伝統と家族の時間を大切にする、心あたたまるホリデーシーズン

イギリスのクリスマスは、日本の年末行事とはまた違った独特の雰囲気と伝統にあふれています。11月下旬頃から街が光に包まれ、12月に入ると一気にクリスマスムードが最高潮へ。ここでは、イギリス人がよく過ごす典型的なクリスマスの流れや文化を紹介します。

1. クリスマス準備は早めにスタート

街やショッピングモールは11月からイルミネーションで彩られます。家庭ではアドベントカレンダーを開けながらカウントダウン。
また、クリスマスカード文化が非常に根強く、家族や友人、職場にもカードを送るのが一般的です。

12月に入るとほとんどの家庭がツリーを飾り、リビングに暖かい彩りを添えます。
ツリーのてっぺんには天使や星、暖炉がある家では「クリスマスストッキング」を吊るします。

イギリスでは、クリスマス・イブに豪華な食事をする習慣はあまりありません。
多くの家庭では翌日の準備をしながら、家族で映画を観たりゆっくりと過ごします。
教会に通う家庭はこの日の夜にミッドナイトミサに参加することも。

子どもたちは朝早く起き、ストッキングに入った小さなプレゼントを開けるのを楽しみにしています。
その後、ツリーの下に置かれた家族からのプレゼントを囲んで開封。
大人も子どもも、この“プレゼント開封の時間”がクリスマスの醍醐味です。

イギリスのクリスマスディナーはとても伝統的。代表的なメニューは：

食後のデザートには、長期間熟成させた「クリスマスプディング」が登場。食卓では「クリスマスクラッカー」を鳴らして紙の王冠をかぶり、ジョークを読み合うのが毎年の楽しみです。

クリスマス当日の午後3時には、伝統的に王（または女王）のクリスマスメッセージがテレビで放送されます。
多くの家庭がこれを見ながらティータイムを楽しむのもイギリスらしい時間です。

12月26日のボクシングデーはセールが始まる日として知られ、ショッピングモールは賑わいます。
また、スポーツ観戦の日としても人気で、特にサッカーやラグビーの試合が伝統的に行われます。

イギリスのクリスマスは、派手なイベントよりも家族との時間、伝統、温かく穏やかなひとときを大切にする文化が根付いています。
イルミネーションの美しさ、クラシックな料理、プレゼント交換、王室のスピーチなど、どれもイギリスらしい魅力にあふれています。