
要点(先に結論)
- 2007年5月3日夜、ポルトガル南部プライア・ダ・ルスのアパート「5A号室」から当時3歳のマデリン・マッキャンが失踪。現在も未解決。
- 2011年に英警視庁が再捜査「Operation Grange」を開始。2020年、独検察はクリスチャン・ブリュックナー(Christian Brückner)を主要容疑者と名指し(ただし本件での起訴はなし)。
- 2024年10月、ブリュックナーはマデリン事件とは無関係の性犯罪事件で独裁判所が無罪判決。
別件の2005年強姦罪の刑期を終え、2025年9月17日に出所(監視対象下)となったと報じられている。 - 2025年10月8日、英レスターの裁判で、「自分はマデリンだ」と主張した女性によるストーキング被害について、母ケイト・マッキャンが証言。裁判は進行中。
事件の全貌:何が起きたのか
2007年5月3日、家族旅行で滞在していたアパートの寝室からマデリン・マッキャン(当時3歳)が姿を消しました。両親は近くのレストランで食事中に交代で子ども部屋を見回っており、22時ごろ母ケイトが失踪に気づき警察へ通報。以降、ポルトガル警察(PJ)と英当局の捜査が続いています。
主なタイムライン
- 2007年5月:ポルトガル警察が初動捜査。報道が過熱する一方で、現場保存の不備なども議論に。
- 2008年7月:両親の容疑者(arguido)指定が解除。
- 2011年:英警視庁が再捜査「Operation Grange」を始動。
- 2020年6月:ドイツ検察がクリスチャン・ブリュックナーを主要容疑者と公表。
- 2024年10月8日:ブリュックナー、独・ブラウンシュヴァイク地裁で別件の性犯罪で無罪(ただし2005年強姦罪の有罪で服役継続)。
- 2025年9月17日:刑期満了により出所と報道(本件での起訴はなし。各国当局の監視下に)。
- 2025年10月8日:レスター・クラウン・コートで、マッキャン家を長期にわたり付け狙ったとされる女性のストーキング裁判が審理中。
容疑者・関係人物
クリスチャン・ブリュックナー(Christian Brückner)
2020年に独検察が主要容疑者と名指し。2007年前後にアルガルヴェ地域に出入りしていた記録や、性犯罪の前歴が注目されました。
一方で、マデリン事件そのものでは起訴されておらず、本人は関与を否定しています。2024年の独裁判では、マデリン事件とは無関係の複数の性犯罪について無罪判決。
2005年に同地域で起きた米国人女性への強姦事件の有罪判決(別件)で服役し、2025年9月に出所。現在も各当局が監視・捜査を続けています。
その他の初期容疑者・論点
- 初動期には家族・知人筋を含む複数仮説が検討されたが、家族の関与を示す決定的証拠は確認されず、2008年に容疑者指定は解除。
- 現場アパートやレンタカーでの臭気検知犬反応なども議論されたが、法廷で決め手となる法科学的証拠は提示されていない。
最近の裁判・動き(2024–2025)
① ドイツでの別件裁判(無罪)
2024年10月、独ブラウンシュヴァイク地裁はブリュックナーに対する別件の強姦・性的虐待の起訴について、証拠不十分で無罪と判断。検察は不服として上訴の方針を示しました。なお、これはマデリン事件とは直接関係しません。
② ブリュックナーの出所(2025年9月17日)
別件の2005年強姦罪の刑期を終え、2025年9月17日にドイツ北部の刑務所から出所したと各社が報道。
マデリン事件に関しては依然として不起訴・捜査継続の状態です。
③ 「自分はマデリン」と主張した女性のストーキング裁判(英国)
2025年10月8日、レスター・クラウン・コートで、ポーランド国籍の若い女性(報道ではJulia Wandelt)がマッキャン家を繰り返し付け狙ったとして審理。母ケイト・マッキャンは、手紙やメッセージで「Mum(お母さん)」と呼びかけられたことや、自宅前での対面などにより深刻な精神的苦痛を受けたと証言しました。被告は無罪を主張し、審理は継続中です。
いま分かっていること/分かっていないこと
- 分かっている:失踪日時・場所、当夜の行動、初動捜査の課題、英独葡の三国で捜査・協力が続くこと。
- 分かっていない:誘拐の有無、犯人像・動機、遺留品・決定的な法科学証拠。
よくある質問(FAQ)
マデリンは見つかっていますか?
いいえ。2025年10月時点で、依然として行方不明です。
ブリュックナーは逮捕・起訴されましたか?
本件(マデリン事件)では起訴されていません。2020年に主要容疑者と名指しされ、他の事件では有罪・無罪の両判断がありましたが、2025年9月に別件刑期を終えて出所しました。
家族は容疑者扱いですか?
いいえ。初期には容疑者指定がありましたが、2008年に解除されています。
読者向け:できる支援と正しい情報の追い方
- 公式情報と信頼できる報道(英・独・国際通信社)を確認する。
- 未確認のSNS情報を拡散しない。家族や関係者への憶測・中傷は法的問題を招く可能性。
- 家族が運営するサイトや公的な連絡窓口を参照する。
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