すでに多くのひとが2021年の春から普通の生活に戻ることはあきらめました。
そして多くのひとが「夏までには」「秋までには」とひそかに願っています。
でも、それはあくまで希望的観測であり、確実に起こる未来とはいいきれません。
もしかしたら、ロックダウン解除後にまた感染者が急増し再びロックダウンというロックダウンスパイラルから抜け出すことはできないのではないでしょうか。
変異株の存在
イギリスは世界のなかでも5種類の安全なワクチンを確保していて、通常の生活にかなり近い位置にいるのではないでしょうか。
しかし、油断できないのは変異株の存在です。
すでに発見されているケント(イギリス)、ブラジル、南アフリカ変異株は、感染率が高いうえに症状が重いとされています。
さらに、ブラジル、南アフリカ変異株に関しては、現在のワクチン効きめが弱いといわれています。
また、再感染することや一つの変異株に感染しても他の変異株にも感染しない保証はありません。
コロナウィルスをコントロールしている国に学ぶ
ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、日本のように感染を最小限に抑えている国から学ぶことはたくさんあります。
いろいろなタイプの検査、感染者の追跡システム、感染者隔離の徹底、短い期間で人の交流を完全に断ち切るロックダウン、さらには海外からの入国拒否をして国境をシャットダウンするなどがあげられます。
成功例をつくる
もし、それぞれの国で子どもを含む大半の国民にワクチン接種をし、強い免疫をつけ変異株に対しても効果があることを証明することが必要不可欠となってきます。
そうれれば、6~8カ月以内にはすべての規制が解除され、学校、レストラン、パブ、スポーツジム、ライブハウス、スポーツ観戦用のスタジアムなどが再開され通常の生活に戻れるのではないでしょうか。
それでも不慮の事態が起きた場合の対策の準備はもちろん必要です。
国際間の移動を減らす
国際間の移動に制限をかけることも必要です。
世界のなかでいちばんワクチンプログラムをすすめているイスラエルは海外のからの旅行者を完全にシャットダウンしました。
また、カナダでも海外からの旅行者に対しホテルでの隔離を義務付けています。
イギリスは何をすべきなのか?
1500万人のワクチン接種を完了させたイギリスだが、感染者を抑えるためには大半の国民がワクチン接種を受けえう必要があります。
検査数の増加、感染者の追跡、感染者隔離の徹底だけでなく、隔離者が安心してすごせるための経済的救済措置も必要です。
同時に、年内は国外への移動はなるだけ避けることも必要です。
国境を完全にシャットダウン
感染者が世界で5番目に多いイギリスですが、国境をシャットダウンすることには踏み切っていません。
南アフリカ、ブラジル変異株の感染が広がっている国からの入国を規制しているだけです。
問題は変異株の感染が発見された時点ですでに他のひとに感染しているため「手遅れ」なのです。
スコットランドのスタージョン首相は中途半端な規制は意味がないということですべての国からの入国を拒否する提案をジョンソン首相に打診しています。
貧しい国への支援が重要なカギ
先進国が国内の問題を解決し感染を抑え込んだら、貧しい国への支援が必要となってきます。
多くの貧しい国は製薬会社へのワクチン取得の交渉さえできていない状況です。
富裕国のなかには全国民に対し9回分のワクチンを購入している国もあります。
富裕国はワクチンを貧しい国に提供していかなければいけません。
WHOは富裕国に対してワクチンの寄付を求めて、現時点ではノルウェーがワクチン寄付に同意しています。
貧しい国へワクチンを寄付しなければいけない理由は、ワクチンを独占したりするのは間違っているという理由だけでありません。
あまり感染が広がっていない貧しい国で感染が広がった場合にまた新たな変異株が生まれる危険性があるからです。
つまり、富裕国だけが感染を抑え込むだけではパンデミックの終息にならないのです。
コロナパンデミックの終わりは世界中のひとが効果的なワクチン接種を手軽に受けられるようになったときです。
そういった意味ではまだゴールすら見えていません。
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