ロンドン賃貸物件の家賃値上げに対して何ができる?

賃貸物件の家賃の異常な値上がりと物件数の減少

以前ロンドンの賃貸物件数が減少しているとお話いたしましたが、知らない人のために再度簡単に説明します。
2021年暮れからの利上げに伴い、住宅ローンを抱える家主の利回りが悪くなり、さらにウクライナ戦争開始によって家主にかかる負担はさらに増え、多くの家主が賃貸物件を売却するといった事態になりました。

インフレは家主より借主への負担が増えるのでは?

確かに家主は物件に借主がいて、住民税(カウンシルタックス)、公共料金などの負担はありませんが、多くのロンドンの賃貸物件はフラットいわゆるマンションタイプになり、住宅ローン以外でも管理費というものが発生します。
しかも、都心のフラットは暖房、給湯が共用のところが多く、光熱費の負担は管理費というかたちで家主にかかってくるのです。
おそらく今年の契約更新時に家賃を値上げされなかったという人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
インフレ率が10%以上もしているので、RPI(Retail Price Index)と家賃上昇率が連動するという条項が契約書にはいっている場合、10%の値上げをされた人もいたのではないでしょうか。

家賃の値上げに対して交渉はできないのか?

家賃の値上げに対して、借主は交渉できないのでしょうか。
交渉は可能です、というか交渉するべきです。
今年、大幅な家賃の値上げを承諾してしまうと、来年も似たような家賃の値上げされることになります。
考えてみてください、ロンドンで高いお金を出して投資物件を買うということは、お金儲けしたいということです。
家主になるというのは慈善事業ではありません。
利回りが大きければ大きいほど家主の懐は潤っていくのです。

では、どういった方法で交渉するのか?

家賃の値上げに対する交渉ですが、単純に今の家賃以上は支払うことができないということです。
家主も人間で私たちと同じ血が流れています。
情に訴えることが大切です。
いろいろ理屈を並べて論破しようなんて思わないでください。
相手は百選錬磨のビジネスマンだということを忘れないでください。
特にインド人、ユダヤ人の家主は論破されることが大嫌いな人種なので、とにかく生活が苦しくなるとか、子どもに満足に食べさせられないとか嘘八百を並べて情に訴えてみましょう。

家賃の交渉はなるべく長引かせるべし

家賃の交渉にかける時間ですが、長ければ長いほど有効に働きます。
200ポンドの値上げに対し、100ポンドならと妥協点を見出すのは最後の最後です。
まずは値上げには対応が難しいということと、その理由を並べ立ててください。
そして、妻に相談するとか、会社の上司に相談するとか、結論を先延ばし先延ばしにする努力をしましょう。
人の心理として、あまりに交渉に手間取ると面倒臭くなってくるので最終的には相手が妥協してきます。
家賃の値上げが0というのが理想の着地点ですが、最終的に200ポンドの値上げが100ポンドにおさまれば御の字ではないでしょうか。

最悪のケーズは?

交渉がまったくうまく行かず、交渉決裂になった場合の対処法ですが、とにかく値上げされた家賃は支払ってはダメです。
もし、値上げされた家賃を支払った場合、値上げに同意したことになるからです。
恐らく家主のなかには、退去通知を出してくる人もいるかと思います。
退去通知は通常2カ月以内に出て行ってくださいというものになり、すぐに出ていく必要はありません。
ただその間も現行の家賃は支払い続けるようにしてください。
家賃の支払いを止めてしまうと、家主は法的措置をとってきます。
家賃を支払い続けていれば、家主には法的措置をとる強い理由がないので、そのまま住み続けられる可能性が高くなります。
というもの家主が借主を追い出すのにかかる弁護士費用が8,000~12,000ポンドと言われていて、その費用が家主の負担になることを考えると、ほとんどの家主は現状維持を選ぶのです。

引っ越すという選択も視野に入れる

今の物件に住み続けたいか?というのを再度家族と話し合ってみてください。
法外な家賃の値上げをふっかけてくる家主の物件に住み続けたいかどうか?
物件に満足しているのか?
近隣住民とはうまくやっているのか?
など、引っ越しを検討する理由はいくらでもあります。
確かに賃貸物件は減少していますが、まったく無いわけではありません。
そこで、場所と環境を変えて心機一転で新しい生活を始めるというのを一つの選択肢として持っておけば、気持ちにも余裕ができて家主との交渉もうまく行くのではと思います。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA