
「駐車場が欲しい!」と考えるのは、車を所有する多くの人にとって自然なことです。特にイギリスでは、路上駐車が難しくなる一方で、駐車スペースを確保することがますます重要になっています。しかし、自宅の敷地内に駐車スペースを設置するには、思った以上に高額な費用がかかることをご存じでしょうか?
ここでは、駐車スペースを設置する際に必要な工事や費用、さらにその背景について詳しく解説していきます。
1. 車道乗り入れ口(ドロップドカーブ)の設置
イギリスでは、歩道から自宅敷地内へ車を乗り入れるために「ドロップドカーブ(dropped kerb)」の設置が必要です。これは、歩道の縁石を低くして、車がスムーズに乗り入れられるようにする工事です。しかし、これはただの簡単な作業ではなく、自治体の許可が必要になります。
- 申請手続きと費用:申請には手数料がかかり、許可が下りるまでの時間も考慮しなければなりません。
- 工事費用:工事の規模や地域によって異なりますが、数千ポンド(数十万円)かかることも。
つまり、駐車スペースを作る最初のステップでさえ、それなりの出費を覚悟しなければならないのです。
2. 駐車スペースの舗装工事
駐車スペースを作るためには、敷地内の地面を整備し、適切な舗装を施す必要があります。主な選択肢として、以下のようなものがあります。
- アスファルト:比較的低コストで耐久性も高いですが、見た目はシンプル。
- コンクリート:強度があり長持ちしますが、費用が高め。
- レンガ敷き:デザイン性が高く、見た目も美しいですが、その分コストもかかります。
費用は広さや材料によって異なりますが、一般的には数千ポンド(数十万円)の範囲になることが多いです。
3. 排水設備の設置
舗装を行うと、雨水が地面に浸透しにくくなるため、適切な排水設備を整えなければなりません。これを怠ると、水たまりができたり、近隣への影響が出たりするため、自治体の規制に引っかかることもあります。
- 排水用グレーチングの設置
- 透水性の高い舗装材の利用
- 適切な勾配をつけた設計
これらの設備の追加により、さらにコストがかかる可能性があります。
4. 計画許可(プランニングパーミッション)の取得
地域によっては、駐車スペースの設置に際して計画許可(プランニングパーミッション)が必要になることもあります。
- 申請費用がかかる
- 許可が下りるまでに時間がかかる
- 場合によっては追加の工事が必要になる
これらの手続きを怠ると、後々トラブルになる可能性があるので、慎重に進める必要があります。
総費用はどのくらい?
以上の要素をすべて考慮すると、自宅敷地内に駐車スペースを作る費用は、**7000ポンド(約130万円)**に達することもあります。
「駐車場くらい簡単に作れるでしょ?」と思っていた方にとっては、少し驚くような金額かもしれません。
高額な費用の背景
では、なぜここまでの費用がかかるのでしょうか?主な理由を見ていきましょう。
1. 都市部での駐車スペースの需要増加
都市部では、人口密度が高まり、駐車スペースの競争が激化しています。そのため、路上駐車が難しくなり、専用の駐車スペースを求める人が増えています。この需要の増加が、工事費用を押し上げる一因になっています。
2. 自治体の規制強化
環境保護や歩行者の安全確保のため、自治体は駐車スペースの設置に関する規制を強化しています。例えば、ドロップドカーブの設置には厳しい基準が設けられており、許可を得るのも一苦労です。
3. 建設コストの上昇
近年、建設資材の価格が上昇しており、さらに労働力不足も影響しています。その結果、駐車スペースの設置費用も高額化しているのです。
まとめ
自宅敷地内に駐車スペースを設けることは、一見シンプルに思えますが、実際には様々な要素が絡み合い、思った以上に費用がかかるものです。
- ドロップドカーブの設置費用
- 舗装工事の費用
- 排水設備の整備
- 計画許可の取得費用
これらを合計すると、7000ポンド(約130万円)という高額な費用になることもあります。
駐車スペースの設置を検討する際には、これらの要素をしっかり考慮し、無理のない計画を立てることが重要です。しっかりリサーチを行い、費用対効果を考えながら、最適な方法を選びましょう!
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