ロンドンのギャングはどうやってお金を稼いでいるのか?
ロンドンのギャングと聞くと、高級車を乗り回し、美しい女性を助手席に乗せ、夜な夜な高級ナイトクラブに出入りする……そんなイメージがあるかもしれません。
では、彼らは一体どのようにして収入を得ているのでしょうか。
結論から言うと、主な収入源は違法薬物の売買です。
ロンドンにおける薬物需要の実態
ロンドンは違法薬物の常用者が多い都市として知られています。
特に、貴族や投資銀行家、大手不動産会社のトップセールスマンなど、いわゆる富裕層の中に常用者が多く見られます。彼らは高品質の薬物を求め、価格にはあまりこだわりません。
一方で、労働者階級の中にも常用者は多く、こちらは品質よりも価格を重視する傾向があります。
つまり、高額な高品質ドラッグから、安価で粗悪なドラッグまで需要が幅広いということです。
薬物はどこから仕入れているのか?
大麻に関しては、イギリス国内の一般住宅や工場跡地などで大規模に栽培されています。
しかし、コカインなど原料がイギリス国内で手に入らない薬物は、南米・アフリカ・中国などから密輸されます。
イギリスはヨーロッパ有数の海運拠点であり、毎日大量の貨物が出入りしているため、違法薬物も大量に流れ込んでいるのが現状です。
警察も取り締まりは行っていますが、実際に摘発できるのはごく一部に過ぎません。
さらに、政治家の中にも薬物使用者がいると言われており、警察が強く捜査を進めにくい状況があるとも指摘されています。
違法薬物市場の規模とロンドンギャングの収益
イギリスの違法薬物市場は年間約 19ビリオンポンド(約3.6兆円) とされています。
しかし、これはあくまで政府が把握している数字であり、実態はその 10倍規模 とも言われています。
そのうち、ロンドンが占める割合は 30〜40% と推定され、
ロンドンだけで年間約5ビリオンポンド(約1兆円) の市場があります。
ギャングはどれくらい稼いでいるのか?
ロンドン市内には 約250〜300のギャング組織 が存在するとされています。
仮に300組織が市場を分け合うとすると、1組織あたり年間約33億円 の収益となります。
構成員は約6000人、そのうち幹部クラスは約800人。
1組織あたり幹部は2〜3人と考えると、幹部一人あたりの取り分は年間約5億円程度 と推測できます。
つまり、ロンドンでギャングの中枢メンバーになると、年間数億円を手にする可能性があるということです。
だからこそ、彼らにとって高級車を事故で失うことは「痛手」でさえないのです。
常に「死」と隣り合わせの世界
ただし、これだけの資金を動かす世界は当然ながら危険です。
ギャング同士の抗争によって、いつ命を狙われてもおかしくない環境にあります。
年間5億円という給料は、その“死のリスク”の対価とも言えます。
政治家とギャングの関係は?
これはあくまで推測の域を出ませんが、イギリスでも政治家とギャングには一定のつながりがあるとされています。
イギリスでは、地方議員クラスには警察による常時の警護が行われないため、政治的対立や利権争いによって、議員が暗殺される事件も存在します。
また、薬物ビジネスの取り締まりを公約に掲げた政治家がギャングに狙われるケースもあると言われています。
違法薬物がなければギャングは収益源を失うため、利害が直接衝突するのです。
結局のところ、ギャングに狙われた政治家は、逆にギャングの庇護を受けるしかない、という皮肉な構図すら存在します。










Comments