イギリスの花粉症は日本と違う?原因・季節・治療法をわかりやすく紹介

花粉症(hay fever)は、日本だけでなく、イギリスをはじめとするヨーロッパ各国でも広く見られるアレルギー性疾患である。イギリスにおいても、多くの人々が春から夏にかけて花粉によるアレルギー症状に悩まされており、その影響は深刻である。実際、イギリスの国民健康サービス(NHS)によると、イギリス国内では約4人に1人が何らかの形で花粉症の症状を経験しているという。

イギリスの花粉の種類とシーズン

イギリスでは、日本のスギ花粉とは異なる植物が原因となっている。代表的な花粉源としては、以下の3種類が挙げられる:

  1. 草花粉(Grass pollen):最も一般的で、5月から7月にかけてピークを迎える。
  2. 樹木花粉(Tree pollen):3月から5月にかけて飛散し、特にシラカバ(birch)、ハンノキ(alder)、ハシバミ(hazel)などが主な原因。
  3. 雑草花粉(Weed pollen):7月から9月頃にかけて多く、ヨモギ(mugwort)やイラクサ(nettle)などが該当する。

イギリスでは、地域によっても花粉の飛散量に違いがあり、南イングランドでは特に草花粉の影響が強いとされている。

イギリス人が行っている花粉症対策

イギリスの人々は、花粉症を単なる季節性の不快な症状としてではなく、生活の質に大きな影響を与える健康問題として捉えている。そのため、さまざまな対策が講じられている。

1. 天気予報や花粉予報のチェック

BBC Weather や Met Office などの天気予報サービスでは、毎日「Pollen Count(花粉飛散量)」を発表しており、多くの人がその情報をもとに外出時の服装や行動を調整している。

2. 室内の空気清浄

窓を閉め切る、HEPAフィルター付きの空気清浄機を使用するなどして、屋内の花粉の侵入を防ぐ工夫が行われている。また、洗濯物を室内干しにする家庭も多い。

3. 外出時の工夫

花粉の多い日は、早朝や夕方の外出を避ける、サングラスや帽子を着用する、外出後はすぐにシャワーを浴びるなど、個人レベルでの予防が徹底されている。

4. 食生活と体質改善

一部の人は、ローカルハニー(地元産の蜂蜜)を少量ずつ摂取することで体質改善を図る「自然療法」も試みている。これは、蜂蜜に含まれる微量の花粉に体を慣らすという発想に基づいているが、科学的な証明は不十分である。

イギリスの薬局で入手できる花粉症対策薬

イギリスでは、薬局(Pharmacy、Chemist)で気軽に購入できる「OTC(Over the Counter)」薬が非常に充実している。以下に、よく使用されている主な薬とその特徴を紹介する。

1. 抗ヒスタミン薬(Antihistamines)

抗ヒスタミン薬は、花粉が体内に入った際に引き起こされるアレルギー反応を抑える代表的な薬である。以下は、イギリスの薬局でよく見られる製品である。

  • Cetirizine(セチリジン): 眠気が出にくく、1日1回の服用で効果が持続する。ブランド名では「Piriteze」などが有名。
  • Loratadine(ロラタジン): 非鎮静性で、仕事中や勉強中でも使いやすい。「Clarityn」というブランドが一般的。
  • Fexofenadine(フェキソフェナジン): より強い症状に対応できる処方薬(場合によってはOTCとしても購入可能)。「Telfast」や「Allevia」として知られている。

2. ステロイド点鼻薬(Nasal corticosteroids)

鼻詰まりやくしゃみに非常に効果的で、長期的に使用しても比較的安全とされる。

  • Beclometasone(ベクロメタゾン):ブランド名「Beconase」
  • Fluticasone(フルチカゾン):「Flixonase」「Pirinase」など

3. 目薬(Eye Drops)

目のかゆみや涙目に対しては、抗ヒスタミン成分入りの点眼薬が有効である。

  • Sodium Cromoglicate(クロモグリク酸ナトリウム): 「Opticrom」などの商品があり、目のアレルギー症状に対応。

4. 総合感冒薬的なアプローチ

一部の製品は、抗ヒスタミンに加えて充血除去剤や鎮痛成分なども含んでおり、複数の症状に対応できる。

  • Benadryl Allergy Relief:即効性に優れており、車の運転には注意が必要。
  • Boots own brand hayfever & allergy relief:大手薬局チェーン「Boots」のプライベートブランドは価格も安く、信頼性がある。

NHSのサポートとGPの利用

重度の花粉症患者は、かかりつけ医(GP:General Practitioner)を通じて、処方薬の相談やアレルギー検査を受けることも可能である。必要に応じて免疫療法(アレルゲンに対する耐性を高める治療)への紹介も行われる。

また、NHSのウェブサイトでは、最新の花粉情報、薬の使い方、症状の自己管理法などが詳しく解説されており、多くの人が日常的に活用している。

まとめ

イギリスでも、日本と同様に多くの人々が花粉症に悩まされており、社会全体での対策が進められている。花粉の種類やシーズン、対策方法、薬の選び方など、現地で生活するうえで知っておくべき情報は多い。イギリスの薬局では、日本よりも選択肢が豊富で価格も手ごろなため、症状に応じた自己管理がしやすいのが特徴である。これからイギリスで生活する予定のある人や、すでに花粉症に悩まされている在英邦人にとって、適切な情報と対策を知ることは非常に重要である。

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