イギリスで購入できる日本のお米の現状
手に入りやすくなった一方で、「本物の日本米」はまだ高い
イギリスでは、日本食人気の定着とともに、日本のお米自体は以前よりずっと手に入りやすくなりました。ロンドンの日本食スーパーだけでなく、通販でも購入でき、Waitroseのような一般スーパーでも寿司用の短粒米は比較的簡単に見つかります。つまり、「日本っぽいお米」を買うこと自体は難しくありません。問題は、日本産の銘柄米を安定して、しかも手頃な価格で買えるかという点です。
現時点のイギリスでは、日本米は買えるが、安くはないというのが実情です。たとえば Japan Centre では、富山県産コシヒカリ5kgが£29.99、魚沼産コシヒカリ5kgが£38.50で掲載されています。一方で、同じサイト内でも人気の高い新潟県産コシヒカリ5kgや魚沼産2kgなどが「Currently out of stock」「Sorry, Item out of stock」と表示されており、需要が高い銘柄ほど欠品が起きやすい状況も見て取れます。
日本産の高級米は「ある時はある、ない時はない」
イギリスで日本産のお米を探す人の多くが求めるのは、コシヒカリや魚沼産のような日本国内でも知名度の高い銘柄です。しかし、こうした銘柄は価格が高いだけでなく、在庫も不安定です。Japan Centre では富山県産10kgのように買える商品もありますが、5kg帯の人気商品が欠品しているケースもあり、いつでも好きな銘柄を選べる状態とは言いにくいです。
その背景には、日本国内の米価格上昇があります。ロイターによると、日本では2025年に米価格が大きく上昇し、政府備蓄米の放出まで行われました。価格高騰と供給不安が続いたことで、日本国内では輸入米需要も増え、米市場全体が不安定になっています。こうした日本側の事情は、海外向け商品の価格や供給にも当然影響します。
実際によく売れているのは「日本産」より「日本系ブランド米」
イギリスで日常使いしやすいのは、実は日本産の高級米よりも、日本食向けに流通している短粒米や日本系ブランド米です。たとえば natural natural では Yumenishiki Rice 5kg が £25.98 で販売されており、日本産高級米より少し手が届きやすい価格帯です。こうした商品は、日本人や日本食ファンの間で「普段使い用」として選ばれやすく、在庫面でも比較的安定しやすい傾向があります。
一方、一般的な英国スーパーで買えるのは、寿司用米やアジアン向けの短粒米が中心です。Waitrose では自社ブランドの sushi rice 500g が £2.35、Kenji Sushi Rice 250g が £2.00 といった形で販売されています。つまり、「日本食に合う米」は手に入りやすいが、「日本から来た本物の銘柄米」は別枠で高級品という二層構造になっています。
関税が下がっても、まだ安くならない理由
一見すると、貿易協定があるならもっと安くなってもよさそうに感じます。実際、英国政府の2026年のスピーチでは、日本から英国への米輸入関税が0%になったと説明されています。制度面だけ見れば、日本米を英国に入れやすくなったのは確かです。
それでも価格が下がりにくいのは、関税以外のコストが大きいからです。もともとの日本国内価格が上がっているうえ、輸送費、為替、倉庫費用、小規模流通のコスト、そして英国側の小売マージンが上乗せされます。特に日本産ブランド米は大量流通品ではないため、イギリスで売られる時点でどうしても割高になります。関税ゼロは追い風ですが、それだけで「日本と同じ感覚の値段」にはならないのが現実です。
イギリスで日本米を買うなら、選び方が重要
現在のイギリスで日本のお米を買うなら、選び方は大きく3つに分かれます。
まず、味を最優先するなら Japan Centre などで日本産コシヒカリを狙う方法です。ただし価格は高く、欠品の可能性もあります。
次に、コストと品質のバランスを取りたいなら、Yumenishiki のような日本食向け短粒米が現実的です。毎日食べる用途なら、この層が最も使いやすいでしょう。
そして、とりあえず寿司や丼ものに合う米が欲しいなら、Waitrose などの一般スーパーにある sushi rice でも十分対応できます。英国では日本食材の裾野が広がっており、完全な日本産にこだわらなければ、以前よりかなり気軽に代替品を選べるようになっています。
まとめ
2026年のイギリスでは、日本のお米は「買えない」ものではありません。むしろ選択肢は増えています。ただしその中身を見ると、本物の日本産ブランド米は高級品で、在庫も不安定、一方で日本食に合う短粒米や日本系ブランド米は比較的買いやすいというのが実態です。日本の米価格上昇が続いた影響もあり、イギリスで日本米を買う環境は改善しつつも、まだ気軽に安く買える段階には達していません。今のイギリスでは、「日本米は手に入るが、選ぶ銘柄によって満足度も出費も大きく変わる」と考えるのがいちばん現実的です。










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