大都会での孤独死

今月2月18日の午後19:00、ロンドン南部の町ペッカムのアパートの一室から白骨化した女性の遺体が発見された。
発見されたのはこのアパートに住む61歳の女性。
隣に住む女性が、2019年の10月に海外旅行から自宅に戻ってきた際に、自分のアパートの中が、何か今まで嗅いだことのない匂いがしたため、旅行前に捨て忘れた食材か何かが腐っているのではないかと自室をくまなく調べたが何も発見されなかった。
匂いのもとは、自室からではなく共用の廊下からだということに気づいたが、隣の部屋からだとはわからなかった。
それから数カ月、女性は玄関のドアと床の隙間にタオルをつめて、外から匂いが入ってこない状態にして匂いを我慢して生活をしていた。
女性は高齢の女性がとなりに住んでいたのは知っていたが、ほとんど交流はなかったため、ドアをノックすることなどしなかった。
ある日、隣の部屋の集合ポストの郵便物が回収されていないことに気づいて、何度か区役所の住宅管理部に電話で連絡をしたが、なかなか取り合ってもらえなかった。
しびれを切らした女性は、警察に連絡したが、警察は女性が住むアパートまで来たものの、警察は「恐らくコロナ禍のため、海外にでも行っているのだろう」と楽観的なことを言い、ドアを数回ノックしただけで帰っていった。
さらに月日が流れ、最初に異臭がした日から2年以上がたった今月2月18日に健康上の心配があるという理由で強制執行命令のもと、警察がアパートに踏み込んだところ、住人の女性が変わりきった姿で発見された。
コロナに感染した一人暮らしのお年寄りが自宅で亡くなるという被害があとをたたない。
高齢者にコロナを感染させてはいけないと気を付けすぎ、逆に高齢者が世の中から追いやられてしまった、こうした孤独死はこれからもどんどん増え続けていくだろう。

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