イギリス人が考える人種差別

ナイキのCMがイギリスでも話題

イギリス国営放送局BBCがとり上げた日本のニュースのなかに、ナイキの人種差別をテーマにしたCMがあります。
私もCMを見てみましたが、普通にいいコマーシャルだと思いました。
イギリスでは人種差別をテーマにしたCMというのはありません。
ただ、人種差別を意識してつくられたであろうCMはたくさんあって、テレビで公開されるたびに話題になり、内容によっては放送中止になるものもあります。
意図してつくられたものでも、そうでないものでも見ている人を不快な気持ちにさせたら差別となってしまうんですね。

イギリスでは人種差別がある

イギリスでは皆さん知ってのとおり人種差別はあります。
人種差別を象徴する大きな出来事が2016年の「EU離脱」を決める国民投票です。
地方に住むが人種差別主義者が「自国が東欧人に侵害されている」「昔の強いイギリスを取り戻そう」などと騒ぎだしたのが発端と言われています。
EU離脱が決定したあと、イギリスのいたるところで「ヘイトクライム(Hate Crime)」といって東欧の人たちが暴行されるという事件が急増しました。
2004年にEUに加入した東欧の国EU8(チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、スロベニア)からの移民の数だが、EU離脱の年2016年は42000人、2017年は19000人、2018年は5000人と年を追うごとに減り、2019年はEU8から入ってくる人に対しイギリスから出ていく人たちが15000人も上回りました。

イギリスは臭いものには蓋をする

イギリスは自分たちのしていることにはいっさい触れず、他人のやっている失敗を見つけ鬼の首をとったような偉そう態度をする国なのです。
他人を低く評価することによって自分の地位をあげる。
いちばん上司にしたくないタイプですね。
他国を批判するのならまずは自国の人種差別をなくしてから評価するべきだと思います。

人種差別はなくなることはない

イギリスが自分たちのやっている人種差別にふれないのは、イギリスが個人主義だからです。
悪いことをしているのは個人で国ではない。
日本も同じで他人が人種差別をしているとナイキのCMのように騒ぎ立てるが、自分が人種差別しているかどうかは関係ないのです。
差別というのは行動ではなく相手がどう感じているかを理解できているかどうかだと思います。
私は黒人の友達がいますが冗談でよく「あなたは私のブラックフレンドです。」と言ったりします。
それは私が彼の友達であるからで、彼が赤の他人だったら大問題です。
差別しないというのは分け隔たりなく人と付き合うことではないでしょうか。
自分はちがう人種の人と付き合いがないから差別はしてないと思っていませんか。
他人に近付かないことが差別をしていないのではなく、他人に近付こうとしないことが差別だと誰も気づいていないのです。
だから差別はなくならないのです。

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