イギリス人の年末年始の伝統的な過ごし方

イギリスでいちばん大きなイベントはもちろんクリスマスですが、年末年始もお祝いはします。ただ家族みんなで集まるというより友達同士のほうが一般的です。ロンドンでは年越しはパブやレストランやクラブで過ごしたりしたあと毎年恒例の打ち上げ花火を見に行ったりします。 年末仕事は休みではないし暇になるわけでもない 多くの企業が12月31日を休みにしていますが、正式に祭日ではないため本来は働かなければいけません。あとイギリスはクリスマス中の休暇が長いみたいな誤った情報が流れていますが、クリスマス中に有休を使う人が多いというだけで正式な祭日は12月25日と26日だけです。12月25、26日を家族で祝い27~31日は仕事に戻る人もたくさんいます。日本で12月は師走なんていって逆に忙しくなるというのと同じ、イギリスも12月は年内最後の追い込みでバタバタする企業が多くなります。 学校の冬休みは約2週間 学校は通常12月21日から冬休みになり1月3日から新学期がはじまるのでそんな長くはありません。学校が2週間ほど休みになり子供を預けたりすることがむずかしくなるため両親も休みをとらざるをえない人が増えるのもうなずけますよね。 年末に流れる歌の定番 イギリスで年末に流れる歌の定番ですがスコットランド民謡の「Auld Lang Syne」日本でもおなじみの「蛍のひかり」です。あのパチンコ屋の閉店間際に流れる「蛍のひかり」って日本の歌じゃなかったんですね。ちなみに「Auld Lang Syne」の意味は「古き良き日々」などと訳されます。スコットランド語の歌詞はこんな感じです。 Should auld acquaintance be forgotAnd never brought to mind?Should auld acquaintance be forgotAnd days of auld lang syne? For auld lang syne, my dearFor auld lang syneWe’ll tak a cup o’ kindness yetFor days of auld lang syne 年明けは「そば」ではなく「シャンペン」 1月1日の0時00分にお酒好きのイギリス人らしくみんなで乾杯します。日本ではやはり日本酒かビールで乾杯なんでしょうがイギリスはおしゃれにシャンペンで乾杯します。特に何か決まって食べるものはありません。寝る前に食べるのは体によくないということで年明け直後に何か食べるという風習はありません。

伝統的なイギリスのクリスマスディナー

イギリス人のとってのクリスマスは、日本人にとってのお正月と同じ。朝からお酒を飲み始める。シェリー酒、ワインにモールドワインとちゃんぽん当たり前。ディナーにありつく頃はへべれけ状態。そんなイギリス人が食べるクリスマスディナーを解説します。 七面鳥の丸焼き(Roast Turkey) やはりクリスマスといえば七面鳥の丸焼きです。他にもローストビーフ、ハム、チキン、ポークなど家庭によってチョイスは変わってきますが、いちばん人気はやはり七面鳥です。通常丸焼きにした七面鳥をカットし取り分けるのはお父さんの仕事です。 ローストポテト(Roast Potatoes) 主食がジャガイモのイギリス。クリスマスディナーにもジャガイモは欠かせないアイテムとなっている。普段はマッシュポテトが食卓にならぶことが多いが、クリスマスは小さめにカットし、ガチョウの油をまぶしてオーブンでハーブと一緒にローストする。ハーブはパセリとタイムとあとは塩コショウ。 詰め物(Stuffing) 詰め物とはクルミのピューレにパン粉、玉ねぎ、バター、ハーブ各種混ぜ合わせたものです。地方によって中に入れるものが変わってきます。王道はセージと玉ねぎでしょうか。七面鳥のおなかの部分に詰めてオーブンで一緒にローストします。 ブランケットにつつまれた豚(Pigs in Blankets) 小さなソーセージがベーコンに巻かれたものです。アスパラベーコンのアスパラがソーセージになったものだと思ってください。肉を肉で巻く。王道なのか邪道なのかわかりません。 ヨークシャープディング(Yorkshire Pudding) ヨークシャープディンは卵と牛乳と小麦粉を混ぜ合わせてオーブンで焼き上げたもの。見た目は固いシュークリームの皮。七面鳥のとなりに盛り付けられ、グレービーソースをかけて肉や野菜と一緒に食べます。 グレービーソース(Gravy) グレービーソースは七面鳥をローストしたあとのトレイにしたたり落ちた肉汁に小麦粉を入れ塩コショウで味付けしたもの。 芽キャベツ(Brussel Sprouts) 芽キャベツは冬になるとスーパーに並ぶ。見た目はキャベツをドラえもんのスモールライトで小さくした感じ。調理方法は煮るかオーブンでローストするかのどちらか。味は少し苦め。 クリスマスプディング(Christmas Pudding) クリスマスプディングはブランデー漬けのドライフルーツケーキです。お皿に盛り付けたケーキに火をつけた状態でテーブルに出す。この時間帯になると何でもありです。 ミンスパイ(Mince Pies) ミンスパイはお肉のミンスパイではありません。小さなパイで中身はレーズンやクランベリーやブドウなどのフルーツと砕いたナッツ、味付けはシナモン、砂糖、ナツメグ。パイは通常オーブンで焼き上げられる。 以上がイギリスのクリスマスディナーとなります。おなかいっぱいになりましたでしょうか?