
はじめに
日本人は日本人同士であっても「距離を縮めること」が難しいと感じることがあります。そこに文化や言語の違いが加わると、相手との距離感はさらに複雑になります。イギリス人に対して「冷たそう」といった印象を抱く日本人は少なくありませんが、それは本当に冷たさから来るものなのでしょうか。
本記事では、
- 日本人がイギリス人に抱くイメージ
- イギリス人の距離感の特徴
- 距離を縮めるための方法
- 日本人が感じる難しさと有利さ
- イギリス人が怒ったときの反応
を整理しながら、イギリス人とうまく付き合う方法と日本人とうまく付き合う方法の違いについて考えていきます。
日本人が気になるイギリス人の特徴
まず、日本人がイギリス人に興味を持つポイントを整理してみましょう。旅行や留学、SNSでの交流などでよく話題になるのは次のような点です。
- ユーモアのセンス
イギリス人は皮肉やブラックユーモアが大好き。日本人からすると「これ本気で怒ってる?」「冗談?」と混乱することも。
しかし、イギリス人にとっては「ユーモアは潤滑油」。ここを楽しめるかどうかで印象が変わります。 - 紅茶文化と食事
「本当にティータイムがあるの?」と気になる日本人多数。イギリス料理=まずいという先入観も根強いですが、実際は多国籍料理が豊富で、食の幅はむしろ広い国です。 - 礼儀とパーソナルスペース
「日本人と同じく礼儀正しい」と言われますが、パブやサッカー観戦の盛り上がりを目の当たりにすると「意外と賑やか!」と驚くことも。 - 英語の違い
アメリカ英語に慣れた日本人にとって、イギリス英語の発音や表現は新鮮。特に地方訛りは「もはや別言語」と感じることも。
「冷たそう」と思われる理由は距離感
日本人がイギリス人に抱く「冷たそう」という印象。
これは敵意や無関心からくるものではなく、距離感の取り方の違いによるものです。
イギリス人の距離感
- 初対面ではフレンドリーだが、プライベートにすぐ踏み込まない
- パーソナルスペースが広い
- 感情を大きく表に出さず、ユーモアで包む
つまり「冷たい」のではなく「お互いを尊重するための距離を取る」という考え方。
日本人の「遠慮」と似ていますが、イギリスの場合はより“個人主義的な線引き”が強いのです。
距離を縮めるにはどうする?
では、そんなイギリス人と仲良くなるにはどうすればいいのでしょうか?
ポイントは「日本人の感覚を少し緩めて、イギリス式に歩み寄る」ことです。
- ユーモアと雑談を武器にする
天気の話題は鉄板。軽いジョークを交わすことで「気が合う」と思ってもらえます。 - プライベートに急がない
日本人がやりがちなのは「親しくなった証」としてすぐにLINE交換。イギリス人はそういうスピード感を嫌うので、時間をかけましょう。 - 自己主張ははっきりと
日本的な「察して」は通じません。遠慮せずに「私はこう思う」と伝える方が信頼されます。 - 共通体験を楽しむ
パブでの飲み会やスポーツ観戦は友情を育てる場。言葉が拙くても、一緒に盛り上がれば距離は一気に縮まります。 - 礼儀を大切に、でも謝りすぎない
“Please”“Thank you”は必須。ただし“I’m sorry”の乱用は逆効果。
日本人にとって難しいのでは?
「日本人同士ですら距離を縮めるのは難しいのに、イギリス人となんてできるの?」
確かにそう感じる人も多いでしょう。
でも、意外と日本人にとってイギリス人は付き合いやすい面もあるのです。
有利な理由
- 外国人という立場が壁を低くする
同じ日本人相手だと「恥ずかしい」と思うことも、外国人相手なら「文化が違うから仕方ない」と割り切れる。 - 日本文化が会話のきっかけになる
和食、アニメ、観光地など、日本人は話題を提供できる強みがある。 - イギリス人も最初は壁がある
日本人と同じく「じわじわ仲良くなるタイプ」。時間をかけるスタイルは日本人の感覚とも相性が良い。
イギリス人が怒ったら?
気になるのは「イギリス人は切れるとどうなるのか?」という点。
日本人が想像するような「怒鳴り散らす」スタイルは少なく、次のような特徴があります。
- 皮肉や嫌味で静かに表現
- 距離を取って無視する
- 我慢の限界で強い言葉を冷静にぶつける
- 普段のユーモアが消え、笑わなくなる
つまり、外からは分かりにくいけれど、実はかなり怒っている場合があるのです。
特に「約束を破る」「割り込み」「礼儀を欠く」ことには敏感です。
日本人 vs イギリス人:付き合い方の違い
ここまでを整理すると、両者の違いはこうまとめられます。
日本人とうまく付き合う方法 | イギリス人とうまく付き合う方法 | |
---|---|---|
距離感 | 遠慮しつつ、相手の気持ちを察する | 個人の領域を尊重しつつ、雑談でつなぐ |
コミュニケーション | 言葉少なめ、行間を読む | はっきり意見を言う、ユーモアを交える |
仲良くなるまで | ゆっくり、時間をかける | ゆっくり、でも雑談を重ねていく |
礼儀 | 謝罪が多い、謙遜する | “Please”“Thank you”を徹底、謝りすぎない |
怒り方 | 表に出さず我慢、空気が重くなる | 皮肉・態度・冷静な言葉で示す |
まとめ:距離感を楽しむ
日本人もイギリス人も、実は「すぐに距離を縮めない」という点で似ています。
ただし、日本は「察する文化」、イギリスは「個人主義的な線引き」とアプローチが違うため、互いに「冷たい」と誤解しやすいのです。
でも逆に言えば、違いをネタにして笑い合える関係になれば、それこそが最高の距離の縮め方。
- イギリス人と仲良くなるにはユーモアと雑談
- 日本人と仲良くなるには気配りと察し
- どちらにしても「相手の文化を尊重すること」が共通の鍵
島国同士、距離の取り方は少し不器用。
だからこそ、時間をかけてじっくり関係を築く──それが日本人とイギリス人の共通点であり、最終的にはとても相性の良い関係になれるのです。
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