
冬の海沿いで食べるフィッシュアンドチップス、持ち帰る途中で“しんなり・冷たい”なんて経験ありませんか? 実は、包み方の順番と折り方を工夫するだけで、海風の中でも衣がサクサクのまま楽しめます。 本記事では、英国チップショップが実践している「冷めにくい紙包み術」を徹底解説します。
なぜ冷める?海辺の環境と熱の逃げ方
- 潮風が強い: 対流による熱奪取が速い。
- 湿度が高い: 蒸気がこもりやすく、衣が湿気る。
- 低気温: 紙の表面温度がすぐ下がり、放熱が加速。
つまり「熱を閉じ込めつつ、湿気を逃がす」ことが理想。 そのため、紙包みは層構造+空気層を意識するのがポイントです。
保温と湿気を両立する包みの構造
英国の伝統的な包みは「三層構造」でできています。
- 内側: 耐油紙(グリースペーパー)— 衣の油を吸いすぎず、湿気を調整。
- 中層: クッション紙(未晒クラフトなど)— 空気層を作り保温。
- 外側: 新聞紙 or 包装紙 — 断熱&持ちやすさを確保。
現代では食品対応の再生紙やFSC認証紙を使うショップが主流です。 新聞紙柄のプリントペーパーも人気で、レトロ感を残しつつ安全。
紙包みの折り方・手順
- 耐油紙を広げ、中央にチップスを先に敷く(底熱を維持)。
- その上に魚を乗せ、軽く重ねるように配置。
- 紙の左右を折って中央で合わせる(空気層を作る)。
- 上下を順に折り込み、端を内側へ軽く差し込む。
- さらに外紙で全体を包み、端を内側に「二重折り」する。
ポイントは密閉しすぎないこと。 湯気の逃げ道を1cm程度残しておくと、衣のサクサク感が持続します。
詰める順番の黄金バランス
順番 | 食材 | 理由 |
---|---|---|
① | チップス | 熱を保持しやすく、底のクッションにもなる。 |
② | 魚(フィッシュ) | チップスの蒸気で衣を内側から温める。 |
③ | 耐油紙 or ワックス紙 | 直熱を遮断しつつ水分バランスを保つ。 |
④ | 外紙(新聞紙・包装紙) | 保温・断熱・持ちやすさを確保。 |
冷めにくく湿らないためのコツ
- 包む前に余分な油を切る(30秒置く)。
- スプレービネガーは後がけ:湿気の原因になるため。
- 持ち帰り時間が15分以上なら、空気層を厚く。
- 冬場は紙袋の中にホットパックを入れるのも効果的。
環境に優しい素材選び
- FSC認証紙:持続可能な森林由来。
- 未晒クラフト紙:漂白なしで耐久性も◎。
- コンポスト対応:生分解性のグリースペーパーが増加中。
英国の一部店舗では、「プラゼロ包装」を実現する動きも進んでいます。 環境対応と食文化が共存する最新トレンドです。
よくある質問(FAQ)
新聞紙で包むのはもう禁止?
食品安全法上、インク移行の問題があるため現在は直接使用不可。食品対応の再生紙が代用されています。
ビニール袋に入れるのはNG?
熱と蒸気で衣が湿気るため避けましょう。紙袋やボックスが最適。
電子レンジで温め直してもサクサク?
電子レンジは衣がしんなりします。再加熱はオーブントースター180℃で3〜4分が理想です。
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