ロンドンの賃貸市場が変わった!物件は増えても借り手がつかない理由とは?

ロンドンやイギリス全体の賃貸市場は、ここ最近で大きく変わってきました。以前は賃貸物件が少なく、借り手が物件を探すのに苦労する状況でしたが、今は物件自体が増えてきています。しかし、物件が増えたにもかかわらず、借り手がつかないという現象が起きています。では、なぜこのような状況になっているのでしょうか?

賃貸物件は増えたのに、なぜ空室が目立つ?

まず、今の市場では新築物件やデザイン性の高いきれいな物件はすぐに借り手が見つかる一方で、それ以外の物件は数週間、あるいは数カ月間も空室の状態が続いています。この現象の背後には、「物件の質」が関係しています。市場に出ている多くの物件は質が悪く、それが借り手を遠ざけているのです。

さらに、質の悪い物件がなかなか借り手を見つけられない理由は、家主の強欲さにもあります。借り手がつかない物件を値下げしてでも貸し出す柔軟な家主は少なく、多くの家主が家賃を高く設定したまま、借り手が現れるのを待ち続けています。これは、市場のバランスを悪化させ、ますます空室が増える一因となっています。

日本人駐在員とイギリス人の違い

このような状況の中で、日本人駐在員とイギリス人の住宅探しの姿勢にも違いがあります。日本から駐在で来ている人々は、仕事の都合上すぐに住む場所を確保しなければならないことが多いですが、イギリス人はそこまで急いで物件を探す必要がある人は少数派です。特に、新築物件や人気エリアにある高品質な物件に限って探している人が多いため、質の低い物件には見向きもしません。

つまり、現在のロンドンの賃貸市場では、質の悪い物件が溢れているにもかかわらず、それに見合った家賃が設定されていないため、借り手がつかないという悪循環に陥っているのです。

新たなビジネスチャンスの出現

しかし、この空室問題に目をつけて、新たなビジネスを展開している会社が登場しています。具体的な社名はここでは挙げられませんが、彼らが行っているビジネスモデルは非常に興味深いものです。これらの会社は、まず収入がある程度ある人々を借主として契約し、広めの物件を借り上げます。

たとえば、3ベッドルーム以上の戸建てやフラットを借りることが推奨されていますが、収入が足りない場合は、同僚や友人と共同で契約することも可能です。この場合、家賃の合計が2人の年収の3倍を超えていれば契約できます。

サブレットの仕組み:自分が住まない家を貸し出すビジネス

このビジネスモデルの核心は、実際に借り手自身がその物件に住むわけではないという点にあります。例えば、3ベッドルームのアパートを契約したとしますが、自分はその物件に住まず、各部屋を日本人向けのウェブサイト「MixB」などを通じて、ワーキングホリデーの若者や学生に貸し出すのです。

この仕組みは「サブレット」と呼ばれ、イギリスでは家主の許可を得ていれば合法的に行うことができます。重要なのは、家主に許可を取ることです。もし家主に内緒でこのサブレットを行うと、契約違反となり、最悪の場合は契約解除や法的措置を取られるリスクがあります。

サブレットビジネスの魅力とリスク

このビジネスモデルの魅力は、借り手が自分で家賃を支払う代わりに、他の入居者から家賃を受け取ることで、家賃負担が軽減される点にあります。さらに、入居者からの家賃収入が定期的に入ることで、安定した収益を確保することができ、ビジネスとして成立します。

ただし、このモデルにはリスクも伴います。まず、サブレットがうまくいくためには、借り手としての信用が非常に重要です。借主となる人が家賃をきちんと支払うかどうか、また部屋を丁寧に使ってくれるかを見極める必要があります。

また、家主との関係性も重要です。サブレットを許可している家主もいれば、許可しない家主もいます。許可を得ている場合でも、家主に対して誠実な対応をしなければ信頼関係が崩れ、トラブルになる可能性もあります。

実際にサブレットビジネスを成功させるには?

このビジネスモデルを成功させるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

物件選びは慎重に:人気のエリアや、質の高い物件を選ぶことで、入居者を見つけやすくなります。新築物件やリノベーション済みの物件は特に人気です。

家主とのコミュニケーション:サブレットを合法的に行うためには、家主に対して事前に許可を得ることが必須です。正直にビジネスモデルを説明し、信頼を築くことが重要です。

ターゲット市場の理解:日本人ワーホリや留学生をターゲットにする場合、彼らが何を求めているかを理解することが重要です。家賃や生活環境、安全性に対するニーズを把握し、それに応えることが成功の鍵です。

終わりに

ロンドンの賃貸市場は今、物件の数が増えたにもかかわらず、借り手が見つからないという厳しい状況にあります。しかし、このような市場の変化は、同時に新たなビジネスチャンスも生み出しています。

サブレットビジネスは、物件のオーナーでなくても賃貸市場に参入できる興味深いモデルですが、成功させるにはリスク管理と戦略的な行動が必要です。イギリスでの賃貸物件不足の問題を逆手に取り、新たなビジネスモデルとして発展していく可能性はまだまだ広がっています。

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