
イギリスに引っ越してきたばかりのお子さんを持つご家庭にとって、最初の大きな関心ごとは「学校探し」かもしれません。イギリスの教育制度や申し込み手続きは日本とは大きく異なる部分があるため、最初は戸惑うことも多いでしょう。ここでは、プライマリースクール(小学校)の基本情報から探し方、申し込みの流れまでをわかりやすく解説します。
1. プライマリースクールとは?
イギリスでは義務教育が 5歳から16歳 までです。小学校にあたる「プライマリースクール(Primary School)」は以下のように区分されます。
- Infant School(インファント・スクール):4歳〜7歳(Reception〜Year 2)
- Junior School(ジュニア・スクール):7歳〜11歳(Year 3〜Year 6)
- または Primary School として4歳〜11歳までを一貫して通う場合も多いです。
2. 学校の種類
イギリスには公立・私立の両方の学校があります。
- State Schools(公立校)
無料で通える学校。ほとんどの家庭がこちらを利用します。さらに、以下のタイプに分かれます。- Community Schools(地域の自治体が運営)
- Voluntary Aided / Voluntary Controlled Schools(教会や宗教団体が関与)
- Academy / Free Schools(政府資金を受けつつ独立性が高い)
- Independent / Private Schools(私立校)
授業料が必要。独自のカリキュラムや小規模クラスを持つ学校も多いです。
この記事では主に 公立のプライマリースクール への申し込み方法を説明します。
3. 学校の探し方
学校探しの第一歩は、住んでいる地域にどんな学校があるかを調べることです。
- 自治体(Local Council)のウェブサイトを確認
学校のリスト、募集要項、申込方法が詳しく掲載されています。
👉 「[地域名] + school admissions」で検索すると出てきます。ロンドンの公立学校を今すぐ検索|区(カウンシル)別の出願案内へ - Ofsted(教育監査機関)のレポートを確認
各学校の教育の質を評価したレポートがあります。
👉 Ofsted公式サイト で学校名や郵便番号から検索可能。 - 学校見学(Open Day)に参加
実際に学校を見学し、先生や雰囲気を確認すると安心です。
※見学は予約制の場合が多いので、事前に学校に連絡しましょう。 - 近隣の保護者の口コミ
学校ゲートや地域のコミュニティで直接聞いてみるのも有効です。
4. 申し込み方法
公立小学校の場合、基本的には Local Council(市や区の教育担当部門) を通して申し込みます。
ステップ1:居住地を確定する
- 学校の入学枠は住所によって決まる「キャッチメントエリア(通学区域)」が重視されます。
- 家の住所を証明するために 賃貸契約書や公共料金の請求書 などが必要です。
ステップ2:希望校をリストアップ
- ほとんどの自治体では 3〜6校程度の希望順位を記入 できます。
- 第一希望に入れなくても、第二・第三希望に入れる可能性があるので、複数選んでおくと安心です。
ステップ3:オンラインまたは紙で申請
- Local Council のウェブサイトからオンライン申請するのが一般的。
- 必要書類(住所証明、出生証明など)を提出します。
ステップ4:結果を待つ
- 通常は 年度の始まり(9月)に合わせて前年の1月ごろが締め切り。
- 入学決定の通知は4月ごろに届きます。
- 学期途中で引っ越してきた場合は「In-year admission(途中入学)」の申請をします。
5. 途中入学の場合(In-year Admission)
海外からイギリスに引っ越してきた場合や学期途中での転校では、「空きのある学校」への申請となります。
- 希望校に空きがあれば入学可能。
- 空きがない場合は、Local Council が代わりに別の学校を案内してくれます。
- 待機リスト(waiting list)に名前を残しておくことも可能です。
6. 入学準備
入学が決まったら、以下を確認しましょう。
- 制服(School Uniform):多くの学校で指定されています。
- スクールランチまたはお弁当:低学年(Year 2まで)は無料ランチ制度があります。
- 放課後クラブ(After School Club):共働き家庭向けに延長保育を提供している学校もあります。
まとめ
イギリスのプライマリースクール入学は、
- 住んでいる地域の Local Council に相談
- 学校を調べて希望校をリストアップ
- オンラインで申し込み
という流れが基本です。
新しい環境でのお子さんの学校生活は、親子にとって大きな一歩です。焦らず、自治体の情報を確認しながら進めれば大丈夫ですよ。
Comments