イギリスのカウンシルタックスとは? ロンドン各エリアの比較と使い道について

イギリスに住む際に避けて通れない税金の一つが カウンシルタックス(Council Tax) です。これは、住んでいるエリアごとに設定され、地方自治体(カウンシル)が提供する公共サービスの財源となる税金です。しかし、ロンドン内でもエリアによって カウンシルタックスの金額に大きな差がある ことをご存じでしょうか?

この記事では、ロンドンの各エリアのカウンシルタックスの金額を比較し、 なぜエリアによって料金が異なるのか、そして カウンシルタックスがどのような用途に使われているのか について詳しく解説します。

カウンシルタックスとは?

カウンシルタックスとは、イギリスの地方自治体が提供する公共サービスの資金源となる税金です。 住んでいる住宅の価値(1991年時点の評価額)に基づいて課税 され、バンドA(最も安い)からバンドH(最も高い)までの 8つのバンド に分類されます。

カウンシルタックスは、住んでいるエリアの 地方自治体(カウンシル)の財政状況や提供するサービス によって異なり、隣接するエリアでも 数百ポンドの差 が生じることもあります。

ロンドンのカウンシルタックス比較

ロンドン内でカウンシルタックスが 特に高いエリアと安いエリア を比較してみましょう。

カウンシルタックスが安いエリア

エリア年間カウンシルタックス(バンドD特徴
Westminster(ウェストミンスター)£865ロンドン中心部。観光地が多く、ビジネスエリアでもある。
Wandsworth(ワンズワース)£972南西ロンドンで、住宅街も多いが、カウンシルタックスが低い。
City of London(シティ・オブ・ロンドン)£1,100ロンドン金融街で、住民は少なく、企業の税収が多いため安い。
St John’s Wood(セントジョンズウッド)£1,200高級住宅街でありながら、中心部に近いにもかかわらず比較的安い。

特に ウェストミンスターやワンズワース のカウンシルタックスが格安な理由は、 商業施設やオフィスが多く、ビジネス税収(Business Rates)が豊富なため、住民の負担が軽減されている からです。

また、 セントジョンズウッド(St John’s Wood) は日本人に人気のエリアですが、 カウンシルタックスが安い のも魅力の一つでしょう。

カウンシルタックスが高いエリア

エリア年間カウンシルタックス(バンドD特徴
Kingston upon Thames(キングストン)£2,200南西ロンドンの郊外で教育機関が充実している。
Richmond upon Thames(リッチモンド)£2,100緑が多く、ファミリー層に人気の高級住宅地。
Merton(マートン)£1,900ウィンブルドンがあり、住宅街が中心。
Barnet(バーネット/フィンチリー)£1,950北ロンドンで、日本人にも人気のフィンチリーがあるが、カウンシルタックスは高め。

ロンドン北部の フィンチリー(Finchley)を含むバーネット区 はカウンシルタックスが比較的高いエリアの一つです。 住宅街が多く、商業施設の税収が少ない ため、住民の負担が大きくなっています。

また、 リッチモンドやキングストンのようなファミリー向けエリア では、公園や学校などの公共サービスが充実しているため、カウンシルタックスが高い傾向にあります。

カウンシルタックスの使い道

カウンシルタックスは、地方自治体の財源として さまざまな公共サービス に使われます。具体的には、以下のような用途があります。

1. ゴミ収集・リサイクル

ロンドンでは 週に1回または2回のゴミ収集 があり、地域によっては リサイクルの回収 も行われています。これらのサービス維持には、カウンシルタックスが使われています。

2. 教育・学校運営

公立学校の 運営費や教師の給与、学校設備の維持 もカウンシルタックスから賄われています。特に ファミリー層が多いエリアでは学校の質を維持するためにカウンシルタックスが高くなる傾向 があります。

3. 道路維持・公共交通

道路の補修、街灯の維持、バス停の管理などもカウンシルタックスの一部が使われています。ロンドンでは 自転車専用レーンの整備やバスの運行補助 なども含まれます。

4. 社会福祉

高齢者や障害者の介護サービス、低所得者向けの支援など、福祉関連の費用にもカウンシルタックスが使われます。

5. 治安維持(警察・消防)

ロンドンの各カウンシルは、地域の 警察や消防署の維持費 にもカウンシルタックスを割り当てています。治安が良いエリアほど警察官の数も多く、コストがかかります。

まとめ

ロンドンでは エリアごとにカウンシルタックスの金額が大きく異なる ため、住む場所を決める際には 家賃や生活費だけでなく、カウンシルタックスの額も考慮 することが重要です。

  • 安いエリア:ウェストミンスター、ワンズワース、シティ・オブ・ロンドン、セントジョンズウッドなど
  • 高いエリア:フィンチリー(バーネット区)、リッチモンド、キングストンなど

また、カウンシルタックスは ゴミ収集、教育、道路維持、福祉、治安維持 などの公共サービスに使われているため、 高いからといって必ずしも悪いわけではなく、住環境が充実している可能性が高い です。

ロンドンでの生活を検討している方は、 どのエリアが自分にとって最適かをカウンシルタックスも含めて考えてみてください!

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