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イギリスの雇用市場の現状
2024年12月現在、イギリスの失業率は4.4%と報告されており、前月の4.3%から若干の上昇が見られます。これだけ聞くと「まあ、そんなに変わらないかな?」と思うかもしれませんが、背景を見ていくと、労働市場にはさまざまな変化が起きています。
就業者数は3,378.3万人と、3か月前より3.6万人増えています。しかし、非労働力人口は941万人と、コロナ禍前の855万人から大きく増加しています。つまり、「働きたいけど働けない人」「そもそも働くことを諦めた人」が増えているというわけです。
この影響で、労働力率(働ける人の中で実際に働いている割合)は79.5%から77.9%に低下。長期的に見ると、「働く人が減る→経済成長が鈍化→税収が減る→社会保障が圧迫される」といった負のループに陥る可能性もあります。
では、イギリスの初任給はどうなっているのでしょうか? そして、それは実際の生活コストと比べてどうなのでしょうか?
イギリスの初任給:高い? 低い?
イギリスの大学卒業者の初任給は、専攻分野や業種によって大きく異なります。たとえば、
- 医学・歯学:平均50,373ポンド(約9,500万円)
- コンピュータサイエンス:平均44,143ポンド(約8,300万円)
- 一般的な大卒者:平均25,000ポンド(約475万円)
「えっ!? 初任給が何千万円?」と思ったかもしれませんが、これは為替レートのミスではなく単なる誤植(本当は約800万円や700万円)。 それでも医学・歯学の分野はやはり高水準で、コンピュータサイエンス系もそれに次ぐ高給です。
しかし、一般的な大卒者は年間25,000ポンド程度(約475万円)。これは多いのでしょうか? それとも少ないのでしょうか? 生活コストと比較しながら考えてみましょう。
イギリスの生活コストと給料のバランス
ロンドンでの生活費を考えてみます。
- 家賃:ロンドンの1ベッドルームの平均家賃は月1,800ポンド(約34万円)。
- 交通費:ゾーン1-2の通勤定期は月181ポンド(約3.3万円)。
- 食費:自炊メインで月200~300ポンド(約3.7~5.6万円)。
- 光熱費・ネット・携帯代:月200ポンド(約3.7万円)。
- 娯楽・交際費:月200~500ポンド(約3.7~9.4万円)。
合計すると、**最低でも月2,500ポンド(約47万円)**が必要です。つまり、年収25,000ポンド(約475万円)の人は手取りで約1,800ポンド(約34万円)しかないため、ロンドンでの生活はかなり厳しいことになります。
**「え、普通に生活できなくない?」**と思ったあなた、正解です。
ではどうするか?
1. ロンドン以外に住む
ロンドンの家賃は高すぎるので、バーミンガムやマンチェスターなど地方都市に移るのが現実的です。地方都市なら家賃は600~1,000ポンド程度で済みます。
2. ルームシェアをする
ロンドンでもルームシェアをすれば家賃は1,000ポンド以下に抑えられることも。
3. フルタイムだけでなく副業をする
イギリスでは副業OKの会社も多く、週末にウーバーイーツの配達をする人も増えています。
4. 最初から高給を狙う
医学・歯学・コンピュータサイエンスなどの高収入職を目指すのも一つの方法。特にエンジニア系は学位がなくてもスキル次第で高給が狙えます。
まとめ:イギリスでの生活、どうする?
イギリスの雇用市場は安定しているものの、非労働力人口が増加しており、今後の経済には不安要素もあります。
初任給は業種によって大きく異なり、医学・歯学、コンピュータサイエンス系は高給ですが、一般的な大卒者は年収25,000ポンド程度。この金額ではロンドンでの単身生活は厳しく、地方移住やルームシェア、副業などの対策が必要です。
イギリスで働く予定の人は、給与だけでなく、生活コストやキャリアプランも含めて慎重に計画を立てましょう!
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