ロンドンのごみの分別が分かりにくい

ロンドンのごみ分別と回収ルールを示すイラスト。食品ごみ、リサイクル、庭ごみの各ビンと街並みが描かれている。

ロンドンに住み始めると多くの人が戸惑うのが、ごみの分別。区(borough)ごとに収集方法や頻度が異なりますが、基本の考え方は次のとおりです。

ロンドンの分別は大きく4系統+粗大ごみ

  1. ミックスドライ・リサイクル(紙・カード・金属・プラ・ガラス)
    雑誌やダンボール、缶、ボトル類のプラスチック、ガラス瓶などが対象です。
    注意:多くの区ではソフトプラスチック(レジ袋・ラップ・フィルム)は家庭回収の対象外で、スーパー店頭回収に出します。区の最新ルールは郵便番号ごとに確認できます。
  2. フードウェイスト(食品ごみ)
    卵殻・茶がら・野菜の皮・食べ残しなど。多くの区でキッチンカディと屋外の専用容器に分けて出します。
    政策動向:英国政府の「Simpler Recycling」により、2026年3月31日までにイングランド全家庭で「紙・カード、プラスチック、金属、ガラス、食品、庭ごみ」の回収が標準化され、食品ごみは週1回収が原則になります。また、プラスチックフィルムの戸別回収は2027年3月31日までに導入予定です。
  3. 一般ごみ(General Waste)
    上記リサイクル・食品・庭ごみに当てはまらないもの。汚れた紙、使用済みティッシュ、使い捨ておむつなどはここへ。
  4. 庭ごみ(Garden Waste)
    落ち葉、芝、剪定枝など。多くの区で有料のサブスクリプション制(回収袋または専用ビン)です。事前登録が必要です。
  5. 粗大ごみ・家電(Bulky Waste / WEEE)
    ソファ・マットレス・大型家電などは有料の戸別回収を予約するか、居住区の再利用・リサイクルセンターへ自己搬入します。
    例:多くの区では3〜10点までの回収に40〜50ポンド前後の料金がかかります。

戸建てとフラットでの出し方の違い

戸建て:区から支給される大きなビン(または袋)を使用し、収集日の朝に敷地外(歩道沿い)へ。
フラット:建物内の共用ごみ庫にある各種コンテナへ常時排出。食品ごみ用の小型カディが配布される場合があります。

これだけはリサイクルに入れない代表例

  • 食べ残し・油分のついた紙(ピザ箱の油染み部分など)
  • 衣類・テキスタイル(寄付・回収団体へ)
  • ソフトプラスチック(多くの区で不可。スーパー店頭回収へ)
  • 電池・小型家電(販売店の回収箱またはリサイクルセンターへ)
  • シュレッダー紙(多くの区で不可のため一般ごみへ)

何が自分の区で回収対象か迷ったら、区の案内ページや地域の回収カレンダーを確認しましょう。

再利用・リサイクルセンター(RRC/いわゆる「ごみ処理場」)の使い方

  • 居住者は原則無料で利用可能。ただし、住所確認(写真付きIDと住所証明)が求められます。
  • DIY系の廃材や事業系ごみ等には制限や手数料がかかる場合があります。持ち込み対象・予約要否・営業時間を事前に確認しましょう。
  • 多くの区では車での持ち込みが可能ですが、交通渋滞を避けるため予約制を導入している場合もあります。

よくある疑問と最新トピック

Q. ソフトプラスチックはどうすればいい?

2025年時点、ロンドンの多くの区では自宅回収の対象外です。主要スーパーなどの店頭回収を利用しましょう。2027年までに家庭回収が全国導入予定です。

Q. 区ごとにルールが違って分かりにくい…

「Simpler Recycling」により、2026年3月31日までに家庭向け回収内容が全国で標準化される予定です。区による細かな運用の違いは残りますが、分別ルールは統一に向かっています。

Q. 粗大ごみは無料で捨てられる?

戸別回収は有料が一般的です。自己搬入は多くの区で居住者無料ですが、住所確認が必要です。


リサイクルを成功させるコツ

  • 容器は中身を軽くすすいでから出す(汚れは混入の原因になります)
  • ボトルはつぶさずに出す(選別機が認識しやすい)
  • 紙とカードは濡らさない、油染みは除いて出す
  • 迷ったら区のごみ回収カレンダーやリサイクル案内を確認する

英国生活サイト編集部のぼやき

イギリスのごみの分別は、あってないようなものです。
特にフラット(マンション)では、リサイクルごみ用のコンテナ自体が置かれていない場合もあります。
そうした場所では、すべてのごみを一般ごみ用のコンテナにまとめて捨てることになっています。
他の住人に聞いたところ、以前はリサイクル専用のコンテナが設置されていたそうですが、ルールを守らない人が多かったため撤去されたとのことでした。
結局のところ、「ごみの分別方法を誰もきちんと教えていない」ことが問題なのではないでしょうか。
環境問題について偉そうに語るイギリス人も多いですが、実際のところはかなりいい加減です。
リサイクル用のコンテナに一般ごみを入れると回収を拒否されますが、一般ごみ用のコンテナにリサイクルごみを混ぜても、誰にも文句を言われず、普通に回収されてしまいます。
その程度のレベルで、「リサイクルに取り組んでいる」と胸を張っているのです。


本記事は2025年10月時点の情報に基づいています。政策や各区のルールは今後変更される場合がありますので、必ず最新情報をご確認ください。

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