
現地不動産会社を通しての賃貸契約に関するご相談が増えています。ここでは、契約前に必ず押さえたい注意点をまとめます(契約書の読み方、退去通知の取り決め、中途解約、物件訪問の通知など)。
目次
現地不動産会社での契約が増えている背景
- 日本人の英語力が上がり、現地不動産会社でも契約がしやすくなった
- 日本人が多いエリアを避け、都心部に住みたいニーズが増えた
- 勤務先に徒歩で通える都心部に日系不動産会社が少ない
都心部の環境改善(治安や超低排出規制の導入)も背景にあり、都心志向が高まっています。
賃貸契約書で必ず確認すべきこと
契約書はおおむね10〜15ページ。構成は テナントの義務/ランドロードの義務/一般的な決まり/特別事項 の4部が基本です。最重要はテナントの義務の章です。
テナントの義務(TENANT’S OBLIGATION)
- 期日どおり家賃を支払うこと
- 物件をきれいに使用し、退去時に入居時と同等の状態で返すこと
「物件をきれいに使用する」は日々の完璧な清掃義務ではなく、退去時の原状回復が主旨です。
特別事項(Special Terms)の活用
壁への画びょう・クギの使用など、標準条項で禁止されがちな事項は、サイン前に許可を得て特別事項へ明記してもらいましょう。
庭の手入れの扱い
庭の手入れは契約上テナントの責務に含まれるのが一般的。対応が難しい場合は、ガーデナーの手配も検討(1回あたり目安:£30〜40)。怠ると近隣からの苦情や退去時の高額請求につながります。
退去通知(Notice to Quit)の期間と交渉
契約書には通常、1か月前/2か月前/3か月前などの通知期間が定められます。テナントに有利なのは1か月前通知。2か月以上を求められた場合は期間短縮を交渉しましょう。
中途解約(Break Clause)の重要性
突然の人事異動などに備え、Break Clauseの有無は必ず確認。条項が無いと契約満了まで家賃負担が続く恐れがあります。困った場合は早めに専門家へ相談を。
退去前の物件訪問(Viewings)の通知時間
退去前2か月間、24時間前通知での訪問許可条項が入っているのが一般的。頻繁な訪問を避けたい場合は、48時間前通知へ修正を交渉し、合意後は契約書どおりの運用を求めましょう。
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