雪が降らず、山もない国が冬季五輪へ

スコットランドの雪山を背景に、冬季オリンピックに挑むイギリス代表選手たちを描いたイラスト

イギリス代表にスコットランド人が多い理由とは?

冬季オリンピックの中継を見ていて、ふとこんな疑問を持った人もいるかもしれない。
「ほとんど雪が降らず、アルプスのような山もないのに、どうしてイギリスは冬季オリンピックに参加できるの?」
さらに言えば、「代表選手って、スコットランド人ばかりじゃない?」と。

結論から言うと、「ほとんど」ではないが、「かなり多い」のは事実だ。そしてそれには、地理・歴史・競技特性が絡み合った、ちゃんとした理由がある。


実は“冬”が一番あるのはスコットランド

イギリス全体で見ると、冬でも雪は少なく、スキーリゾートのイメージはほぼない。
しかし例外がある。それがスコットランドだ。

スコットランド北部にはケアンゴームズ山脈などの高地があり、
・イギリス国内で数少ないスキー場
・安定して雪が降る地域
が存在する。

アルプスと比べれば規模は小さいが、「国内で冬季競技を始められる場所」という意味では、ほぼスコットランド一択になる。

その結果、

「冬季競技をやろうと思ったら、自然とスコットランド出身者が多くなる」
という構図が生まれた。


雪がなくても強い競技がある

さらに重要なのが、イギリスが力を入れている競技の種類だ。

イギリスの冬季五輪での主戦場は、

  • ボブスレー
  • スケルトン
  • リュージュ
    といったそり系競技

これらは

  • 雪山での生活経験が必須ではない
  • スタートダッシュや筋力、瞬発力が重要
  • 陸上競技やラグビーからの転向が可能

という特徴を持つ。

実際、イギリス代表には

  • 元陸上選手
  • 元ラグビー選手
  • 元自転車競技選手
    が多く、「雪国育ち」よりも「フィジカルエリート」が重視されている。

スコットランドは伝統的にスポーツ人口が厚く、体格にも恵まれているため、ここでも比率が高くなりやすい。


「イングランド対スコットランド」ではない

とはいえ誤解してはいけないのは、
イギリス代表=ほぼスコットランド人というわけではないこと。

実際には、

  • イングランド出身者
  • ウェールズ出身者
  • 海外育ち(カナダや北欧で育った二重国籍選手)
    も多く在籍している。

ただし、

  • アルペンスキーやスノーボードなど“雪そのもの”が必要な競技
    では、スコットランド出身者の存在感が特に目立つため、
    「やたら多く見える」という印象が生まれやすい。

雪がなくても、戦い方はある

イギリスの冬季オリンピック参加は、
「環境がない国は勝てない」という常識への、ある意味での挑戦だ。

  • 雪がなければ、海外で練習する
  • 山がなければ、別競技の才能を転用する
  • 国内で足りないものは、戦略で補う

そしてその戦略の中心に、結果的にスコットランドの選手たちがいる。

雪国ではないからこそ生まれた、イギリス流・冬季オリンピックの生存戦略
それを知った上で見ると、次の大会は少し違った景色に見えるかもしれない。

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