近年、イギリスではSNSを通じて子どもが自殺や死亡に至るケースが相次ぎ、社会問題として深刻化しています。その状況を受け、SNS規制に向けた動きが本格化しつつあります。
母親が立ち上げたキャンペーンと議会審議
自分の子どもが SNS閲覧後に自殺した可能性が高い と考える母親、エレン・ルームさんは、息子の死の原因がSNSにあると強く信じ、2024年5月にキャンペーンを立ち上げました。
この活動は多くの共感を呼び、短期間で 12万6,000以上の署名 を獲得。
そして 2025年1月13日、ついに議会で審議が行われる までに至りました。
この動きによって、多くの人々が改めて「SNSに潜む危険性」に気づき始めたと言えます。しかし、その後も被害は減ることなく続いています。
SNSで拡散する“危険チャレンジ”の現実
自殺だけでなく、10代の間で広がる“危険チャレンジ”が重大事故を引き起こす事例も後を絶ちません。以下に、代表的なケースを整理します。
① TikTok「Blackout Challenge(失神チャレンジ)」
- 意図的に酸欠状態にさせる危険行為で、海外報道では 12歳以下の子どもが18か月で15人以上死亡 したとされています。(GIGAZINE)
- 親がTikTokを訴えたケースも複数あり、Isaac Kenevan、Archie Battersbee、Jools Sweeney、Maia Walsh などの死亡が「チャレンジに関連する」と主張されています。(The Guardian)
※ただし、すべてがチャレンジによる死亡と公式に確定しているわけではなく、現在も調査・裁判で争われています。(Wikipedia)
② 「One Chip Challenge」超激辛チャレンジ
- 米国では 14歳の少年が「One Chip Challenge」(極度に辛いチップを食べる行為)を行った数時間後に死亡したと報じられています。
- これを受け、メーカーは 販売中止 を発表しています。(Wikipedia)
③ 「Dusting / Huffing / Chroming」吸入系トレンド
- 2025年6月、19歳の女性がキーボードクリーナーなどの化学物質を吸入する「dusting」を試し、死亡したと報道されました。(NDTV)
- 同様の行為は「chroming」「huffing」としても知られ、若年層の事故が多数指摘されています。
- 13歳の少女が chroming により死亡した例も報じられています。(The Sun)
④ 生配信での危険行為による死亡
- 中国のインフルエンサーが、アルコール度数の高い酒を大量に飲むライブ配信を行った後に突然死したケースが報じられています。
視聴者参加型の過激行為競争の一部として行われていたとされています。(tvgroove)
⑤ その他の危険チャレンジ
以下はSNSで拡散し議論を呼んだ危険行為ですが、死亡例が確定したとは限りません。
- Tide Pod チャレンジ(洗濯用カプセルを食べる行為)
重篤な中毒リスクがあり警告が出たものの、明確な死亡例は確認されていません。(GIGAZINE) - Blue Whale Challenge(自殺タスクを進める行為)
多数の自殺が関連していると報道されたものの、因果関係の証明は困難で、研究者の間では「神話・噂」との指摘もあります。(Wikipedia)
危険チャレンジに国境はない
これらの“危険チャレンジ”は、国境を越えて拡散し、インターネット上から消えることはありません。
判断力が十分でない子どもたちが犠牲となっている現実を、私たちは直視する必要があります。
それでもあなたは自分の子どもにスマホを渡しますか?
SNSの恩恵は確かに大きい一方で、深刻な危険も存在しています。
子どもを守るために、大人ができる選択と対策を、今こそ問い直す時ではないでしょうか。









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