。 学校でクラスターが発生したら クラスターは今のところ発生しておりませんが、今後発生する可能性は大です。既にクラスターが出ているかもしれませんが、ロンドンではクラスターをどこの学校も公表したがらないので、被害状況が把握しにくいというのが正直なところです。コロナ感染リスクがある学校へ、我が子を送り出す必要があるかどうかです。2つの考えがあって、1つは子供は感染しても重症化しにくいから大丈夫だろうという考えと、2つ目は子供であっても重症化の可能性は0ではないし、万が一感染して自宅で他の人に感染させるとそれはそれで良くないという考えです。 個人の判断で行動するべき 私は正直それぞれの家庭の抱えている状況によって臨機応変に対応したほうがいいと思います。例えば、家族の中に病気持ちの人がいる(糖尿病とか喘息とか)場合は、子供を学校に行かせるべきではないですし、年内に日本へ帰国する予定のある人は、帰国直前に子供がコロナに感染してしまったなんてことにならないようしなければいけません。学校によっては、全校生徒の半分が不登校になっている学校もあるようです。公立学校に関しては勝手に休ませると、罰金が科せられたりしますが、子供の体調が悪いので休ませたいといえば、学校側に拒否する権利はありませんし、学校側も状況を十分理解していますので、ロックダウン中に学校を休ませたところで罰金が科せられることはないと思います。 「コロナに感染したかもしれない」 「コロナに感染したかもしれない」となった場合ですが、病院に電話をしてもまずは自宅で安静にしてくださいと言われるようになるかと思います。コロナの検査ですが、現状では近くの検査場に行くか自宅での検査となります。無料で自宅に検査キッドを送ってくれるので、 自分で鼻の中の粘膜を採取して送り返すと2日か3日後に結果を知らせてくれます。詳しくはこちらのページでご覧ください。 また、ロンドンの冬の悪天候下でのロックダウンは、身体面だけではなく精神面でいろいろな問題を引き起こします。前回のロックダウン時は4月、5月と1年のうち比較的天気のいい月に重なっていたので、屋外での散歩等が簡単にできましたが、雨が多くなるこの時期に屋外での運動をするというのはかなり困難となります。 4~6月の間のイギリス国内での家庭内暴力の検挙件数が通常時の数倍になったことを考えると今回は家庭内暴力の件数がさらに増加する可能性があります。また、日照時間が極端に短くなる冬の外出規制は、多くのロンドン市民にストレスを与え、精神的なダメージをもたらすことも考えられます。私からのアドバイスですが、どれだけ天気が悪くても一日一回外に出て新鮮な空気を吸うようにしましょう。心も体も健全な状態でこの冬を乗り切りましょう。